いざ、スブラキサンドを。
すっかり気持ちも緩んだところに出てきたスブラキサンド(ギリシャのピタパンサンド)は、想像していたよりもはるかにおいしそうだった。具材の色味が濃く、色彩も硬派で、全体的にスッキリ引き締まっている。味がぎゅっと詰まっていそうだ。
本誌で紹介したスブラキサンド。具の種類が多すぎず、ソースもしっかりと煮詰めた自家製ゆえか、味わいが清々しい。
これまで食べたことのあるスブラキサンドには、レタス系の葉野菜とフレッシュなトマトが付き物だったように思う。それが『タヴェルナ』ではどちらも入っておらず、水っぽさがなかった。だからといって、口の中がもそもそと乾く感じもない。トマトソースは十分にジューシーで、ヨーグルトソースが与えるマイルドな酸味も、口を潤した。余計なものは加えない、まっすぐなおいしさで、サイドで頼んだフリットも、シンプルでスマートな味だった。会計をするとき、一緒に行った友人はキャップを一つ購入した。わたしは色を決められず、少し考えることにした。いずれにしても、またすぐにサンドイッチを食べたくなって、来ることになるだろうと思っていた。
作っているところを見せてもらうと、思っていた以上に鶏肉の切り身が大きな塊だった。でも、全体のバランスがよく、ボリュームがあり過ぎる印象はない。
フェタチーズとオレガノを散らしたフリットはクセになる味で、数日経つとまた食べたくなる。
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再訪してみると。
サンドイッチよりも先に、実際食べたくなったのは、少しオレガノを散らしたフリットのほうだった。それに、売り切れる前にキャップも買いたくて今度は一人でランチに行くと、キャップは新色が出ていた。結局選んだのは、ライトブルーにオレンジで刺繍が入っているものと、パープルにオリーブグリーンの組み合わせ。メニューに書かれたもう一つのサンドイッチも試してみたい、と思っていたらその日はなく、再びスブラキサンドとフリットを食べて、改めておいしさを認識した。最初に食べたときには構成や味付けに注意を引かれたけれど、この日は、しっかりした肉質の鶏肉に、意識がいった。ハーブが効いて、オリーヴやケッパーとよく合った。より一層、もう一つの、グリルドサンドを食べてみたくなった。