3. 失業保険の受給までの流れ、手続き方法

失業保険を受給するためには、離職後速やかに手続きを行ってください。以下のような流れで手続きを行います。

(1)離職後、公共職業安定所(ハローワーク)で求職の申し込み&離職票を提出する。
(2)「失業認定日」が指定され、受給資格者証が交付される。
(3)失業認定日に公共職業安定所に出向き、失業認定申告書に受給資格証を添えて提出し、仕事を紹介してもらう。
(4)4週間に1回ずつ失業の認定が行われ、その期間分、失業保険(基本手当)が支給される。

上記のように、仕事を紹介してもらいながら失業保険を受け取ることになります。「しばらく失業保険をもらえるから、今回紹介してもらった仕事は見送って、もう少しゆっくり探してみよう」という人も少なくありませんが、そうしているうちに機会を逃し、失業保険の給付期間が終わってしまうということもありますので注意してください。

なお、失業手当の受給期間を3分の1以上残して安定した職業に就いた場合は「再就職手当」がもらえます。「あと〇日受給できる」という考えではなく、「あと〇日しか受給できない」という意識を持ちたいものです。

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4. 失業保険の金額と計算の仕方、給付期間

失業した際の基本手当(失業保険)の日額は、賃金日額に一定の割合(60歳未満は50%~80%、60歳~64歳は45%~80%)を掛けた額となります。通常、賃金日額が多いほど割合は小さくなり、賃金日額が低いほど割合は高くなります。以下の表は離職時の年齢が30歳から44歳までの場合ですが、賃金日額は原則として過去6カ月間に支払われた賃金の総額を180で割って計算します。つまり、おおよそ過去半年間の給与1日あたりの平均支給額ということになります。

また、賃金日額には上限があります。賃金がいくら高くても1日1万円を超えるような失業手当は給付することができません。「会社が倒産しそう」「そろそろ転職したい」など、会社を辞めることを意識した際は、事前に計算して1日あたりいくらぐらい失業保険を受け取ることが可能なのか、把握しておくとよいでしょう。

<基本手当日額の計算方法(離職時の年齢が30歳~44歳の場合)> ※厚労省職業安定局HP

賃金日額

給付率

基本手当日額

2480 円以上 4970 円未満

80%

1984 円~3975 円

4970 円以上 1万2210 円以下

80%~50%

3976 円~6105 円

1万2210 円超 1万4990 円以下

50%

6105 円~7495 円

1万4990 円(上限額)超

7495 円(上限額)

<基本手当日額の上限>                    

30歳未満

6750円

30歳以上45歳未満

7495円

45歳以上60歳未満

8250円

60歳以上65歳未満

7083円

失業保険の給付期間は、失業した時点での「算定基礎期間」つまり、雇用保険の加入期間と年齢によって異なります。また「自己都合」なのか「会社都合」なのかによっても異なります。自己都合とは自ら辞表を書き退職する場合です。一方、会社都合とは会社側の倒産や解雇が原因で離職した場合で、特定受給資格者ともいわれます。以下の表が最大受給期間をまとめたものです。

<自己都合・定年退職の場合の受給期間>

算定基礎期間

10年未満

10年以上20年未満

20年以上

全年齢

90日

120日

150日

<会社都合の場合の受給期間>

算定基礎

期間

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳以上

35歳未満

120日

180日

210日

240日

35歳以上

45歳未満

150日

240日

270日

45歳以上

60歳未満

180日

240日

270日

330日

60歳以上

65歳未満

150日

180日

210日

240日

自己都合および定年退職の場合は、年齢問わず90日~150日となります。一方、会社都合の場合は最長期間は330日となり、おおよそ1年受給することが可能です。該当するのは45歳以上60歳未満で20年以上算定基礎期間がある人です。

「ちょうど働き盛りで子供の教育費もかかり、住宅ローンも抱えている。そんな中、長年勤務していた会社から急に解雇通告を受けた」。こういった人には最大限配慮したいということから、最長の受給期間となっています。

なお、自己都合(定年退職)や会社都合のいずれも、最初の受給資格決定日から7日間は待期期間となり、支給されません。また自己都合の場合(定年退職は除く)は、さらに最大3カ月間の給付制限期間があります。

ですから「辞めたらすぐに失業保険がもらえる」と安易に退職という選択肢を選ばないようにしてください。1日あたりいくらぐらいもらえるのか事前に計算しておくことも大切ですが、いつからどれくらい給付できるのかという期間もしっかりと把握しておいてください。