ペアローンを組むデメリット3つ

夫婦それぞれが住宅ローンを組むことになることのデメリットは以下が考えられます。

事務手数料など費用が2本分になる
一方が失業、病気など働けなくなった場合のリスク
どちらかが亡くなった場合、もう片方のローンは残る

ペアローンの場合、夫婦それぞれがローン契約を行うことになるため、1本のローン契約と比べると収入印紙代や登記手数料といった手数料が2本分生じるため、初期費用が高くなるのがデメリットの1つです。

現在、ネット銀行の住宅ローンは金利が低いということで大変人気ですが、ネット銀行の場合、融資事務手数料を「借入金額に対して2.20%(税込)」としているところが多く、このように手数料が“率”の場合は単独ローンでもペアローンでも変わりはありません。ただし、「融資事務手数料3万3000円」などローン1本に対して手数料がかかる場合は単純に2倍の費用がかかります。

そして夫婦それぞれが一定の収入を得ながら長期的に返済していくことを前提としているため、病気・出産・失業・倒産などによって働けなくなった場合などはローン返済が難しくなることも考えられます。

先に紹介しましたように20代・30代の夫婦でのペアローン利用が増えています。今後、子供が生まれる可能性も高い世代です。「子供はもうけない」、「子供は1人」と考えていても、その通りにはならないことも考えられます。「2人がフルで働く」ことを前提にしていると返済が厳しくなる局面も考えられます。

契約者の収入が途切れると返済が難しくなるのは、ペアローンに限ったことではありません。しかし、単独でのローンに比べ様々なシナリオが考えられます。事前に入念なライフプランや今後の転職、独立の可能性といったキャリアプランを話し合っておくとよいでしょう。

また、団信についてはそれぞれに適用されるということでメリットとして紹介しました。しかし、仮に夫が亡くなった場合、ペアローンではなく夫のみが住宅ローンの契約者であれば、ローン残高がなくなりますが、ペアローンであれば妻の分は当然残ったままとなります。大切なパートナーを失い大変な状況の中、自分の分のローンを返済しなければならないのです。団信についてはメリット・デメリットどちらの側面も持ち合わせているといえるでしょう。

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離婚した場合はどうなる?単独ローンとの違い


険悪な雰囲気のカップル
【画像出典元】「stock.adobe.com/Elnur」

ペアローンの場合、購入した住宅は夫婦共有の財産であるため、やはり離婚した場合が単独ローンに比べると面倒なことになることが想定されます。住宅ローンは契約者が居住することが前提になっているため、離婚後、一方が家から出ていくとなった場合、契約の見直しが必要となります。離婚に伴う手続きは何かと大変だと言われていますが、さらにやるべきことが増えることになります。

また細かい点ではありますが火災保険は1つの契約に対して被保険者が夫と妻の両名となるのが一般的です。保険金が支払われる際はどちらかの銀行口座に振り込まれることになるため、もう一方が承諾書を提出するといった手続きも必要となり、単独ローンで火災保険に入る場合と異なり、少し手間となります。