ウクライナ戦争で、花火の原料の火薬の価格高騰
――花火の製作費も上がっているのですよね。
飯島大介さん 原料となる火薬は輸入品ですが、ロシアのウクライナ侵攻の影響を受け、銃火器類や爆弾類の消費が激しく、世界的に大幅に値上がりしています。そこに円安の加速が加わり、コロナ前の2019年に比べて1.8倍に高止まりしたままです。
全体的に運営費が増えているので、有料席の値段を上げたり、有料座席数を拡充したりして、工面するところが増えているのです。
――日本で「HANABI」(花火)を楽しみたいという外国人観光客の増加の影響はありませんか。観光業者のウェブサイトを見ると、全国の花火大会のチケット情報を載せたうえ、地元のホテル宿泊費と周辺の有名飲食店代をセットにして数万円で売り出しているところがいくつかあります。
飯島大介さん そうした花火観光サイトは、基本的に花火会場に面したホテルのいい部屋から花火を見る仕組みになっているので、有料席の値段のアップにはつながらないと思います。しかし、外国人観光客の呼び水にはなるでしょうね。
――私は、地元の花火大会ではタダでよく見られる、穴場的な場所を利用していたのですが、近年はSNSでその場所の情報が拡散して、逆に大混雑するようになってしまいました。なかなかタダで楽しむことが難しくなってきましたね(笑)。
飯島大介さん そういう穴場は、どこに不審者がいるかわからないので、安全のためにも警備員の配置がさらに必要になってきます。
これからは、お金を出してでも、いい場所で、ゆっくり花火を楽しみたい人が増えるのではないでしょうか。
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高額席の「売れる」「売れない」の二極化が進む
――花火大会の有料化は、今後も加速するのでしょうか。
飯島大介さん 有料化が加速したのは、アフターコロナが始まった2023年ですが、「花火の打ち上げ規模の割には、有料席が高すぎる」とか「アクセスが悪く、内容が交通費に見合っていない」といった批判が出て、赤字になったところも少なくありません。
高額席の「売れる」「売れない」の二極化がはっきり進みました。これからはしっかりしたマーケティングを行ない、価格にふさわしい魅力や価値があるのか、お客にはどういうニーズがあるのか、主催する自治体や団体のしっかりした検討が必要だと思います。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)