SNSにあふれる“危険なダイエット法”の見抜き方

オーストラリアのフィットネス界のスター、ステフ・クレア・スミスによれば、SNSは、健康を害する危険なダイエット法の宣伝であふれているという。その減量プランは自分に合うのか、本当に安全なのか、危険信号の見抜き方をマリ・クレール インターナショナルのオーストラリア版デジタル記事よりお届け(一部省略)。

フィットネスアプリ「Kic」の共同創始者ステフ・クレア・スミスに、ダイエットカルチャーにおける危険信号の見抜き方について語ってもらった。

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「持続可能でないなら、自分には向いていない」

「維持するのが悪夢なら、それは夢のボディではない」。この言葉を初めて聞いたとき、魂に響いた。これほど心に響いた言葉はこれまでになかった。

20代前半の私は食事制限をしていたため、有害なダイエットカルチャーのメッセージに引っかかってしまうような状態だった。私は国際的なモデルになるという夢を実現するためにニューヨークに移住した。ニューヨークに着いたとき、私は自分自身と自分の体にとても自信を持っていた。

しかし、その自信は、モデル業界やSNSの非現実的なボディスタンダードによってすぐに打ちのめされた。仕事を得るためには、もっと小さくなる必要があると言われた。私のSNSのフィードは、流行のダイエット、ビフォー・アフター画像、セレブのボディシェイミング(外見批判)であふれかえっていた。それはとても有害な空間だった。私は数え切れないほど流行のダイエットを試し、食事制限、暴飲暴食、嘔吐(おうと)の悪循環に陥った。それは文字通りの悪夢だった。ありがたいことに、その私はもういない。

乱れた食生活がいかに消耗的で拷問(ごうもん)のようなものか、私は知っている。私はダイエットカルチャーの犠牲者だったが、「Kic」を通じて、他の人々がこの有害な罠(わな)にかからないように助けることを使命としてきた。健康であることと食事を楽しむことは共存できるのだ。

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私が今、食とフィットネスに関して守っているルールはただひとつ。持続可能でないものは、私には向いていない。

それから10年近くがたち、私たちの社会は大きな進歩を遂げているが、ダイエットカルチャーは信じられないほど賢く、常に一歩先を行く。

流行りのダイエットは今や「ウェルネス」を装っており、2018年に廃れたと思っていた「what I eat in a day (1日の食事)」のようなトレンドが復活しているのを目にする。

手っ取り早い流行のダイエット法が私のフィードにあふれ出すのを見るたびに、怒りがこみ上げてくる。

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「流行のダイエット」とは何か?

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「Kic」の管理栄養士Liv Morrison(リブ・モリソン)氏は、流行のダイエットとは「主張を裏付ける科学的な根拠もなく、結果や短期間での減量を宣伝する食事計画のこと」だと説明する。

研究によると、こうしたダイエットは長期的には効果がなく、体重を減らした人の大半は1年以内にリバウンドしてしまう。

流行のダイエットをコンプリートした後は、体重が減っても元に戻ってしまうのが普通で、場合によっては以前より増えてしまうこともある。ダイエット→体重減少→体重増加という負のサイクルに陥ってしまうのだ。だからヨーヨーダイエットという言葉がある。

これは専門用語では「代謝適応」というが、つまり、減量とリバウンドを繰り返せば繰り返すほど、身体組成は悪くなる(脂肪量に対する筋肉量が低下する)。

この身体組成の変化は、安静時のエネルギー消費量に影響する。

そのため、次に減量を試みるとき、同じ体重を減らすために、摂取カロリーをさらに減らすか、運動量を増やすかして、より大幅なエネルギー不足の状態を作り出さなければならない。そんな悪循環に陥ってしまうのだ。