河村真木子のリアル人生相談 第10回:夫の隠し事を見つけたら指摘する? しない?

元外資系バリキャリ金融女子で、会員数1万人を超える業界トップ規模のオンラインサロンを運営する河村真木子さんが、マリ・クレール読者からのリアルなお悩みに本音で答えていく「河村真木子のリアル人生相談」。第10回は、夫婦の円満なリレーションシップについて答えていく。

お悩み相談:夫が車を買っていた

――私に内緒で夫が車を買っていました。判明したのは自動車税納付書が届いたからです。気付いていないフリをするべきか、本人に問いただすべきか、迷っています。開き直られたり、今後気まずくなったりする可能性を考えると、知らなかったことにした方がいいのではないかと思っています。その選択で良いと思いますか? 教えてください。(年代不明/女性)

私だったら放っておきますね。おそらく男性って車などの欲しいものがあったときには、手に入れないと気が済まないと思うんです。指摘したときに2人の関係がよくなるならいいのですが、購入したあとに指摘しても、自分たちの関係にひびが入るだけのような気がするので、建設的ではないと思います。

――車のような大きな買い物でも、お金の使い方について話し合わなくてもいいものでしょうか?

そもそも、「2人のお金」という概念が好きではないんです。まずそこに問題があって、「2人のお金」だと考えるから、車を“勝手に”買ったとなってしまうわけじゃないですか。逆にこちらがエステへ行ったり高価な化粧品などを買っていたりしたら夫側もイラッとするでしょうし、この問題はエンドレス。それならいっそのこと、夫婦のお財布は分けたほうがいいと思います。

今は多くの女性が働いていますし、若い世代の女性も活躍しています。共働きなのに、夫婦のお財布を一緒にしていることの意義がわかりません。それに夫婦やパートナーは、一生一緒にいることを前提にディスカッションしていると思いますので、どのみちコミットメントしていけます。

「子どもの学費は出すから車はあなたが買ってね」「家賃を出してもらう代わりに食費や生活費はこちらが出す」のように、ある程度大きな出費であっても、ざっくりでいいのでは? わざわざ家族用の銀行口座を作ったり、家族のお財布のようなものを作るほうが、もめ事が増える気がします。

――車を黙って買ったことを悪く捉えると、浮気ややましいことを疑うことにも発展しそうですが、むやみに心配する必要はないでしょうか?

私はそういうことは考えてきませんでしたね。もし浮気相手がいたとして、それが誰なのか見つけたときには対処しますが、わざわざ自分から探しに行くことは“全くしない派”です。普段から疑いの目を向けるようなエネルギーの使い方は嫌ですね。

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男性の隠し事は「ある」

――河村さんの考える男女間での良好な関係を築くコツを教えてください。

そうは言っても、男性の隠し事は「絶対ある」と思っています。女性はハッピーで明るいファミリー像を求めていますよね。でも、私は男性社会で働いてきたのでわかるのですが、彼らは隠し事がすごく多いんですよ。死ぬ前に身の回りの片付けをしたがるのは、圧倒的に男性。これを女性からはあまり聞いたことがありません。

でもその隠し事は、浮気というより、案外小さなことだったりするんです。実際は、妻のことがすごく好きで、家に対しての帰属意識も高く、巣や基地に帰りたいという本能があるのがよくあるパターン。その一方で、「少し威張りたい」「少し遊びたい」という子どもっぽい部分を持っている人が多いと思うんです。

だから私は、隠し事にフォーカスしすぎるのは本質的ではないと思っています。何でも許すわけではありませんが、わざわざ自分から突き詰めるのは、本質的ではない時間の使い方だと感じますね。

――隠されると余計気になってしまいそうです。

女性はずる賢く、もっと良い条件の男性がいれば乗り換えたいと考える人もいます。年を重ねてこの人(夫)はもういらないと思ったら、自分の人生から切り捨ててしまえるわけです。別の男性に行かないにしても、一人で過ごしたくなることもあります。

つまり女性は、「自分が相手を捨てるかもしれない」と思っているからこそ、「捨てられたくない」という思いに駆られて、相手を探ることがあるんです。でも、男性でそう思っている人は少ないと感じています。

――男性の特性を理解していても、隠し事や裏切りがあればショックを受けそうです。河村さんのように堂々と構えられるようになるには、どうしたらいいでしょうか?

相手の立場になって、想像力を発揮することが大切だと思いますよ。今回のご相談なら、勝手に車を買っていたけど、妻に責め立てられたときに夫がどう思うかですね。車を捨てるわけにはいきませんし、もう戻せないようなことを言うのは、状況を悪化させるだけでなく、解決にはならないこともあります。

妻が夫の行動について指摘するときは、ただ感情をぶつけるだけでなく、事態を改善できる可能性があるかどうかを考えて、生産的な対話を目指すことが大切です。

――夫婦の円満なリレーションシップを築くために女性に必要なものは何だと思いますか?

経済的な自立は絶対ですね。どんなリレーションシップでもそれがなく相手に依存していくと、対等でいられなくなってしまいますね。あと、女性が自立していると、幸福度が上がると思います。幸い今は、男性も女性に働いてほしいと思っているようなので、すごくいい流れになってきていると感じます。

――夫婦やカップル、家族など距離感の近い間柄だとつい言い過ぎてしまうこともあります。河村さんが心がけていることがあれば教えてください。

相手の良いところを見つけて褒めたりすることは大切ですね。特に男性は人の役に立ちたいという気持ちが強く、女性以上に大切なアイデンティティの真ん中にあるそうです。女性は「やってほしい」が多いんですけどね。自分が得意で楽しんでできることが家庭やリレーションシップの中にあると、関係もうまくいくのではないでしょうか。

前回話したように、人によってモチベーションは違いますし、男女間での違いもあります。夫婦間でも「私はこうだから、あなたもこうでしょう」と考えるのではなく、「私はこうだけど、もしかしたら相手は違うことを求めているかもしれない」という想像力を働かせることですね。常に相手のことを理解しようとする姿勢が大切だと思います。

※お悩みの募集はマリ・クレールのインスタグラムのストーリーで定期的に募集するので、フォローの上、ぜひお気軽にご応募を!

text: Tomoko Komiyama hair & make-up: Erika Nakamura photo: Tomoko Hagimoto

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