「あおり運転」に百年の恋も冷めた!覆面パトカーに捕まった恋人がとった“まさかの行動”

 人の本性というのは、ふとしたときに出てしまうようだ。実際にそんな体験をし、百年の恋も冷めたと話してくれたのは、井森友香さん(仮名・27歳)。その出来事は、結婚の挨拶も兼ねて彼の実家に挨拶へ行ったときに起こってしまったとか。

 友香さんは、取引先との飲み会でJさん(36歳)と知り合い、1年ほど前からお付き合いしていた。思っていることを口に出すのも苦手で控えめな友香さんは、同じような性格のJさんに魅かれて穏やかに愛をはぐくみ、結婚を約束。

◆お互いの実家へ挨拶に行くことに

「結婚の話も具体的に進み、お互いの実家に挨拶へ行くことになりました。まずは彼の実家へ行くことになり、公共交通機関を乗り継いで到着。明るくて印象の良い彼の両親にホッとし、会話もいい感じでほのぼのと弾んでいました」

 ところが、Jさんが「せっかくだし、ドライブをしてから帰ろう」と言いはじめる。なんでも実家へ到着したときに、ガレージで弟の愛車を見つけていたというのだ。Jさんが両親に確認すると、「昨日は夜勤で朝帰ってきたから、寝ているのではないか」とのこと。

「するとJは、どこからかカギを持ってきて、『ドライブできるチャンスなんてなかなかないし、ちょっとだけドライブしよう』と言います。私自身は、自分が寝ている間に車を運転されるのは嫌です。でも、弟さんとはそういう仲なのかとドライブに応じました」

◆運転中にイライラと舌打ち

 普段は、電車やバスなど公共交通機関しか使わない生活を送っていた友香さんは、ドライブデートに心が弾みます。同じようにJさんも公共交通機関のみで生活していたため、久しぶりの運転。友香さんから見ても、明らかにはりきっている様子だった。

「ワクワクしながら車へ乗り込んだのですが、ハンドルを握ると、周囲の車への文句が多い。ずっとぶちぶち。それでも、すれ違う車が少ない田舎道を走行しているときは、まだ『どうしたの? 仕事でストレス溜まってるの?』『まぁね』ぐらいの感じでした」

 ところが車通りの多い主要道路へ出ると、Jの態度が徐々にエスカレート。「よほどストレスが溜まってるのかな?」と心配になっていく友香さんを横目に、周囲の車に近づいたり速度を急激に落としたりすることもあり注意すると、「チッ!」と舌打ちまではじまった。

◆「前の車が遅い」と文句を言って追い越し

「とにかく楽しくないドライブ。そういう私の気持ちを察すると、すぐに『ごめん』と謝ってくれるのですが、無意識の舌打ちだということにも怖くなりました。早く車から降りたいと思っていたのですが、車はそのままトンネルへ。そして、走行し続けます」

 トンネル内のオレンジ車線は追い抜き禁止だったが、Jさんは「前の車が遅い」と文句を言いながら追い抜いていく。そして、追い抜いた車の進路を妨害するように速度を落として運転しはじめたのだ。

「私のストレスも限界に近づいていたそのとき、サイレンの音が鳴って、後続車が覆面パトカーだということを知ったのです。さっきまでノリノリで妨害運転をしていたJでしたが、急に青ざめた様子でおとなしくなり、うっすらと震えていました」

◆パトカーに捕まったら罪をなすりつけ

 そして、覆面パトカーに誘導されるままトンネルから出たあたりで車を停車。運転席の窓ガラスを叩く警察官の指示にもおとなしく従っていたのだが、違反や危ない運転をした事情を聞かれると、とんでもないことを言いはじめたのだ。

「Jはテンパった様子で『オレンジの線は抜いても大丈夫って言うので……』と、私が違反を指示したかのようなウソをついて、罪をなすりつけようとしてきたのです。さらには、危険な運転についても私のせいにしようとしてきたので、全否定しました」

 点数を引かれ、危険運転についても厳重注意を受けたというJさん。このあと友香さんは将来のことを考え、Jさんに別れを告げている。そして、「Jのように顕著なケースは少ないかもしれないけれど、結婚相手の言動には十分注意して」とアドバイスしてくれた。

<TEXT/山内良子>

【山内良子】

フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意