創業150周年の「ピアジェ」が見せる渾身の新作ハイジュエリーウォッチ「ESSENCE OF EXTRALEGANZA」

希少な宝石の数々、クリエイティビティー、そして緻密(ちみつ)な職人技――。ハイジュエリーの世界には各メゾンのあらゆる要素が凝縮している。パリで6月にハイジュエラーが発表した、豪華な新作コレクションの数々を現地からお届けする。

今年創業150周年を迎えたピアジェの新作ハイジュエリーウォッチコレクション「ESSENCE OF EXTRALEGANZA」は、大胆なスタイルが際立った。

新作の発表は、かつてパリ証券取引所が入っていた歴史的な建物「パレ・ブロンニャール」で、エキシビション形式で行われた。アーカイブ作品や過去の広告の展示から見えるのは、150年前にスイスのジュラ山脈で時計ムーブメントの製作を始めたピアジェが、革新的なクリエイションを通して、ウォッチメーカー、そしてジュエラーとしての芸術性を極めてきた歴史にほかならない。特に「今後貴金属のウォッチしか作らない」と発表した1957年以降は、高度な金細工技術を駆使した作品が目立つ。100点あまりにもおよぶ作品で構成される「EXTRALEGANZA」は「extravagance(華やかさ)」「elegance(優雅さ)」を組み合わせたもの。金細工と大胆な色使いこそ、華やかさや優雅さを生み出すエッセンスだ。今回登場した代表的な作品を紹介する。


エキシビションにおける空間展示。両端に並ぶ過去の広告は1970年代に展開されたもので、シュールレアリスティックな構図、色彩で当時話題を呼んだ

21.23カラットのクッションカットのスペサタイトガーネットを中央に配したネックレスは、台形にカットされたカーネリアンのグラデーションが華やかだ。オレンジの色合いのみならず、形、重なり合いなど、複数の要素が絶妙なグラデーションを構成している。ピンクゴールドのツイストチェーンは、すべて手作業で縒(よ)りながら作られる。チェーンのところどころにブリリアントカットダイヤモンドとイエローサファイアが輝き、きらびやかだ。


ネックレス(ピンクゴールド、カーネリアン、スペサタイトガーネット、イエローサファイア、ダイヤモンド)¥121,440,000[予価]

格子編みされた構造とミラネーゼと呼ばれるメッシュの組み合わせで作られたゴールド性カフブレスレットは独特の存在感を持つ。幅や深さの異なる線状のテクスチャー加工はパレス装飾と呼ばれ、高度な彫金技術が要求される。ピアジェが得意とする金細工の一つだ。メインストーンには4.42カラットのピンクサファイアと6.40カラットのスペサタイトガーネットがあしらわれた。


カフブレスレット(ピンクゴールド、ピンクサファイア、スペサタイトガーネット、ダイヤモンド)¥61,600,000[予価]


エキシビションでは彫金職人によるパレス装飾の実演が行われた

グリーンのエナメル文字盤を備えたハイジュエリーウォッチは、バゲットカットのエメラルドとダイヤモンドをモザイク状に散りばめた独創的なデザイン。イエローゴールドのツイストチェーンがそれぞれのエレメントを立体的に強調している。一部の貴石が側面からあふれ出しそうだ。


カフウォッチ(イエローゴールド、エナメル、エメラルド、ダイヤモンド)¥407,000,000[予価]

円形と楕円形のツイストチェーンを組み合わせたピンクゴールド製ネックレスもエレガントだ。オパールのプレートやスノーセッティングしたダイヤモンドの風合いが特徴的。ピアジェの大胆さやジュエリーに対する独自のアプローチを讃えた作品だ。


ネックレス(ピンクゴールド、オパール、ダイヤモンド)¥44,000,000[予価]

text: Shunya Namba @Paris Office
photos: ©Piaget

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