新生AKB48を担う次世代メンバーが集結!いまの魅力を語った!

 新生AKB48が本格的に始動する――。今年の上半期には、AKB48グループ総監督の交代や、在籍17年を誇るレジェンドメンバーの柏木由紀の卒業など変革期を迎えたAKB48。新しい時代の幕開けを飾る64thシングル「恋 詰んじゃった」が7月17日にリリースされる。そのシングルで、初めて単独センターを務めるのは、今年3月に正規メンバーに昇格したばかりの17期生の佐藤綺星(さとう あいり)だ。今回は佐藤に加えて、選抜メンバーから17期生の正鋳真優(まさい まゆう)、18期研究生の八木愛月(やぎ あづき)の3名に新体制となるAKB48の魅力を存分に語ってもらった!

◆柏木由紀が卒業したAKB48

――今年4月、柏木由紀さんが卒業してグループに関して何か変化は感じていますか?

佐藤綺星(以下、佐藤) 若手にも親身になって接してくれるゆきりんさんをずっと見てきて、コンサートなどの現場では私の言えないことをスタッフさんに意見してくれていました。改めて、私たちは自由にのびのびさせてもらっていたんだなと感じます。とはいえ、まだまだ実感できていない部分も多いんですけど。

正鋳真優(以下、正鋳) ゆきりんさんの卒業を私たちも前向きに捉えて、これからの活動を通して私たちの色で溢れたAKB48を作っていこうとみんな感じていると思います。

――17期生以降のメンバーを中心に「新生AKB48」と呼ばれることは多いですよね。

佐藤 AKB48は、一つ先輩のドラフト3期生から私たち17期生の加入まで5年という期間が空いていて、私たちは直接的な研究生としての先輩がいなかったので、研究生の期間をどう過ごしていたのかがわからなくて。17期生からルールが変わることも多かったですし、そこで一旦、区切られた感じがあって、スタッフさん含めてみんなで新たに基盤を作っていきました。

八木愛月(以下、八木) だから17期生以降の魅力ってなんだろう考えたら、先輩方にはない、いい意味での危なっかしさを持っているところかなと。

――じゃあ、そこまで上下関係は厳しくはない?

八木 ちゃんとリスペクトはしてます!

佐藤 この子は怪しいです(笑)。でも、かつてのAKB48の1期生と2期生のようにライバルでもありつつ、仲も良いのでお互いに高め合える関係かな。今のAKB48はチーム制がないので、17期生以降は誰もチームに所属したことがないんです。そういう意味では17期生以降で1つの大きなチームになれたらいいなと思ってます。

――正鋳さんは他のインタビューで気になる部分がありました。加入する前に牛丼屋さんでバイトしていた頃を振り返って、「お店に来ている年齢層と今のAKB48のファン層が一緒」って仰っていましたよね。具体的にどういう意味ですか?

正鋳 特に私のファンの方がっていうことかもしれないんですけど、サラリーマン世代の方で、お会計時にAKB48がコラボしたクレジットカードを出してくださる方も結構いらっしゃって、その世代にAKB48が浸透しているんだなと感じたんです。バイト時代にお客さまと楽しくコミュニケーションも取っていた経験が活きて、今も物おじせずにファンの方と接することができています。

◆SNS全盛時代の仕掛け方

――近年のAKB48はSNSを使った新しい試みも多くなりましたが、ネットでバズらせることの重要性みたいなものは感じますか?

佐藤 私たちは研究生の時代からTikTokのアカウントがあって、17期生と18期生の楽曲で「あの夏の防波堤」っていう曲はTikTokから広がって知ってもらうことができました。AKB48は知ってるけど私たち個人までは知らないという方には、どんな形でも見てもらうきっかけが大事だなと思っていて。私たちが発信したものをファンの方たちが広めてくれるおかげでバズったりもするので、そういう意味では大きいのかなと思います。

八木 握手会でもTikTok経由を見たことがきっかけで会いに来てくれる方もいて、男性だけじゃなく、女性も増えていることが嬉しいですね。

――そして新曲「恋 詰んじゃった」は、“革命宣言”を掲げた力強いライブナンバー。佐藤さんが初センターを務めますが、楽曲を聴いた感想から教えてください。

佐藤 夏にシングルを出させていただくので、爽やかな夏曲をイメージしていました。最初に学校でジャケット撮影したときもみんな制服でフレッシュ感もあったんですね。でも、MVのコンセプトが「新⽣AKB48の⾰命宣⾔、チーム全員で勝つ」ということを監督に教えてもらって。新体制となったAKB48の勢いを曲やダンスからも表現しているので、存分に感じもらえるナンバーになっています!

――TikTokで数々のバズるダンスを生み出している、えりなっちさんが振り付けを担当されています。

正鋳 見どころは、“拳ダンス”ですね。MVでは拳を突き上げて仲間を鼓舞するシーンがあったりとか。一度見てもらったら絶対にクセになると思います。

八木 SNSでは、新曲のタイトルが「『猫 踏んじゃった』にしか見えない」ってイジられていたんですけど(笑)、せっかくなら同じイントネーションで「恋 詰んじゃった」を面白がって広めてほしいですね。

――前作の「カラコンウインク」に続いて、作曲を担当している井上ヨシマサさんはAKB48で一番のヒットメーカーでもありますよね。

正鋳 そうですね。井上ヨシマサさんが作る楽曲は、メロディーを聞いたら一発でわかる曲が多いので、そこにAKB48らしさは出ていると思います。前回の「カラコンウインク」も好きなので、個人的には初選抜が井上さんの曲だということが嬉しかったです。

佐藤 ゆきりんさんが卒業前に秋元さんと対談されていたラジオ番組で、「卒業するのを後悔するぐらい良い曲」だと話しているのを聞いていて、私自身も楽しみにしていました。ファンの皆さんからも、柏木さんが卒業してからが本当の新生AKB48だよねって言われることも多いから、勢いをつけていきたいです。

◆次世代注目メンバーの個性

――皆さんのキャラクター性やグループでの役割も知りたいのですが、自分では語りづらいと思うので他の方に話してもらう感じにしましょうか。まずは、初センターを務める佐藤さんはどんな人ですか?

正鋳 誰がどう見てもアイドルになるために生まれてきたような存在で、王道のキラキラ感といいますか、アイドルに必要なものを兼ね備えてる人。

佐藤 そんなこと普段言われたことない(笑)

正鋳 ザ・アイドルは誰かと聞かれたら、私は綺星ちゃんって答えます。

八木 家を出た瞬間からアイドルスイッチを入れてるんじゃないかと思うぐらい、いつも笑顔を絶やさない先輩です。あとは、公演終わりに研究生みんなで反省会をするんですけど、そういうときに厳しくも素敵な言葉を伝えてくださって、研究生を引っ張ってくれている姿は本当にかっこいいです。綺星さんが的確に指摘してくれて、話してくれたこれからの道筋も18期生メンバー全員の心に刺さって、さらに頑張ろうってなりました。

――佐藤さんはお姉さんがAKB48の15期生として在籍されていましたけど、仕事の相談とかはするんですか?

佐藤 あんまりしないですね。楽曲の振り付けを聞くことはあるんですけど、活動のことは話さないです。お姉ちゃんとは4つ違うんですけど、一緒に寝るぐらい仲が良いんです。だから、泊まり仕事でホテルにいるときとかは、結構お姉ちゃんに電話しちゃいますね。寂しがり屋の優柔不断だから、一人でいるのはあんまり好きじゃないんですよ。

八木 うさちゃんだ(笑)

佐藤 あーん! ご飯とかも相手から誘ってくれたら行けるんですけど、自分からは誘えません。本当は行きたいんだけど、やりたいことがあったらどうしようとか考えちゃって。

――オンとオフのギャップは魅力的ですね。続いて、正鋳さんは?

佐藤 17期生の中だと、真優ちゃんが家族構成で一人だけ長女なんです。おちゃらけたり、MCでもいじられキャラになっていたりするんですけど、実はしっかり者。私もスタッフさんに「引っ張っていってね」と言ってもらえることがあって嬉しいんですけど、プレッシャーもあるので、そういうときに真優が率先してやってくれるので本当に頼りになる存在です。

――あとは17期生以降で唯一水着でのグラビアもされているメンバーだと思うので、お二人の正鋳さんのグラビア評もお願いします。

佐藤 もう全部いいんです。ただ、嫌ではないんですけど、劇場公演の楽屋とかで平気で下着姿で歩いてて、「ヤバくない?」って自分のくびれとかを見せつけてくるんですよ!(笑)

――それがグループ内で、マサハラ(正鋳ハラスメントの略)と呼ばれているやつですか?

佐藤 それです! ほかにもいろいろなマサハラがあります。それがグラビアでは、すまし顔しているとギャップにやられちゃう。健康的な体で笑顔が可愛い。魅力が溢れてますね。

八木 最近は先輩たちもいる公演でも、楽屋内を下着姿でウロウロしていて心配になりました(笑)。そんな面白い正鋳さんなので、グラビアで本当に輝いてるなーと思います。

――まとめると、脱ぎたがりみたいになってますけどご本人的には?

正鋳 違いますよー! 別に自分のスタイルを見せたいわけじゃなくて、笑ってほしいんですよ。あづちゃんは楽屋で隣りになると、「正鋳さん、今日もすごいですねぇ~」って嬉しそうに言ってくるから(笑)

八木 はい、それは認めます(笑)。ただ、正鋳さんのその感じが18期研究生の工藤華純ってメンバーに伝染してて。脱いだりはしないんだけど、ヤバいなと思って焦ってます。

――最後は、この中では1番後輩の八木さん。

佐藤 最初にお披露目で見たときに綺麗なストレートヘアでダンスもキレッキレで、美少女がバキバキに踊ってるっていう印象が強かったんです。でも、いざ話してみると、おバカな部分しか出てこない……。今は真剣にあづのことを心配してます。

八木 真顔で言わないでください(笑)

――どのぐらいのレベルですか?

佐藤 会話してると擬音だらけなんですよ。

八木 自分のことは全然わからないんじゃないですか。でも、私は一生懸命に話してるのに相手の頭に?マークが浮かんでいるのはよく見ますねぇ……。

佐藤 ほらぁ。聞いてる側が置いてきぼりになっても、話を完結させて満足して終わっちゃうんですよ。今回の曲ではフロントメンバーで、ダンスは本当にかっこいいのでパフォーマンス面だけはすごく頼りにしてます!

正鋳 見た目も可愛いしスタイルもいいから、アイドル以外の活動もできるメンバーだなって思ってます。未来が楽しみでもあるし、17期と18期はライバル関係でもあるので、恐ろしい強敵でもあります(笑)

八木 初めて言われました!(笑)

――今はアイドルと学業を両立する方も多いですが、八木さんは大学を中退して、AKB48の活動に専念したんですよね。それはどういう想いから?

八木 私は1つのことしかまっすぐに取り組めないと思ったんです。私はアイドルが好きでAKB48のオーディションを受けたんですけど、まさか合格すると思っていなかったから大学の道に進んでいたんです。今は自分が憧れていたグループに入って夢だったアイドルになれて、私も憧れられるような存在になるためには大学を辞めて、AKB48にすべてを尽くしたいと思いました。両立ができたらかっこいいんですけど、私は本当に不器用なので。

――では新曲のタイトルにかけて「これ、詰んだな」と最近思ったエピソードがあったら教えてください。

佐藤 私は生活すること全般が苦手なんですけど、そのなかでも電車に乗るのが苦手で。先日は終電なのに終点までいっちゃって。結局、家までタクシーで帰ったんですけど、それは「詰んだー」と思いました。

――ちなみにおいくらかかったんですか?

佐藤 金額は秘密ですが、「この金額でお洋服がたくさん買えたな~」と思って、ひとりで笑ってました。お仕事を頑張ります!!

八木 コスメを買うのが好きなんですけど、最近はネットでも買うようになったんです。こないだはリップを1本買ったつもりが、なぜかわからないんですけど、30本届いて……。周りのお友達に配ってました。クレジットでポンポ~ンって進めてたら、その結果、詰みました。

正鋳 業務用を買ったの?(笑)

佐藤 これは、完全にあづってます(おバカでやらかしてるの意)

八木 ここまで間違ったのは初めてなんですよ! なんでなんでしょう……、考えれば考えるほど頭が難しんですけど、詰みました。

――正鋳さんもあります?

正鋳 うちは一番早く帰った人が洗濯物を取り込むっていうのが我が家のルールなんです。それをいつも忘れて、お母さんに怒られてそのたびに「詰んじゃった」って思ってます。私が悪いんですけど(苦笑)

佐藤 当たり前だよ!

――終電で寝過ごしてるのに他人には厳しい(笑)

佐藤 ごめんなさい、私のほうが詰んでました(笑)

◆これからのAKB48に必要なもの

――そんな個性豊かな次世代メンバーから見て、今のAKB48に足りていない部分ってありますか?

佐藤 以前、タイで海外のグループと一緒にコンサートをしたことがあるんですけど、そのときにレッスンのテンション感がまったく日本と違うなと感じました。AKB48って悪い意味ではないんですけど、ライバル同士でもあるから個人で戦っている意識も強いです。一方で、その海外のグループは私たちがレッスンしているときも、全員が目の前で見ていて、勉強してる子もいれば、掛け声で盛り上げてくれる子もいて。そういうレッスンからの一体感は、AKB48でももっと意識するしていった方がいいことなのかなと思ってます。本番だけで一体感を作ろうとしても難しいので、普段のレッスンのときから、ライバル意識はありつつも相手を尊敬したり、学び合う環境は必要だなと思いました。

正鋳 そうだね。私がグループでやり遂げたいと思っていることが海外での単独コンサート。日本を拠点に活動していますけど、海外の人にも日本の文化を伝えながらAKB48を知ってもらえるような活動をもしたいですね。そのために、グループもそうですが、メンバーの個性や特技ももっと伸ばしていかないとダメだなと感じてます。

八木 これから20期生も入ってくるので、17期生以降のメンバーだけで日本武道館のステージに立ってみたい! 先輩方に甘えるだけじゃなくて、私たちがこれからのAKB48を引っ張っていくぞという意味でも、そういうコンサートをしてみたいですね。今年の夏は17期、18期、19期だけで全国ツアーをやらせていただくので、若手の勢いを感じてもらって、私たちも成長できたら嬉しいです。

――かつてAKB48は選抜総選挙やじゃんけん大会など、日本中を巻き込むイベントもありましたよね。そういうものが復活して欲しい気持ちは?

佐藤 もちろん、やってみたいです。

八木 私はゆきりんさんがプロデュースしたコンサートで、くじ引きでセンターを決めるという企画でソロ曲を披露させていただいて。それが私のアイドル人生が変わった瞬間でもあるので、実力も運も大事だと思いますし、そういう企画もしてみたいなと思いますね。チャンスはいつ訪れるのかわからないので。

――昔だとメンバーがポロっと発言したようなことが大きなイベントになるみたいなこともあったように思うのですが、そういう提案はしたことあるんですか?

佐藤 以前、17期生で単独コンサートをやらせていただいたときに、全員でセットリストを決めたんですけど、結構いろんな意見が出ていたので、みんなそれぞれアイデアはたくさん持ってると思いますね。

正鋳 普段のレッスンとかお仕事での何気ない発言を面白がって拾ってもらえれば、もっともっと広がるんじゃないかなと思ってます。なんでもやるのがAKB48だと思っているので、これからもがむしゃらに挑戦し続けていきたいです。

取材・文/吉岡俊 撮影/後藤巧

<プロフィール>

17期生の佐藤綺星(19歳)と正鋳真優(19歳)、18期研究生の八木愛月(19歳)。

夏のライブツアー『新メンバー挨拶まわり ~私たち、AKB48です~』は、7月21日の仙台公演を皮切りに、大阪、名古屋、福岡、横浜の5ヶ所で開催予定。

ほかに、新曲「恋 詰んじゃった」に収録されているカップリング「ピンと来た」が主題歌の佐藤綺星主演、八木愛月出演のテレビ東京ドラマ「星屑テレパス」も放送中