大事件ばかりがニュースではない。生活で役立つニュースを厳選、今回は反響の大きかった記事より、いま再び話題になっている記事に注目し紹介する!(集計期間は2018年1月~2023年12月まで。初公開2023年5月12日 記事は取材時の状況) * * *
徐々に気温が高まりつつあり、装いも新たになっているのでしょうか。注意したいのが「半袖の服の着こなし」で、重ね着しないからこその問題が発生する恐れが……。個人的にはTシャツを一枚で来た際に「乳首が悪目立ちしてしまうこと」に対して警鐘を鳴らしたく思っております。
今回は、“Tシャツ一枚コーデ”の注意点について、『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者である森井良行がポイントを解説します。
◆久しぶりに着るTシャツには気を付けよう
“Tシャツ一枚コーデ”では、当然Tシャツそのものに視線が集中します。首元のヨレ具合については、普段は意識が向かないかもしれません。ところが、クローゼットから久しぶりに出してみると、見るも無残にヨレていることもあるでしょう。
そういった場合、着こなしにおける“戦略の見直し”を検討してみてください。一枚コーデで「そのまま戦う」のではなく、シャツアウターなどを重ね着することで、生地に蓄積したダメージも気にならなくなっていくはず。
とくに注意すべきは、ダークカラーのTシャツです。紺や黒のTシャツは、汚れが目立ちやすい白Tとは異なり、数年にわたって着用している方もいるのでは? ただ、ダークカラーTシャツこそ、度重なる洗濯によって、染料が落ちてしまい、生地が薄っすら白っぽくなってくるもの。気に入ったアイテムのつもりでも、はたから見ると清潔感的に厳しい状態かも……。こうなったらTシャツの買い替え時です。
◆サイズ感に加えて生地感も意識すべき
さて、もはやオーバーサイズが定番になった昨今。ジャストサイズのTシャツ一枚コーデは悪目立ちします。NGという訳ではありませんが、生地の厚みによっては身体のラインが出やすいことが理由として挙げられます。
そもそも、Tシャツ一枚コーデで乳首が浮いて見えるリスクは、ジャストサイズのときに起こりうるもの。だからこそ、乳首が浮かない程度のサイズ感を選んでください。特に鳩胸の方は、「張りのある生地感」を意識してみましょう。
身体のラインが強調される理由は、サイズ感のみならず生地感も関係しています。張りがある肉厚な素材感ならば、乳首問題は簡単に解決。このとき、気持ちオーバーサイズのサイズ感がおすすめなのです。
◆“ムチムチ姿”にならないようにするには
ジャストシルエット全盛の10年以上前、Tシャツの袖丈は短めが主流でした。それに比べて、今の主流は、5分袖程度の袖丈。
型紙で変わるTシャツのアームホールは、Tシャツのシルエットを左右します。短めの袖丈Tシャツは、恰幅よい男性にとって難易度の高いもの。というのも、ムチムチに見えやすいため、避けた方が賢明でした。
一方、オーバーサイズTシャツは、アームホールに余裕がある型紙が多いのです。Tシャツの袖丈は、肘手前くらいの長めです。ジャストサイズに馴染んだ世代にとって違和感あるフォルムですが、体形を選ばず着られると思います。
こういうシルエットのTシャツは、合わせるパンツのシルエットも選びません。スキニーパンツでもワイドテーパードパンツでも、どんなシルエットにも馴染みます。
◆プリントTシャツを選ぶならば…
基本的には無地のプレーンなTシャツ姿がおすすめですが、どうにかプリントTシャツを着こなしたいという相談を受けることもあります。とはいっても、プリント柄にセンスが表れてしまうため、プリントTシャツ姿が「手抜きの普段着」だったり、「ちょっと変わった人」に見えてしまうケースもあるのです。
とはいえ、合わせ方と選び方さえ間違えなければ、プリントTシャツもこなれて見えるはず。選ぶ際には、「色数」に注意しましょう。生地色にプリントの色数が加わるため、無地Tに比べて、印象が散らかりやすいからです。
色数が増える際は、着こなしをシンプルにすると収まりがよく見えます。たとえばプリント柄が中途半端に隠れてしまうようなボディーバッグは避けたいところです。
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たまには、いつもとは違う方針を意識するのも悪くないはず。“Tシャツ一枚コーデ”を楽しんでください。
<TEXT/森井良行>
【森井良行】
“あなたのお抱えスタイリスト”として、その違和感を言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)など5冊。MENSA会員。公式サイト「エレカジ」では、80件を超えるコーディネート事例を公開。