マンション管理組合の運営でよくあるトラブル

マンション管理組合の役員になると、様々な問題に巻き込まれる可能性があります。
トラブルに遭った際でも瞬時に対応できるよう、マンション管理組合の運営でよくあるトラブルについて、事前に把握しておきましょう。

役割を果たさない役員がいる

役員になった際には、役割を全うしなければいけません。

・理事会に1度も参加をしない
・決められた業務を行わない

といった役員がいれば、理事を解任することが可能です。
区分所有法では、「マンションの区分所有者は、規約に定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる」と規定されているので、総会で決議を行い、賛同が得られれば解任が可能です。

役員同士での揉め事

役員になれば理事会で様々な議論を行っていきます。
その際、話しがまとまらない場合は役員同士での口論や雰囲気が悪くなるケースもあります。
理事長や副理事長が間に入り、仲裁をして良好な関係性に戻れば問題ありませんが、関係の修復が難しいケースもあります。
その場合、運営に支障が出る可能性があるので、状況を悪化させないためにも当事者となる役員の解任を考える必要があります。
両方もしくは一方の解任となりますが、一方のみの退任であるとトラブルが大きくなる可能性もあり注意が必要です。
現実的な方法としては両方を解任させ、欠員の補充をした方がリスクを抑えられます。

管理組合が居住者のトラブルを解決しない

居住者同士のトラブルの解決は管理組合の役割の1つです。

・騒音問題
・ペット問題
・駐車場問題
・ゴミ問題

など、マンションによって様々なトラブルがあります。
相談を受けても何も対処せずにいれば居住者の不満が溜まるばかりです。
日ごろからコミュニケーションを取り、住民同士でも交流を図れる場が作れると、トラブルが起こりにくくなる可能性があります。
トラブルを防止するためのルールをあらかじめ作成しておくことも肝心です。
また、トラブルを組合だけで対処できない場合は、管理会社に相談して仲裁に入ってもらうのも得策です。

修繕費が足りなくなる

マンションに入居すると、大規模修繕工事や突発的な修繕工事の際に使用するための修繕積立金を毎月支払うことになります。
その金額は、長期修繕計画にもとづいて決定されています。
しかし、長期修繕計画が長い間見直されてない場合や販売価格が安く見えるように積立金が低めに設定されている場合もあり、見直しを行った際に足りなくなる可能性が出てくるケースもあります。
その場合は、計画の見直しが必要となり、修繕積立金に関しても適切な金額を徴収しなければいけません。
組合員として、毎月支払う額が上がってしまうので反対意見が出る可能性も高いです。
しかし、積立金増加を先延ばしにすれば後々支払う額も増えてしまうので、負担が一層重くなってしまいます。
なぜ金額の見直しが必要になったのか、具体的な理由や数字を示しながら説明を重ねると、組合員の理解も得やすいです。
組会員だけでの議論で平行線が続くようであればマンション管理士といった専門家にも相談し、合意を得られるよう対策を施してみてください。

マンションの所有者は組合員になる必要があると法律で定められています。
管理組合があれば住環境を整え、資産価値を守ることにもつながるので大切な存在です。
しかし、役員に選出される可能性もあり、「自分でもできるのか」と不安になる方もいます。
輪番制であれば必ず役員の順番が巡ってくるので、役員同士協力し合いながら住みやすい環境を整えていかなければいけません。
時にはトラブルに見舞われる可能性もありますが、適切な対処をして他の住民に不安や不満を与えないよう注意しながら役割を全うしていきましょう。