日本の家庭の防災対策費は平均1万円…足りている?
防災対策
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では、個々人の家庭の備えはどうでしょうか。住友生命保険相互会社が2023年に実施したアンケート調査によれば、十分な防災対策のために必要な支出は回答者の平均でおよそ4万円でした。一方で実際の支出は1万円程度と、理想と現実のあいだには約3万円のギャップが生じています。
1万円といえば、先ほど紹介した帰宅困難者用の備蓄品セットとほぼ同等の額です。しかし家族がいる方は家族の人数分の備蓄品が必要であり、自宅避難が長引くことを想定すると3日分では少し心もとない備蓄量です。
同調査によれば「実施しなくてはいけないと思う防災対策」として飲み物・非常用持ち出し袋・非常食がトップ3の回答でした。また防災対策をしていないとの回答者は3割を超えており、防災対策の必要性をわかっていても実際にはなかなか取り組めていない方が多いことがうかがえます。
何を準備すればよいかわからない方は、下記を参考に少しずつ揃えていくとよいでしょう。
出典:首相官邸HP「災害が起きる前にできること」より一部抜粋
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まとめ
今回の記事の要点をまとめます。
・全世界で災害の発生は増えており、2030年には年間560件に及ぶとも予測されている
・日本の防災関係予算は約1兆9000億円(2024年度)で2014年度以降は減少傾向
・AIやドローンを活用した「防災テック」が成長中で2030年には48兆円規模になる見込み
・家庭における防災対策費は約1万円が平均だが、理想は約4万円とギャップがある
残念ながら災害は今後も増えると予測されており、日本のみならず世界各国で防災への取り組みが進められています。家庭においても対策が必要だとの認識は浸透している一方で、つい先延ばしになってしまっている傾向がみられました。
確かに平時には防災への意識が薄れてしまいがちですが、チェックリストを参考に、準備しやすいものから少しずつ揃えていきませんか。