日本には、約50種類ほどの税金があります。所得税や住民税、消費税などは身近な税金ですが、贈与税や相続税は、滅多にお目にかかることがありません。今回は、もしもの時に備え、贈与税について注意しておきたいことを見ていきましょう。
「贈与」って…何ですか
贈与とは一言でいうと「お金や物をあげること」をいいます。一般的には、親が金銭を子供にあげたり、または祖父母がお孫さんに不動産などの物(財産)をあげたりと、下記のようなケースがあります。
祖父母がお孫さんに110万円のお金をあげた
親が、子供に自宅をあげた
親が、住宅を購入する子供に住宅取得資金500万円をあげた
こんなシーンも贈与にあたる
贈与となる行為は、日常のちょっとしたシーンにも潜んでいます。次のようなアクションを行おうとする時には、注意が必要です。心配な時は、税務署や専門家にご相談ください。
親が払っていた生命保険の満期保険金を子供が受け取った場合
同居する親の名義の家屋に、子供が増改築工事をした場合
子供のローンを親が、肩代わりして一括返済した場合
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贈与税を納める時ってどんな時?
贈与税
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年間110万円までの贈与は非課税
一定額を超える財産の贈与があると、もらった人に税金がかかります。この税金のことを「贈与税」といいます。ただしその年の1月1日から12月31日までの間に、一人あたり110万円までの財産をもらっても贈与税はかかりません。この課税方法を「暦年課税」と言います。
110万円を超えた場合は、翌年の3月15日までに税務署で確定申告と納付が必要となります。年間に受けた贈与の価額が110万円以下であれば申告の必要はありません。ちなみに、法律用語では、財産をあげる人のことを「贈与者」、もらう人のことを「受贈者」と言います。
贈与の申告は、誰がするのか
贈与税の申告は、財産をもらった方(受贈者)が税務署で確定申告を行います。同じ時期に、所得税の確定申告も行われています。贈与税の申告は、所得税の確定申告と別の様式の申告書となるため注意が必要です。