食料品の値上げなど、物価の上昇が連日ニュースになっています。家計への負担が懸念される中、働き盛りの30~40代の4世帯に1世帯が貯蓄ゼロという調査結果も報告されました*。お金を貯めたくてもできない・厳しい日本の実態。家計を苦しめる要因を明確にし、貯蓄するためのポイントをまとめました。
*金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より
物価高なのに賃金・収入が上がらない
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貯蓄ができない要因にはいくつかありますが、その一つは物価上昇に収入アップが追い付いていないことです。
2022年末以降、多くの企業では賃上げを発表しています。これは物価上昇への対応に加えて、少子高齢化の中、人材獲得を優位にするためでもあります。政府は賃上げ率によって法人税を控除する「賃上げ促進税制」も施行し、大手企業は3~10%の賃上げを実施しました。また、中小企業だけを見ても2~4%程度の賃上げをする企業が増えています。
しかし、2024年5月の消費者物価指数では、物価は前年同月比2.8%の上昇。2020年と比較すると8.1%上昇しています。多くの企業では、賃金アップが物価上昇に追いついていない状況になっているのです。
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社会保険料など税負担増も家計直撃
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さらに、毎年の社会保険料アップなど税負担も家計に重くのしかかっています。
財務省の統計資料によると、1975年度の国民負担率(1975年度の国民負担率(所得に占める税金と社会保険料の割合)は25.7%でした。2009年度以降負担率は年々増加し、2023年度の国民負担率は45.1%の見通しとなっています。
超高齢化社会が進む現在、国民負担率はさらに増加していくことが想定され、さらなる負担増は避けられません。