20代から漁師をしていた友人の夫は、漁が終わるとパチンコに行くのが日課。夫が40代後半になると徐々に耳の聞こえが悪くなり、友人が話しかけても聞こえておらず、50代に突入した現在は、大音量でテレビを見ることが増えました。家族の提案で付けた補聴器もしばらくすると外してしまい、理由を聞いても教えてくれません。しかし、夫が息子のお嫁さんにだけ話した補聴器を外した理由とは……?

夫の耳の聞こえが悪くなってきた

















54歳の友人夫婦は、結婚30年を超えるベテラン夫婦。同級生の友人の夫は、20代から漁師をしていました。漁に出ると荒波や大きいエンジン音で声が通りづらいからか、普段から声が大きかったそうです。そして、夫は漁が終わると大好きなパチンコに行くのが日課でした。

夫が40代後半になると、次第に耳の聞こえが悪くなってきたそうです。夫がテレビを見るときは周りが耳栓をしたくなるほど大音量で、友人が音を小さくしてもすぐ戻されたり、話しかけてもほぼ聞こえていなかったり……。そのため、夫に用があるときはいちいち肩をたたいてから話さなければならず、次第にコミュニケーションを取るのが苦痛になっていったのです。

耳が聞こえにくくなると声も大きくなるのか、昔から声が大きい夫の「え? なんて?」というひと言でさえ、友人は威圧的に感じるようになりました。

そして、夫が町内会などの会合に出れば、話がほとんど聞こえていないままなんでも安請け合いしてしまうので、ただでさえ忙しいのにさらに余計な役を引き受けてくることも。そのため、役が多い夫が忙しくて対応できないときは友人が代行するはめになり、生活に支障を来すことが増えたそうです。

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夫はしぶしぶ補聴器を付けることに

耳の悪い夫に話しかけることがストレスになっていた友人は「このまま夫の耳を放っておくのは誰も幸せにならない」と子どもと話し合い、夫に補聴器を付けることを提案したそうです。

夫に補聴器のことを話すと「年齢的にもまだ補聴器なんか必要ないだろう」と断られたそう。しかし、「夫に話しかけても気付かないし、何回も言い直すことは面倒。それに、テレビの音量もストレスなの」と正直に伝えると、「たしかに俺も耳が聞こえにくいのは不便だからなー」と、しぶしぶ了解し、補聴器を付けることを納得してくれました。

耳鼻科に行きたがらない夫は、テレビ通販で購入した補聴器を使うことに。実際に付けてみるとこれまでの生活は一変。耳の聞こえが良くなった夫は、友人たち家族が話しかけるとすぐ返事するようになり、会話がスムーズになりました。また、今までストレスだったテレビも適度な音量になり、みんなが快適に過ごせるようになったそう。

そして、会合に出ても話の内容がわかるので、余計な役を引き受けてくることもなくなり、夫も「こんなにスムーズに聞こえると便利だなー。もっと早く付けたらよかったかも」と言ったので、友人は補聴器を勧めてよかったと思ったそうです。