「働く」とはどういうことか、興味をもつ学生が増加中

岡本信也さん 大学1、2年生の時から就活に本腰を入れるということではなく、「社会に出ること」「はたらくこと」ということはどういうことなのか、興味をもつ学生が増加しています。

低学年の頃は、学業と就活、どちらかの選択ではなく、就活について緩やかに考え始め、少しずつ視野を広げている過程であり、よりよい状態で就活本番期を迎えることができると考えます。

―― 一方で、早くから「将来の仕事のことを考えるのは、勉強する意味を理解するうえで大切」という見方もあります。また、早く就活を終わらせることができれば、勉強に専念できるという見方もあります。こうした「就活のスピードアップ」のメリット、デメリットについてはどう考えていますか。

岡本信也さん 「就活のスピードアップ」が「就活開始時期の前倒し」というであるならば、早期化のメリットは、余裕をもって自分のキャリアについて考えることができることです。

大学3年後半からだと短い期間での見極めになってしまい、結果として納得感の低い就活につながる可能性も高くなります。

また、キャリア感が養われることで、自分に合う企業や職種が見極めやすくなるというメリットもあります。また、昨今課題となっているのは、就活の「長期化」です。

長期化による学生側のデメリットは学業への影響です。企業側でもデメリットが大きく、採用に関わる工数の増大、内定承諾率の見極めの難しさなどがあげられるでしょう。

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行動を少し変え、小さな一歩を踏み出すと、見えてくる世界が変わる

――就活のスピードアップが避けられない流れだとするならば、大学1、2年生に対して、どんなアドバイスがありますか。

岡本信也さん 大切なことは何よりも「計画性」だと思います。多くの先輩は、社会に出たあとに「世の中が想像以上に広かった」ことを知ることになります。

ファーストキャリアを納得感の高いものにするために、まずは大学生活(学業/課外活動/アルバイト等)を充実させながらも、計画的に社会を知るための準備と行動が大切になります。

これらの準備や行動は、就職活動だけではなく、大学での学びやアルバイトの選択などにも良い影響をもたらすことがあります。多くの大学では大学1、2年生向けに、社会に繋がる情報やカリキュラムを提供しています。

キャリアセンターに行ってみたり、企業主催の1、2年生でも参加できるオープンカンパニーに参加したりするなど、行動を少し変え、小さな一歩を踏み出すだけで見えてくる世界観は変わってきます。ぜひ、チャレンジしてください!