現代のサヴァランは?
フランスの伝統を受け継ぎ、日本でも多くのパティスリーから街の洋菓子店でも愛され続けているサヴァラン。現代では、どのように変化しているのでしょうか?
島田シェフ
「フランスでは、ホイップクリームを添えたババの方が多く、サヴァランを目にする機会は少なくなっていますね。最近のフランス人の作品を見ると、ババとサヴァランの定義はあいまいで、ババかサヴァランか好きな名前を使っている印象です。ババでもサヴァランとつけている人もいるぐらいです。
ただ、日本だと食後酒とデザートをあわせて楽しめるので、レストランのデセールやカフェのスイーツとして提供される店が増えています。最近ではお酒を飲む人が少なくなっているので、ノンアルコールのものを使ったサヴァランなどもあります。また最近の日本では、ラム酒の代わりにジンを使ったり、様々なお酒が使われています。それこそ日本酒やマッコリなどで作っても面白そうですね」
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次回紹介するのは、桃のぴったりのデザート『ピーチメルバ』。オーストリアの有名歌手に捧げられたというデザートが、今の日本やフランスでどのように愛されているのか?歴史や最近の変化を探ります。
<衣装協力>
ワンピース6,490 tocco closet(@toccocloset)
教えてくれた人
パティシエ・シマ 島田徹シェフ
1976年東京都出身。2000年「A.ルコント」に入社。2004年に渡仏し、パリ13区にあるMOF(フランス最優秀職人)「ローラン・デュシエーヌ」に勤務。2005年パティスリー界のピカソと呼ばれる「ピエール・エルメ」のもとへ。その間、「エコール・ヴァローナ」「アトリエ・ステファン・クライン」など数々の一流機関で研修を受け幅広い技術・知識を習得。2008年には、フランスを代表する超一流ホテル「ル・ブリストル」に入社。
帰国後2009年、「パティシエ・シマ」エグゼクティブ・シェフ就任。伝統を大切にしつつ、表現方法と美味しさの調和を考えながら、新たな価値の創造を追求する。2010年、トックブランシュ国際倶楽部(フランス料理に係わるトップ・プロフェッショナルのための世界ネットワーク)、レ・ザミ・ド・キュルノンスキー(フランス本国に本部を持つ美食家の集まり)に入会を認められる。
About Shop
パティシエ・シマ(PATISSIER SHIMA)
東京都千代田区麹町3-12-4 麹町KYビル1F
営業時間:平日 11:00~19:00、土曜日 11:00~17:00
定休日:日・祝
Instagram:@patissiershima
Photo/Masahiro Noguchi(野口マサヒロ) hair&make/Nakashima Aki(中島愛貴)