大回顧展「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が国立新美術館にて開催

「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が、国立新美術館にて2023年9月20日(水)〜2023年12月11日(月)に開催。イヴ・サンローランが独自のスタイルを確立するまでの40年にわたる歴史を、ルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む約300点によって余すところなく楽しめる大回顧展です。展覧会の紹介の最後に、抽選で3組6名様に当たる無料観覧券のお知らせがあります。ぜひご応募ください。※プレゼントは終了しました

「モードの帝王」没後、日本で初の大回顧展

ファースト・サファリ・ジャケット 1968年春夏オートクチュールコレクション 
© Yves Saint Laurent © Sophie Carre

イヴ・サンローランはクリスチャン・ディオールの急死をうけ、1958年にディオールのデザイナーとして鮮烈なデビューを飾りました。1962年からは自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表。それ以来、2002年の引退まで約半世紀にわたって世界のファッションシーンをリードし、サファリ・ルックやパンツスーツ、ピーコート、トレンチコートといったアイテムを定着させるなど、女性たちのワードローブに変革をもたらしました。

イヴ・サンローラン美術館パリ
© Sophie Carre

本展は、イヴ・サンローラン美術館パリ(Musée Yves Saint Laurent Paris)の全面協力を得て、没後日本で初めて開催される大回顧展です。
わずか21歳で衝撃的なデビューを果たしてから、自身のブランドとして初のコレクションを成功させ、美術作品や舞台芸術、そして日本にも影響を受けながら独自のスタイルを確立するまでの40年にわたる歴史を、ルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む約300点によって、12章構成で紹介されています。

オフィスでのイヴ・サンローラン、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1986年 
© Droits réservés

20世紀後半における偉大な才能であるイヴ・サンローランから生み出される、唯一無二でありながら、豪華絢爛な美の世界を間近で堪能いただける展覧会です。

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展覧会の見どころ

1. 日本初公開のドレスなど、約300点を一挙公開

イヴ・サンローラン、アンヌ=マリー・ムニョス、ピエール・ベルジェ、パリのマルソー大通り5番地のスタジオにて、1977年 
© Guy Marineau

1958年のディオールでの衝撃的なデビューから、引退する2002年まで40数年余りの間に発表された作品の変遷を網羅したオートクチュールのルック110体のほか、ドローイング、写真、映像など貴重な資料を一堂に集めて紹介することで、イヴ・サンローランのデザイナーとしての人生とその創造の全貌に迫っています。

*オートクチュール…パリ・クチュール組合に加盟する高級衣装店や、そこで作られるオーダーメイドの一点物のこと。

2. 現代にまで続く女性の普遍的なスタイル

イヴニング・アンサンブル 1984年秋冬オートクチュールコレクション 
© Yves Saint Laurent © Nicolas Mathéus

イヴ・サンローランは1960年代において男性のものという認識がまだ根強かったパンツスタイルを積極的に取り入れるなど、衣服が持つジェンダーのイメージを超越してデザインすることで、時代が求める新たな女性らしさ、エレガンスを生み出しました。

ジャンプスーツ 1968年秋冬オートクチュールコレクション 
© Yves Saint Laurent © Sophie Carre

1966年にはプレタポルテ(既製服)へ参入したこともあり、サンローランが提案したスタイルは急速に広まりました。サンローランはピーコート、パンツスーツ、トレンチコート、タキシードなど、先駆的に紳士服を女性向けに改良したことで注目されるようになります。現代では女性のワードローブとしてすでに定着しているサンローランの普遍的なスタイルが紹介されています。

3. 芸術作品から着想を得たスタイルの確立

セヴリーヌ・セリジーのドレス 1967年に公開されたルイス・ブニュエル監督の映画『昼顔』のカトリーヌ・ドヌーヴのためのデザイン 
© Yves Saint Laurent © Sophie Carre

イヴ・サンローランはモンドリアン・ルックに代表されるような美術作品とファッションの融合を提案することで、伝統的なオートクチュールモードの世界に新風を吹き込んだほか、演劇、バレエといった舞台芸術や映画の衣装制作など様々な芸術分野との協働に積極的に取り組みました。

女王のドレス(第1幕) 1978年に行われた演劇『双頭の鷲』のジュヌヴィエーヴ・パージュのためのデザイン 
© Yves Saint Laurent © Sophie Carre

芸術作品とオートクチュールにつながりを作ることによって、ファッションは絵画や彫刻、建築といった芸術分野と同様に価値あるものだとし、作品から受けたインスピレーションを身体が土台となる生き生きとしたファッションへと結実させていきました。

4. イヴ・サンローランと日本

初来日時のイヴ・サンローラン、1963年4月 
© Droits réservés

1963年の来日をきっかけに、イヴ・サンローランは日本の文化や伝統工芸品に魅せられ、その後の創造にも多くの示唆を与えました。一方、彼が発信するスタイルは、日本のファッションやデザインの世界にも様々な影響を及ぼすものでもありました。
本展では、イヴ・サンローランと日本の関係を、資料を通して紐解く展示も楽しめます。