甘味巡りと合わせてレトロな街歩き。三国湊きたまえ通り
三国湊きたまえ通り
情緒あふれるレトロな街並みを歩くだけで、旅が楽しいものになるのはなぜでしょう。普段の街歩きとは違う、時空を超えた空気が流れているようで、心がすっと和んでいきます。
腹ごなしに和菓子屋さんからも近い、三国湊きたまえ通りを散策に。三国湊は江戸からから明治にかけて、北前船交易で隆盛を極めていたため、格子戸が連なる町家や豪商の面影などが残っているのです。
「旧岸名家」の外観
例えば、こちらの「旧岸名家」。材木商で富を成した商家で、通りに面した土間では商談が行われた様子が伺え、奥に住居、蔵などが連なっています。
文人サロンを再現した2階部分
急な階段を登って2階にいくと、地元ゆかりの文人サロンの面影が。こちらの主人が俳句などを趣味にしていたため、サロンが開かれていたそうなんですね。ちなみに福井生まれの文人には作家の高見順や水上勉、中野重治などがいて、文学が育まれた土地でもあったことが伺えます。
県内最古のコンクリート建物「旧森田銀行本店」
さらに、こちらの森田銀行本店。100年前に建てた鉄筋コンクリート造の建物で、国の登録有形文化財にも指定されています。現在はギャラリーやコンサートに使用されているので、洋風の味わい深い建物の風情を堪能できます。
ハンバーガーやオーベルジュ。食べ歩きも楽しいレトロな町
通りを歩いていると、街の景観をそのままに、新しいグルメも楽しめる店がちらほらと現れます。骨董店だった大正時代の建物を活用したフレンチ『S’Amuser サミュゼ』や、三国バーガーで有名な『三国湊座』、心地よい空間でスペシャルティコーヒーが楽しめる『ポルタの喫茶室』など、魅力的なお店がたくさん。
『詰所三國』の室内と離れへの動線。暮らすように町家に泊まる体験ができる
オーベルジュや、今回宿泊した町家ステイ『詰所三國』(広々としていて風情があって、まるで自分の住まいのように居心地が良かった!)など、暮らすように泊まりならゆったりと三国湊を満喫すると、普段とは違う旅をもっと色濃くしてくれます。
(撮影・文◎草地麻巳)