若いころからファッションに疎く、スタイルに自信もない私。気に入った同じ服を何年着ていても気になりませんでした。ですが40代になった今、これまで着ていた服を着回そうと思っても顔の老化や体形にも限界を感じつつあったところ、子どものひと言がきっかけとなり、新たに服を買いそろえることに。いざ買うときに、年代に合わせた服選びに迷った体験談です。
服がしっくりこない…
改めてクローゼットを見直すと、若いころに買って今着るには体形にも顔にも合わない服がちらほら。今後着ることがないだろう服を片付けて、いざ買い物へ行きましたが、服選びは難航しました。私が求めているのは年齢相応の無難な服でしたが、まず迷ったのはデザインと素材です。若いころは服の素材など気にしなかったのですが、40代の今、服の素材やデザインによっては、ファッションに疎い私にもわかるほどどうにも安っぽく貧相な印象になってしまいます。モデルのように整った外見でもない私は、どんな服でも着こなせるわけではありません。
他にも悩んだのは金額です。40代以上の年齢層をターゲットにしているブランドの服を見ると、落ち着いており違和感がなく着られそうな服が多くありました。ただ、お高い……。お金をかけるなら自分よりも子どもや家族にかけたいので、あまりに高い服には手を出せません。そして、それなりのお金をかければそれなりに見えるかと言えばそんなこともありません。スタイルが良いわけでもないので、どこか服に着られているような印象になってしまうのです。
そういうわけで、なかなか似合う服が見つからず、途方に暮れました。
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「お母さんかわいいね!」
そもそも40代の今になって服選びに苦しむことになったのは、加齢による外見の変化に加えて、若いころから外見やセンスに自信がなく、ファッションが苦手で知識不足だったからだと思います。特に最近までは育児に追われて、自分の見た目をあまり気にしていませんでした。コロナ禍で外出の機会があまりなかった時期も重なったため、1日中ノーメイク。人と会う予定がない日は、何年も前に買った服を部屋着にして、そのまま過ごすこともあったほどです。思えば本当に無頓着でした。
そんな私が着る服を見直そうと思ったきっかけは、子どもからのひと言です。ある日私はフォーマルなイベントに参加するため、一張羅(いっちょうら)のワンピースを引っ張り出し、珍しく入念にメイクをしていました。そんな姿を見て、子どもが「かわいい」と言って褒めてくれたのです。
このとき私はうれしいといった気持ちよりも、普段あまりにも手抜きでズボラな姿しか見せていないことに気が付き、なんとも申し訳ない気持ちが勝りました。子どもの純粋な言葉は私にとって、ぐうたらな意識を改めるには十分なひと言でした。