「読書」「動画視聴」がレジャーのトップとは、悲し過ぎる

――その後、2021年以降に青色グラフの人がまた増えていますが、こちらはコロナ禍を経験したことが大きいですか。

広報担当者 そう思います。【図表2】を見てください。コロナ禍の期間中、「余暇時間のゆとり指数」(青色の折れ線グラフ)が大きくプラスになる一方、「余暇支出のゆとり指数」(オレンジ色の折れ線グラフ)が、その3倍もマイナスに下がっています。

自粛の巣籠もり生活を強いられて、余暇の時間はあまるほどあるのに、逆にお金を使う機会がほとんどなくなったということです。2021年に開かれた東京五輪だった無観客試合で行なわれたほどで、人々は、旅行や観劇に出ることもできませんでした。

コロナ禍の2020年と2021年に、余暇活動に参加した項目の上位を聞くと、1~2位が「読書」と「動画鑑賞」(レンタル、配信含む)です。それ以外の年は「国内観光旅行」や「外食」「ドライブ」が上位の常連だから、いかに余暇を楽しめなかったかわかります。

――「読書」や「動画視聴」がレジャーのトップなんて、悲し過ぎますね。

広報担当者 コロナ禍では仕事もオンライン中心で、あまりできませんでした。そうした生活の中で、改めて仕事のあり方を考え直し、余暇の大切さに気付いたとも考えられます。

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いつも一定数いる「要領のいい人」と「猛烈仕事人間」

――なるほど。ところで、【図表1】のオレンジ色グラフの「仕事は要領よく片付けて、できるだけ余暇を楽しむ」という要領のいいタイプはコンスタントに3割をキープしています。

また、青色グラフの「仕事に生きがいを求めて全力を傾ける」という猛烈仕事人間タイプもコンスタントに1~2%います。これはどういうことでしょうか。

広報担当者 それぞれのタイプが、どの時代にも一定数いるということだと思います。

灰色グラフの「仕事にも余暇にも同じくらい力を入れる」という人と、黄色グラフの「余暇も時に楽しむが、仕事のほうに力を注ぐ」という人が、それぞれ14年間で7ポイント以上減っています。

一貫してこうした傾向があり、全体的に「仕事派」より「余暇派」を増やしていったと考えられます。

――今後も余暇を重視する傾向が増えて、日本人の働き方に対する考え方が変わっていくと思いますか。

広報担当者 現在、アフターコロナによって揺り戻しが起こるかどうか注視しているところです。しかし、個人的には余暇を大切に考える傾向が進んでいくと考えています。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)