チェリーセージの育て方のポイント
用土
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【地植え】
丈夫な性質で土壌を選びませんが、酸性に傾いた土壌を嫌うので、植え付ける3〜4週間前に苦土石灰を散布して土に混ぜ込んでおきましょう。さらに1〜2週間前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておきます。土づくりは植え付け直前ではなく、数週間前に行っておくことで、分解が進んで土が熟成します。
【鉢植え】
草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。
水やり
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水やりの際は、株が蒸れるのを防ぐために株全体にかけるのではなく、株元の地面を狙って与えてください。真夏は気温の高い昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になり株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に与えることが大切です。
また、真冬に水やりする場合は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
しっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。根付いた後は、下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らない日が続くようなら、水やりをして補います。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。乾燥しすぎると株が弱るので、水切れには注意。土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。成長期を迎えてぐんぐん茎葉を広げるようになると、水を欲しがるようになります。気候や株の状態に適した水やりを心がけましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサイン。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイントです。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。
肥料
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【地植え】
元肥を施して植え付ければ、追肥はほとんど必要ありません。株に勢いがないようであれば、液肥を施して様子を見てください。
越年後は、新芽が旺盛に動き出す5月頃と、暑さがおさまる9月頃に緩効性化成肥料を施します。
【鉢植え】
開花期間が長いので、真夏を除いた5〜7月、9〜11月上旬に開花促進用の液肥を与えます。10日に1度ほどを目安にするとよいでしょう。
病害虫
チェリーセージの栽培では、ほとんど病害虫が発生することはありません。
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チェリーセージの詳しい育て方
苗の選び方
チェリーセージの苗を選ぶ際は、節間が短く茎ががっしりと締まって丈夫なものを選びましょう。
植え付け・植え替え
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チェリーセージの植え付け適期は5月頃か、9〜10月頃です。ただし、植え付け適期以外にも苗が出回っていることがあるので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に苗よりもひと回り大きな穴を掘り、やや根鉢をくずして植え付けます。複数の苗を植え付ける場合は、30〜40cmほどの間隔を取りましょう。最後に、たっぷりと水やりします。
地植えの場合は植えっぱなしにしてよく、根付いて順調に生育していれば植え替える必要はありません。
【鉢植え】
鉢の大きさは、6〜7号鉢を準備しましょう。
用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。チェリーセージの苗を鉢に仮置きし、高さを決めたら、やや根鉢をくずして植え付けましょう。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出して根を崩し、新しい培養土を使って植え直しましょう。
日常のお手入れ
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【摘心】
苗を植え付けるタイミングで、新葉を2枚ほどつけた茎の頂部を切り取る「摘心」を行うと、下から脇芽が出てきます。この脇芽が勢いよく伸びたら、同様に摘心し、この作業を繰り返すと、分枝が進んでこんもりと茂った株になります。枝の数が多くなる分、花数も多くなるのがメリットです。ただし、「寄せ植えの花材の一つとして加えたいので、スマートな姿を保ちたい」といった場合には、不要な作業です。
【花がら摘み】
チェリーセージは花穂を立ち上げて、下から順に咲き上がっていきます。花穂が咲き終わったら、一番下の分岐点で摘み取ります。チェリセージは次から次へと花が咲くので、早めに摘み取りましょう。まめに花穂を摘み、落ちている花弁なども掃除して株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながります。また、いつまでも終わった花穂を残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
剪定・切り戻し
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【剪定(切り戻し)】
チェリーセージは開花期間が長く、ある程度咲きそろった後は徐々に草姿が乱れてきます。夏前には草丈の半分くらいまで刈り取って、風通しよく管理しましょう。すると秋から再び勢いを取り戻して生育し始め、晩秋まで開花を楽しめます。
【冬越し前の刈り取り】
冬にチェリーセージの地上部が枯れたら、地際で刈り取っておきます。霜が降りる地域などでは、バークチップなどで厚めにマルチングをして、寒さ対策をしておくとよいでしょう。
増やし方
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チェリーセージは、挿し木、種まきで増やすことができます。
【挿し芽】
挿し木とは、枝葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し木で増やせるものとそうでないものもありますが、チェリーセージは容易に挿し木で増やせます。
チェリーセージの挿し木の適期は、6月頃です。新しく伸びた枝を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した枝(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚取ります。3号くらいの鉢を用意して新しい培養土を入れ、十分に湿らせておきます。培養土に3カ所の穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。十分に育ったら、植えたい場所へ定植しましょう。挿し木のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
【種まき】
チェリーセージは、ビギナーでも種まきから育てられます。種まきからスタートするメリットは、輸送などによる苗への負担がかからず、環境に馴染みやすいことです。敷地が広くてたくさんの苗が欲しい場合には、コストカットにもなりますね。
チェリーセージの発芽適温は20℃前後。種まきの適期は、春まきなら十分に気温が上がった5月頃、秋まきなら9月下旬〜10月頃です。
まず、セルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れます。中央に穴をあけて種を2〜3粒ずつ播き、ごく薄く土をかぶせましょう。最後に浅く水を張った容器に入れて、底から水を給水します。これはジョウロなどで上から水やりすると水流によって種が流れ出してしまうことがあるからです。発芽までは暖かく明るい半日陰で管理し、乾燥しないように適度に水やりをしましょう。
発芽後は日当たりのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚ほどついたら、勢いがあって元気のよい苗を1本のみ残し、ほかは間引きましょう。ヒョロヒョロと伸びて弱々しい苗や葉が虫に食われている苗、葉が黄色くなっている苗などを選んで間引きます。間引いた後は、黒ポットに培養土を入れて植え替えましょう。10日に1度ほど薄い液肥を与えて育苗し、十分に成長したら花壇や鉢などの植えたい場所に植え付けます。
チェリーセージを植えてはいけない︎ 間違った情報に注意
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「チェリーセージを庭に植えてはいけない」と、ネットの情報に書かれているのを目にしたことがあるかもしれませんが、他のガーデンプランツと比較して注意を払わなければいけないほど、危険な植物ではありません。ここでは、植えてはいけないと言われている項目について検証します。
大きくなりすぎることはない
“繫殖力が旺盛でどんどん広がるため、地植えでは特に注意が必要”という説明がされている記載を見かけますが、チェリーセージは茎が細く、温暖な地域でも冬に枯れ込む場合もあり、あまり大きくならない性質です。また、近年は草丈が40〜50cmほどの品種も多く、大型の宿根草に比べればコンパクトな種類です。こぼれ種や地下茎で広がって手に負えなくなるなどということもないので、隣家の土地まで侵食する恐れを感じる必要はありません。
もし、株が増えて大きさを抑えたいならば、他の宿根草の手入れと同様に、間引き剪定や株分け、花がら摘みを行って種子がつかないようにすれば、こぼれ種による増殖の心配もありません。
毒成分を含むとのうわさがある
シソ科アキギリ属のセージに分類されるチェリーセージは、他のセージ類と同じハーブの一種です。“身体に有害な成分が含まれている可能性がある”という記述が一部のネット記事に見られますが、他のハーブの利用と同様に、幼児や妊婦の利用にはやや注意が必要という範囲内です。チェリーセージが特筆して毒性があるといううわさに惑わされず、香りのよい丈夫なハーブとして、安心して家庭で栽培しましょう。
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チェリーセージのコンパニオンプランツ効果とは
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チェリーセージは甘い香りを持っていますが、この香りを嫌ってアブラムシなどが寄りつかないとされています。そのため、コンパニオンプランツとしてアブラムシなどがつきやすい植物と一緒に植えるとよく、キャベツやニンジン、ローズマリーなどと相性がよいようです。
チェリーセージの木質化を防ぐ方法
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チェリーセージは低木に分類されており、株が古くなると木質化してきます。すると緑の枝が茶色くなり、新しい枝が出にくくなってきます。そこで木質化した枝は切り戻し、株元から新しい枝が生えるようにするとよいでしょう。挿し木して新しい株をつくるのも一案です。
チェリーセージ夏から秋にかけての庭を華やかに
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甘い香りを漂わせるハーブの一種で、夏から秋にかけて長くガーデンを彩ってくれるチェリーセージ。株姿が乱れてきたら、切り戻しながら管理するのがポイントです。庭やベランダなどに取り入れて、楚々とした花姿を愛でてはいかがでしょうか。
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。