希少な宝石の数々、クリエイティビティー、そして緻密(ちみつ)な職人技――。ハイジュエリーの世界には各メゾンのあらゆる要素が凝縮している。パリで6月にハイジュエラーが発表した、豪華な新作コレクションの数々を現地からお届けする。
グラフの新作ハイジュエリーコレクションには、貴石本来の美しさが際立つ大胆なデザインが見られた。大粒かつ極上、そして希少な原石を探し出し、ジュエリーピースとして世に送り出してきたグラフ。貴石そのものの美しさを引き出す丁寧なクリエイションは、グラフのアプローチの特徴の一つだ。今回の新作コレクションにおいては、ジェムストーンの輝きを引き立てる、モダンなアート建築のようなデザイン美が光った。
壮麗な美しさを持つエメラルドはグラフィカルなバングルの中に落とし込まれた。バゲットカットのエメラルドをライン状にあしらい、中央には凧(カイト)のような形にカットされたカイトカットエメラルドを据えた。まるで浮かんでいるかのような立体感があり、宝石の美しさが強調されている。片側の側面にはダイヤモンドがスノーセッティングされ、まばゆい光を放つ。
バングル(ホワイトゴールド、エメラルド、ダイヤモンド)
サークル状のアウトラインが独創的なイヤリングのたたずまいもモダンだ。多彩なカットが施された合計16.29カラットのダイヤモンドが精巧に配置され、彫刻芸術のように構築された。エッジにセットされたエメラルドがさりげない。身につける人の動きに合わせてわずかにエメラルドのグリーンが見えるようにデザインされている。
イヤリング(ホワイトゴールド、エメラルド、ダイヤモンド)
合計39.30カラットのファンシーイエローダイヤモンドとホワイトダイヤモンドを用いたネックレスは、「21世紀のキング オブ ダイヤモンド」の異名を持つグラフのダイヤモンドに対する情熱と誇りが込められた作品だ。先端にあしらわれたファンシーイエローダイヤモンドの強い輝きを、流れるような柔らかいシルエットが引き立たせる。セットになるイヤリングもラインナップ。ネックレス同様、躍動的なデザインが採用された穏やかな揺れが華やかだ。
ネックレス(ホワイトゴールド、イエローゴールド、ファンシーイエローダイヤモンド、ダイヤモンド)
パリで行われた発表会にて。主張しすぎないデザインの中でファンシーイエローダイヤモンドがまばゆい輝きを放っていた
text: Shunya Namba @Paris Office
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