3. FX投資の失敗談/20代共働き女性Cさん
スマホを見て悩む女性
【画像出典元】「iStock.com/AntonioGuillem」
インターネットやテレビで盛んにCMをしていたFX(外国為替証拠金取引)に興味をもったCさんは、共働きということもあり、自分のお小遣いと結婚前に貯めていた200万円を使って取引をスタートしました。
FX取引は簡単にいうと二つの通貨で取引を行い、通貨が上がるか下がるかを予想するものです。株式で投資をスタートするにはまとまった資金が必要ですが、FXでは4~5000円程度の少額でスタートできます。スマートフォンのアプリで、平日なら24時間の取引ができるのでゲーム感覚で取引ができます。そしてFXの大きな特徴の一つに自分の資金以上の取引ができるレバレッジ機能があります。レバレッジ取引とは、簡単にいうとFX会社にお金を借りて取引を行うことです。
レバレッジを使うと手持ち資金以上に取引を行えるため、大きな利益を目指すことができます。一方で損失が出た場合もレバレッジに合わせて損失額が大きくなります。Cさんの場合は200万円を使い切っただけではなく、レバレッジで大きく膨らんだFX会社への損失も支払うことになってしまいました。
【FPが考える、こうすればよかったかも?】
FXは値上がり・値下がりを予測するというゲーム的要素があり、ついつい夢中になりがちです。また信用取引で手持ち資金以上の取引が簡単にできますので、レバレッジは低め、急激な値動きがあった時に取引をストップさせるロスカットをちゃんと設定しましょう。
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4. 投資信託の失敗談/60代リタイア男性Dさん
Dさんは40年近く会社員として働き退職金を受け取りました。2000万円近くのお金が一気に銀行口座に振り込まれるのは人生で初めての経験です。とても気持ちが豊かになりましたが、年金だけでは老後の十分な資金にならないと考え、資産運用を考えました。退職金を資金として使えば大丈夫と考え、金融機関の窓口に出向いて相談して決めることに。
それまでDさんの投資経験といえば生命保険の養老保険のみで、投資の知識はないのと同じでした。そのような状態で、窓口では退職金用特別金利の定期預金と投資信託のセットを勧められました。「金利も高いし退職金で手持ち資金は今のところ十分なので、じゃあ、おすすめのソレを」のような流れで、勧められるままの商品でDさんの退職金運用が始まりました。
実際に始まってみると、金利の高い定期預金は短期間しか有効ではなく、購入している投資信託は毎月分配型でした。分配金の金額も高く、スタート時には定期に分配金が出て安心していていましたが、ある日、金融機関からの書類を見ると投資に回している元本が大きく減っていました。
【FPが考える、こうすればよかったかも?】
退職金はまとめて受け取ることが多いと思いますが「何か運用をしなければ」と焦る必要はありません。ゆっくりと考えても大丈夫です。退職金を運用しながら何年をかけて取り崩しをするのか?を考えることが重要です。
毎月分配型の投資信託は大部分の商品が元本を取り崩して、分配金という名前で契約者に配分されています。そのため、いわゆる元本割れ状態になっていることが多い商品です。大事な退職金は減らさない運用が重要です。