資材・人件費が高騰…ペアローンが増えている理由
ペアローンが増えている
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現在、様々な物価が高騰していますが住宅も例外ではありません。資材価格や人件費の高騰などもあり住宅の価格は上昇しています。そうなると「家を買いたいけど買えない」、「ローンを組みたいけど希望額を借りることができない」というケースも増えることになります。これは当然、住宅購入希望者のみならず金融機関側にとっても痛手となります。
よって、ペアローンであれば夫婦の収入を合算することになり、住宅の購入額が高くなってもローン審査に通りやすくなるわけです。こういった事情もあり、金融機関側から見ても今の時代のニーズにあった商品だといえます。
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ペアローンを組む3つのメリット
夫または妻のどちらかが単独で借りることと比べ、ペアローンはどのようなメリットがあるでしょうか?
借入可能額が増える
夫婦どちらも住宅ローン控除を使える
夫婦どちらも団体信用生命保険に加入できる
住宅ローンは借りたい金額をいくらでも借りられるわけではありません。年収や金融資産の状況等に応じて借入可能額が決まります。よって、単独の場合に比べ、夫婦それぞれが住宅ローンの契約者となるため、それぞれの収入から借入可能額を算出することになり、より多くの借入が可能となります。
借入金額を増やすことができるということは、つまり、購入できる物件の選択肢が増えることになります。仮に夫だけで住宅ローンを組む場合は諦めなければならなかった新築戸建や人気エリアの高級マンションも候補となるかもしれません。
そして、住宅ローン減税は夫婦どちらにも適用されます。減税対象の残高には上限があるため、1人であれば減税対象外になる借入部分も、2人でローンを組むことで減税対象になる場合もあり、効率的です。
例えば2024年に一般の中古物件を購入した場合、減税のローン上限は2000万円となります。減税率は0.7%であるため、仮に3000万円や4000万円の借入を行っても、2000万円の0.7%にあたる14万円分の減税効果しかありません。それが夫2000万円、妻2000万円というようなペアローンの場合、夫婦どちらも減税措置を受けることができるため、世帯で見た場合の減税効果が非常に大きくなります。
また、団体信用生命保険(通称「団信」)もそれぞれのローンに適用できます。団信は住宅ローンの契約者が死亡した場合、残高を清算するための生命保険です。通常、ローン契約時に加入しており、保険料は金利の中に含まれています。ローン契約後は「残高分の生命保険に加入している」ことと同じことになり、万が一の場合、遺族はローン残高を払う必要がないのです。
ペアローンの場合、仮に夫が死亡すると、団信のおかげで夫のローン残高を妻が代わりに払い続ける必要はありません。ペアローンを組んだ後、その点を考慮し、夫婦それぞれの生命保険の既契約を見直し、保険の解約や保障の減額を行えば家計にとってプラスとなります。
ただし、団信については状況次第ではデメリットとなる場合もあります。以下で詳しく見ていきましょう。