世界的な著名人を含め、これまで何万人もの人を撮影し、被写体の「美しさ」を写真に収めてきたポートレート写真家のJo Moriyamaさんに、今日から実践できるセルフプロデュース術を教えていただきました。



ポートレート写真家のJo Moriyamaさんは、これまで世界的な著名人を含め、何万人もの人を撮影し、被写体の「美しさ」を写真に収めてきました。撮影では、「自然な表情」にこだわることで、その人の美しさを最大限に引き出せるとJo Moriyamaさんは言います。

今回は、表情が与える印象を中心にJo Moriyamaさんにインタビュー。4回の連載を通して、今日から実践できるセルフプロデュース術をご紹介します。

第1回では、人の印象がどのようにつくられるのかを学びます。

目次

Tips1/今日から「つくりすぎ」をやめよう
Tips2/「自然体でいちばんいい自分」を目指そう
Tips3/口角は常に2ミリ上げておく

Tips1/今日から「つくりすぎ」をやめよう

人が「美しい」と感じる基準は何か。私は、相手にここちよさを感じさせる「自然さ」ではないかと思っています。

私は例え話でよく「バイオリンの弦は、張りすぎるといい音が出ない」と説明しますが、まさにそのとおり。

口が笑っていても目に力が入っている人は、息をしていないように見えてしまいます。そうすると、あなたを見ている相手は無意識に表情から圧を感じたり、苦しく不安定に感じます。

相手に「ここちよさ」を与える自然体な表情は美しく、好印象につながります。写真でも、よくキメ顔をする人は要注意。多くの人のキメ顔は、目が力んでいて、口角が上がっていないことが多いです。つくりすぎてしまうと、どうしても顔全体に力が入ってしまい、自然体から遠のいてしまいます。

ポートレート写真家の仕事は、その人がいちばんイキイキしている瞬間を撮ることです。「〜しなければならない」という社会的な制約から解放されて、自然体で美しい被写体を写真に収めます。

撮影でなくても、あなた自身が常に自然体でいることで周囲の人もその美しさに引き寄せられ、安心感を得られます。




Tips2/「自然体でいちばんいい自分」を目指そう

忙しく働いていると、自分のからだが出す黄色信号に気づけなくなってしまいます。いい表情・いい印象のためにも、仕事では無理をしないことが大事。もし、頼まれごとをしても忙しかったら、きちんと断りましょう。

断れない性格の人が多い日本。日頃から、「本当にすみません、今とっても忙しくて難しそうです(・ω<)☆」とチャーミングに断る練習は、やっておいて損はなし。 日本人の多くは「大丈夫です」と自分の本音を隠してしまいがちです。この反射的な回答は今日この瞬間からやめましょう。あなたの「助けてください」というサインは、言葉にしないかぎりわかりませんからね。 「そんな簡単に断れたら苦労しない」と思っているそこのあなた。想像してみてください。 もしあなたが何かを部下や同僚にお願いしたいとき、深刻な顔で「キャパオーバーで…」と申し訳なさそうに断られるよりも、「とても協力したいのですが、今パンクしかけなんです(・ω<)☆」と言われるのとでは、印象が大きく違いますよね。 もちろん人間関係や状況にもよると思いますが、チャーミングに断るスキルは私生活でも使えるので、覚えておきましょう。 余裕をなくして不機嫌になってしまうと、誰かを雑に扱ってしまうことになりますから。

Tips3/口角は常に2ミリ上げておく

のちほど美しい表情をうみだす方法について説明しますが、特に大事なのが口角を絶対に下げないこと。余計な力を入れないのが美しい表情を作る基本ですが、口角だけは違います。

どんなにきれいにメイクをしても、口角が下がっているとすべてが台無しです。私は撮影会で一般の方を撮る機会があるのですが、口角が下がっている人には手鏡を渡して今すぐ上げるように指導します。

口角は重力で下がっていくものなので、普段から意識的に2ミリほど持ち上げる気持ちでいましょう。気持ち上げておく、ぐらいでちょうどよくなるはずです。

口角が下がっている人と、おしゃべりしたいと思いますか? 不満があったり、怒っていたり、「今は話しかけないほうがよさそうだ」と感じますよね。このように、口元が強張っていると、他人とのコミュニケーションの機会が失われるほか、自分自身の心も疲弊していきます。

人生、とてつもなく辛い時期もあると思いますが、口角だけは下がったままにならないように気をつけて。深いシワができてしまう前に、意識的に上げておくことが大事です。

――魅力的な表情は、「余計な力を抜く習慣」でつくれます。次回は自分らしい美しさを追及する方法を、Jo Moriyamaさんに教えていただきます。今日から口角を上げて、周囲にポジティブなエネルギーをふりまきましょう!

〜好印象をうみだすセルフプロデュース術

よい印象は、「つくらない」ことから始まる!

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Jo Moriyama(ジョー・モリヤマ)


ポートレート写真家、表情の専門家。
1978年、ハンガリー人の母と日本人の父のもと、ベルギー・ブリュッセルで生まれる。幼少期をベルギーとスイスで過ごし、多国籍の環境で国際感覚を養った。14歳で日本に移住し、鎌倉で過ごす。2003年世界中を旅した写真を見た友人のすすめで写真家を志す。独立後、芸能人や著名人のポートレート写真家として、国内外のファッション誌に携わる。最新著書『美しい表情は人生を変える』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)では、表情の演出方法からメイク、ヘアスタイルのアドバイスなどまで役立つセルフプロデュース術が満載。
オフィシャルサイト:
https://www.world-jomoriyama.com/
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取材・文/ぺ・リョソン
写真提供/ジョー・モリヤマ
デザイン/WATARIGRAPHIC