「この漢字、読めます?」そう言って職場の後輩が、私に書類をグイと差し出しました。目の前の書類と私の間には約20cmの距離。私が書類を見つめたまま黙っていると「難しいですよねー。この漢字の読み方!」と言われて、「読み方がわからないんじゃなくて実は漢字にピントが合わず見えなかった」とは言えませんでした。このとき、もしかして老眼!?と思ったことをきっかけに変化した私の気持ちについてお話しします。
老眼だと薄々感じていたけど…
老眼は40代ごろから始まるといわれているようです。40代半ばの私は老眼になってもおかしくない年代なのだと思います。しかし「老い」という言葉に抵抗があり、認めたくない自分がいたのです。
私は眼鏡店に勤めています。同世代くらいのお客様がいらっしゃることもあって「最近、スマホの字が読みづらくて困ってるの」と話してくれます。そして、「もうそんな年なのかな~」と苦笑いするお客様の気持ちが痛いほどわかります。
私も、老眼鏡とかシニアグラスというストレートな言葉は使いたくないので「リーディンググラスをお試しになりますか?」など、自分もグサッとこない表現で案内していました。
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推しが老眼で見えない!?
私の楽しみは推しの出ている舞台を見に行くことです。最近はチケットもなかなか当たらないので舞台に行けると決まったら、おしゃれして出かけたいと思うくらい特別なイベントでした。
普段はBBクリームを塗って眉毛を描き眼鏡をかけているだけですが、観劇の日はアイメイクして気合いを入れ、推しの顔もはっきり見たいので度数の強いコンタクトレンズを使います。
その日も久々に推しの舞台へ。ワクワクしながら着席して、公演が始まるまでパンフレットを読もうとページを開きました。
しかし文字がにじんで読めない……。小さな写真の中にいる推しの表情もわからない! コンタクトレンズの度が強いからか、手元のピントがますます合わないのです。パンフレットを少し離して眺めると、今度は文字が小さくて読めない状況でした。