―[ゼロ恋愛 〜経験値ゼロから学ぶ恋愛講座〜/堺屋大地]―
こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式サービスにて、年間約1000件のペースでチャット恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。
2020年国勢調査によれば、日本人の「生涯未婚率」(50歳時の未婚割合)は年々上昇しており、女性は17.8%、男性に至っては28.3%にも及びます。そんななかで、恋愛がうまくいかないという方々にも筆者の知見が少しでも役に立てばなによりです。
◆当然「性格が良い人」を選ぶ人は多いが…
恋活・婚活をするうえで、「性格が良い人がいい」と考えている方々は多いでしょう。しかし、一見すると性格が良いと思われる相手と付き合えたものの不幸になってしまうというケースは、実はかなりあるのです。
そして逆に、性格が悪いと自覚している人をパートナーに選んだほうが、幸せな人生を歩めるというケースもかなり多いのです。
◆世の中の8割は「性格が悪い人」
まず、そもそも“本当に性格が良い人”は、世の中にどれぐらいいるのでしょうか?
日々生活していて、そんなに性格が悪い人間はいないと考えているとしたら、世の中の半数以上は性格が良い人間だと思っている方々も少なくないでしょう。
ここからは持論ですが、筆者は“本当に性格が良い人”は世の中にたった2割程度しか存在していないと考えています。つまり、残り8割は“性格が悪い人”だと思っているということです。
世界の8割が性格の悪い人間と言うと、けっこう衝撃的かもしれませんが、内訳は次のようになります。
①《本当に性格が良い人》…2割
②《性格が悪いことを自覚できている性格が悪い人》…4割
③《自分のことを「性格が良い」と勘違いしている性格が悪い人》…4割
◆人々の認識を狂わせる、表面的に性格の良い人
言わずもがなポイントは③のタイプ。
本当は性格が悪いのに、自分では性格が良いと思い込んでいるし、表面的には性格が良いような言動が多いので、そこまで深く関わりのない周囲の人々からは性格が良いように見えている。
①と③を合わせれば全体の6割は「良い人」のように見えてしまうのですが、現実は②と③で8割が「悪い人」である――という考察。要するに、③のタイプが世の人々の認識を狂わせているのです。
◆残酷なことも無自覚でやってしまうタイプ
ここまでのお話で、「性格が良い人」をパートナーに選ぶと不幸になるという理由が、見えて来たことでしょう。
そう、①の“本当に性格が良い人”と巡り合えて付き合えればきっと幸せになれるでしょうが、世の中には③の“自分のことを「性格が良い」と勘違いしている性格が悪い人”が非常に多いため、①と付き合ってるつもりでも実は③だったというケースが多々あるのです。
③のタイプは、えてして「自分の考え方は正しい」と妄信しています。
そのため、良かれと思って自分の価値観をゴリ押ししたり、他者の価値観を否定して修正しようとしたりして、結果的にパートナーを苦しめることがよくあるのでタチが悪い。いわゆるモラハラをするのも③であることが多く、“正義”という名の凶悪な刃を振りかざして、パートナーを傷つけ、追い込んでいくのです。
また、自分は「性格が良い」という前提で物事を考えているため、自分が残酷なひどいことをするという発想がなく、そういったクズな言動をしていても無自覚であることも多々あります。
こういう③のようなタイプと一緒にいるパートナーは心がどんどん疲弊していって、不幸になってしまうというわけです。
◆理性で自身の性格の悪さを抑制している
では、②の“性格が悪いことを自覚できている性格が悪い人”はどうでしょうか。
結論を言うと、たいていは③よりは②のタイプのほうがよっぽどマシなのです。
もちろん②のなかには、自分の性格の悪さを自覚したうえで非情でクズな振る舞いが余裕でできる人もいますが、たいていは性格が悪いと自覚しているからこそ、心にストッパーがかかって、残酷なひどいことまではできないという人が多いのです。
②は自身の醜い一面を客観的に見えているからこそ、関わる人たちに嫌われたくないと考え、理性でコントロールして性格の悪いところを抑制しているというケースも少なくありません。
そして、一口に「性格が悪い」と言ってもレベルがあります。一緒にいてもさほど実害はない低レベルの性格の悪さなのか、それとも一緒にいればいるほどひどく傷つけられていく高レベルの性格の悪さなのか。
自覚がある②が低レベルで、自覚のない③が高レベルであるということは往々にしてあるのです。
◆自覚できている性格が悪い人のほうがマシ!
まとめますと、①の“本当に性格が良い人”とパートナーになれるのがベストですが、全体の2割程度しかいないため、なかなか①と結ばれるのは難しいもの。現実的に考えて、世の中の8割程度を占める性格の悪い層からパートナーを選ぶことになるケースのほうが、圧倒的に多いわけです。
ただ、性格の悪さにもレベルがありますので、できれば低レベルの人を選びたいところ。
となると、非常に残酷なことが平然とできてしまう③の“自分のことを「性格が良い」と勘違いしている性格が悪い人”よりは、自らの振る舞いを制御できる②の“性格が悪いことを自覚できている性格が悪い人”のほうが、よっぽどマシということです。<文/堺屋大地>
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【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X(旧Twitter):@SakaiyaDaichi