「ガーデン・シティ」から「シティ・イン・ア・ガーデン」へと進化する街
シンガポール

15年ほど前、シンガポールに住んでいました。シンガポールはよく知られているように、街に緑が溢れる「ガーデン・シティ」。どこを歩いても、大きな樹々が立ち並び、とても美しい都市です。

そんなシンガポールは、2001年に、“ガーデン・シティ”の概念を一歩進めた“シティ・イン・ア・ガーデン”という新たな方針を発表しました。都市全体がまるで庭園の中にあるようなイメージなのだそうです。私が滞在していた頃は、まさに“シティ・イン・ア・ガーデン”作戦の真っ只中。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイやマリーナ・ベイ・サンズなどの建設が進められ、次々とオープンした時期でした。

“ガーデン・シティ”作戦は、熱帯の高温・多湿な気候を少しでもやわらげて暮らしやすくするため、そして同時に、外国人が安心して訪れ、投資してみたいと思わせるような都市緑化による対外的なイメージ戦略です。

そこから進んだ“シティ・イン・ア・ガーデン”作戦は、これまでの都市空間の緑化だけでなく、島全体で都市と自然との共生を図ろうとするもの。 どちらにしても、シンガポールに住む人にも、訪れる人にも、仕事をする人にも、さらに魅力的な都市に発展し続けています。この国に住むシンガポーリアンの友人がとても羨ましく思います。

Credit

写真&文 / 海野美規
– フラワー&フォトスタイリスト –


うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。