夏になり、これからドライブで欠かせなくなるのがエアコン。カーエアコンを使うと燃費が落ちるといわれますが、具体的にどの程度燃費悪化するかはご存じでしょうか。
車の燃費を少しでも良くし、節約するためのエアコンの使い方や設定温度、運転の仕方について紹介します。

車のエアコン「25度」が燃費と快適さの鍵に

まず、カーエアコンは何℃に設定するのがベストなのでしょう。

自動車部品メーカー大手「カルソニックカンセイ」によれば、カーエアコンの設定温度は以下が推奨されています。

<推奨温度 ※オートエアコン時>
・日本車は「25℃」
・欧州車は「22℃」

なおカーエアコンは家庭用のエアコンと異なり、設定温度を上げても、比例して燃費が向上するわけではありません。むしろ設定温度を上げるとエアコンに負担がかかり燃費が悪くなることもあります。

したがって、日本車であれば推奨温度の25℃で利用するのが賢明です。

豆知識:オートエアコンとは?


カーエアコンのAUTOスイッチを指で調整する
【画像出典元】「 benjaminnolte- stock.adobe.com」

オートエアコンは、ダッシュボードの「AUTO」をスイッチONにすることで作動します。

オートエアコンとは、室外/室内温度をモニタリングして、自動で冷暖房の効き、風量、風向きなどを調整し、効率よく設定温度に近づける機能のことです。

なおオートエアコンを作動させていると、夏場は自動的に「A/C」スイッチが入ることがあります(A/Cの詳細は後述)。

(広告の後にも続きます)

エアコン使用による燃費悪化は本当?仕組みと対策

カーエアコン(冷房)で燃費は悪くなる


カーエアコンの「A/C」スイッチをONにする
【画像出典元】「 tarou230- stock.adobe.com」

ダッシュボードの「A/C」をスイッチONにすることで冷房・除湿機能が作動します。

自動車の冷房は、車の動力を一部利用してコンプレッサーを稼働させ、動力→冷気に置き換えています。したがって冷房を使えば、エンジンの回転数が下がり、その分動力を補うための燃料が必要になりますので燃費は悪化します。

一般社団法人日本自動車工業会の「乗用車の燃費」によれば、「エアコンのA/CをONにしていると、1割以上燃費が悪化します」ともアナウンスされています。
 

「暖房」であれば燃費に影響しない

逆に冬に使う暖房であれば、燃費には影響しません。理由は、車の暖房はエンジンルームの熱を再利用しているためです(ただしハイブリッド車は除く)。

冬場であってもエンジンルーム内は高熱になり、その熱を車内に取り込めますので、熱を生み出すためにエネルギーは不要というわけです。