32歳年収600万の美人OL。アプリでマッチするのに毎回3回目のデートがない、致命的な理由とは

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「どこがダメだった?」勝どきのタワマンで同棲する34歳女。結婚前提だったのに半年でフラレた理由

久しぶりに気合を入れて履いたピンヒールのせいか、さっきから足が痛い。綺麗にライトアップされた東京駅を見ながら、私は靴を脱いで裸足で歩きたい衝動に駆られる。

「どうして毎回、三度目がないんだろう…」

東京の真夏の夜の湿気が、私にまとわりついてくる。空気を肺に吸い込んでも、むわんとした空気しか吸えない。

マッチングアプリを使ってもうすぐ2ヶ月。これまで5人の男性と会った。

「いいね」もたくさん来るし、最初にお茶をして顔合わせをすると、必ず次のデートには誘われる。

なので第一印象がNGとかではないと思う。

しかし実際に会って食事をすると、必ずそこで終わってしまう。

今日会っていた商社マンの啓太とも、次がないことは、別れ際の彼の態度から容易に察することができた。

「こんなにも結婚がしたいのに…。私の何が悪いの?」

もうすぐ32歳、年収600万の独身。

条件もそこまで悪くはないはずなのに、私はどうして次のステップへ進めないのだろうか…。



Q1:マッチングアプリでマッチするために良いプロフィールは?



30歳まで学生時代から長年交際していた彼氏がいたこともあり、真剣に婚活はしていなかった。

その彼と結婚しないと決め、別れた後で何度か食事会へ行ったが、私はそこそこモテた。

だが、別れて2年。交際に至りそうな人や、良いお店や旅行へ連れていってくれる素敵な男性は何人かいたものの、彼氏らしい人はいない。

少し焦りも出てきたし、真剣に結婚を見据えてマッチングアプリを使い始めたのだ。

私のプロフィールは、いたって普通だと思う。

友達に撮ってもらったお気に入りの顔写真と、2枚目は猫の写真。

年齢32歳で年収600万。そして「プロフィール見ていただきありがとうございます。都内でOLをしています。美味しいご飯屋さん巡りと、旅行が好きです。よろしくお願いします」くらいしか書いていない。

しかし想像以上にたくさんの“いいね”が来て、驚いた。

何人か目ぼしい人がいたのだが、今回デートした啓太は、最初から気になっていた。

― 啓太:初めまして!すごく素敵な笑顔だなと思って、いいねを押させていただきました。よろしくお願いします。

丁寧なメッセージで、プロフィールを見ると33歳で総合商社ときた。しかも“真剣に結婚を考えられる相手を探しています”とまで書いてある。

すぐに“ありがとう”を返し、何度かやり取りをした後、表参道にある素敵なカフェで初めて会うことになった。

「初めまして、啓太です」

「初めまして、杏奈です」

写真通りの啓太は、思っていたより少し身長は低いものの、濃いめの顔立ちにガッチリとした肩幅で、体育会系の雰囲気を醸し出している。

「杏奈さん、写真そのままですね」

「そうですか?良かった」

プロフィール写真を加工しすぎると、実際に会った時にガッカリされるリスクがある。なので私は、絶妙に加工した程度の写真しか載せていない。

「啓太さんも、メッセージの感じそのままですね」

実際に会ってみると啓太はとても話しやすく、好きなエリアも似ていて盛り上がった。

「杏奈さんは、普段はどの辺りにお食事へ行くことが多いんですか?」

「職場のある丸の内とか、銀座エリアが多いです。啓太さんは?」

「僕も職場が大手町なので、そのエリアは結構行きます。でも友達と飲む時は、恵比寿とかも多いです」

「そうなんですね!私も一緒です」

そんな会話で盛り上がり、自分自身で手応えもあった。

「杏奈さんって、意外にふわっとしているんですね」

「そうですか?」

「写真で見ていたら、もっとストレートというか強い系かと思ったのですが…」

これがどういう意味だったのかはわからない。でも、彼的には良いふうに捉えてくれたらしい。

「良ければ、次は食事へ行きませんか?」

「いいですね、行きましょう」

こうして、啓太と二度目のデートが実現した。



Q2:男が二度目のデートでナシと判断した理由は?



啓太との、ディナーデート。彼は丸の内のビル群を眺めながら食事ができるイタリアン『ブリアンツァ トウキョウ』を予約してくれていた。

「素敵なお店ですね♡」

「ここ、来たことありました?」

「初めて来ました♡」

仮に二度目でも、「初めて」と言うのは忘れない。婚活の超初歩的な約束事くらい、押さえている。

しかもこの日はテラス席から見える夜景がより一層綺麗に映えて、私は思わずスマホのカメラを向けた。

「それ、どこかに載せるんですか?」

「インスタに載せようかなと思って」

「杏奈さんのインスタのアカウント、聞いてもいいですか?」

「もちろんです!」

こうしてお互いのインスタのアカウントを交換し、食事をしながらさらに深掘りをしていく。

「杏奈さんって、グルメなんですね。有名店もたくさん行かれてますし」

「全然ですよ」

「旅行もお好きなんですね!」

「そうなんです。水着の写真もあって恥ずかしいですが…この写真は、先日行った香港ですね」

「すご…!ここ、どこのホテルですか?すごい素敵な部屋ですね」

「でも啓太さんも、商社なら出張とかで海外多いのでは?」

「そうですね。たしかに多いかもですが、コロナ以降で頻度は減りましたね」

そこからお互いの好きな国や旅先ですることなどで盛り上がる。啓太は今日も優しくて、そして素敵だった。

私の話に適度な相づちを打ちながら、しっかり自分の話もする。その絶妙な塩梅が、居心地良く感じさせてくれた。

「杏奈さん、経験値高いな〜」

「全然ですよ。元カレがたまたまお金持ちだっただけで」

「でもすごいですね!色々な所へ旅行していて。僕、普通のサラリーマンですけど大丈夫ですか?」

「もちろんです!しかも商社マンって普通よりすごいじゃないですか」

「そう言ってもらえると嬉しいですけど」

ここで、ちゃんとフォローも忘れない。

お金目当てだと思われたくないし、私がどれほど真剣に婚活をしているか、伝えておいたほうが良い。

「啓太さん、今彼女はいないんですよね?」

「もちろんです!いたらアプリ、使いませんし」

「良かった。結婚願望はありますか?」

「あります。杏奈さんは?」

「私もあります。今すぐにでも結婚したいくらいです」

最初から、ここまでハッキリ言うと引かれてしまうかもしれない。

でもマッチングアプリのゴールは、男女一緒。結婚したいか、したくないか。その確認を最初にしておくのは当たり前のことのように思う。

こんな話をしているうちにあっという間に時間がすぎ、気がつけば食事が終わっていた。

「この後って…」

2軒目があるのかな、と思っていた。しかし啓太は会計を済ませた途端に、急によそよそしくなった。

「すみません。僕、明日の朝が早くて」

「そうですか…」

「また連絡しますね」

こうして、最後はあっさりと解散になった。

次の約束もしていないし、「また連絡しますね」という言葉もどこまで信じて良いのかわからない。

― またこの展開か…。

夜風に当たりたくて、ライトアップされた丸の内のビル群を見ながら東京駅界隈を歩いてみる。

本気で結婚したい。それなのに、私はどうして毎回三度目のデートがないのだろうか…。



▶前回:「どこがダメだった?」勝どきのタワマンで同棲する34歳女。結婚前提だったのに半年でフラレた理由

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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男が三度目はない、と思ったワケは?