仕事終わりの時間を楽しむハッピーアワー
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ハッピーアワーとは、仕事を終えた後の楽しい時間のことです。日本でも、この時間に当たる平日の夕方は、レストランでドリンクが割引されたりすることが多いですね。
私が「ハッピーアワー」という言葉に初めて触れたのは、アメリカで、ニューヨーク近郊の東海岸のナーセリーで働いていたときのこと。私の上司はアメリカ人のガーデナー兼農家で、非常に厳しく仕事に熱心、そして「ベストを尽くしていい仕事をしよう(Do a good job and do your best.)」という明確なメッセージを持った方でした。時間通りに始めれば、午後5時には仕事を終わらせることができます。彼はいつも、午後5時には仕事を終え、温室を出て同じエリアにある自宅に帰っていました。もちろん従業員も、定時で仕事を上がるのが基本でした。
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彼の自宅横のゲストハウスに住まわせてもらっている中で、彼が奥さんとともに家の前に座り、大きな農場とその中のヒツジの囲いやたくさんの古木を眺めている光景を何度も見ました。緑に包まれる中で、大抵はスパークリングワインやビールを片手にベンチに座り、夫婦揃ってハッピーアワーをゆったりと楽しんでいたのです。時々その場に呼ばれて一緒に過ごすこともありましたよ。
これが庭でのハッピーアワー。静かにリラックスした空気の中で、互いの時間やその場の空気を楽しむのです。
私が通う家庭菜園の区画で、こうしてハッピーアワーを楽しんでいる人は、今まで見たことがありません。時にツールボックスに腰を掛けて煙草を吸う方はいましたが、ご年配で休憩が必要だったため。そこにいる人々は、時たま短い会話をすることこそありましたが、ほとんどひたすら作業をするだけなのです。
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そこで、この7月半ばに、友人と一緒にハッピーアワーを楽しむことにしました。午後6時から午後8時まで庭仕事をした後は、ゆっくり座ってリラックスタイム。飛び交う蚊に悩まされながらも、虫よけスプレーを辺りに噴射して、塩気のあるチップスとクッキーをおつまみに、ドリンクを数杯いただきました。とても楽しく幸せな時間でした。
ハッピーアワー、とってもおすすめです。
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屋外で過ごす夏時間
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ドイツでのハッピーアワーは、ベランダやバルコニー、さらにはガーデンなど、屋外で過ごすこととよく結び付けられます。ちなみにガーデンで過ごす場所は、朝食、昼食、夕食という3つのシチュエーションによって、それぞれ異なる場所を使うことが多いです。ドイツでは公園では一般にベンチが設置されていますし、屋外では基本的に椅子とテーブルを使いますが、公園などで本格的なピクニックをするときは直接地面に座ることも。スイミングプールでも、芝生の上にタオルを敷いて腰を下ろすことがあります。
あまり芝生や地面に腰を下ろすことがない理由はいくつかありますが、日本よりも椅子やベンチなど座れる場所が多数用意されていることもその一つ。どこに行ってもベンチ、椅子、デッキチェアからその他の座れるものまで幅広い選択肢があるため、地面に腰を下ろす必要がないのです。
ちょうど2024年のオリンピックが開催されているパリでも、散歩をすると、チュイルリーズガーデンや美術館の周囲、また小さな庭園まで、たくさんのデッキチェアが設置されていることに気づきます。低めの石垣や、砂岩や木でできたベンチも人気です。
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この時期の日本では、日の出前や日が沈んだ後に外に出るほうがいいかもしれませんね。ただ自然に触れ、近隣の川や湖などの眺めを楽しんだり、暑さの落ち着いた夜に、夜風に吹かれながら星を眺めたり。ゆっくり腰を下ろしてリラックスしてみてはいかがでしょうか。
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私の夏の思い出でも特に印象的なものは、オーストリアを訪れた際、小さな湖のある山に登ったこと。湖の周りには木製のデッキチェアが並び、息を呑むような景色と青い空が広がって、まるで楽園のようでした。夏の季節、空調の効いた屋内で過ごすだけでなく、ぜひ自然と触れ合う体験をしに、屋外に出てみてはいかがでしょうか。
Credit
話 / Elfriede Fuji-Zellner
– ガーデナー –
エルフリーデ・フジ・ツェルナー/南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子供向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。
Photo/ Friedrich Strauss Gartenbildagentur/Stockfood
まとめ / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。