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●みんな大好き・ヨックモック。味わいと合わせて缶もお馴染みですが、描かれている「絵」の意味は果たして!?
日本人にとってのご進物の大定番ブランド『ヨックモック』。代表的商品「シガール」を筆頭に、様々なお菓子を展開しているのはご存知の通り。
そして、ヨックモックの各商品とともに馴染み深いのが、お菓子を入れた缶です。お菓子ごとに異なる缶が使われており、いずれの缶もどんな世代・立場の人にとっても好まれるであろう上品なものです。
定番品「シガール」の缶
しかし筆者は常々、素朴な疑問を抱いていました。それは「ヨックモックの缶に描かれているものは一体何か」ということ。例えば「シガール」の紺色の缶には上品でありながらもダイナミックな線のような意匠が描かれていますが、その意味について推し量ることはできませんよね。
そこで今回、ヨックモックの担当者にこれら「缶に描かれた絵の意味」について聞いてみることにました。
「シガール」缶の地色はブルーの奥にオレンジが重なっていた
蓋を開け「シガール」と対面する際の奥ゆかしい気持ちは、優れたデザインの缶が引き立ててくれているようにも思えてくる
まず、ヨックモックの定番品「シガール」の紺色の缶と、「ドゥーブル ショコラ オレ」の淡いオレンジ色の缶について、担当者に伺いました。
「シガールとドゥーブル ショコラ オレは、それぞれ『やさしく、やわらかく、光を発する』がデザインコンセプトです。デザインしてくださったのは、グラフィックデザイナーの大森幸代さんで、1991年より採用させていただいています」とのこと。
定番品「ドゥーブル ショコラ オレ」の缶。「シガール」同様、こちらも「やさしく、やわらかく、光を発する」がデザインコンセプト
さらに、「実はシガール缶の地色はブルーの奥にオレンジを重なっており、深みが出るよう工夫しています。また、1つの缶のデザインだけでなく、例えば『シガール』『ドゥーブル ショコラ オレ』が並んだときのバランスにも気を配っています」とも教えてくれました。
セット「デリス」シリーズは複数のお菓子のイメージを融合したもの
詰め合わせセット「デリス」シリーズの缶
また、ヨックモックは複数のセット商品もラインナップしていますが、これらの缶もまた優雅です。
例えば2023年9月に誕生した「デリス」シリーズは、前身の詰め合わせセット「サンク デリス」のデザインを踏襲しながら、中のお菓子のイメージカラーを融合させたイメージで作っているそう。
缶のデザインと、中のお菓子のデザインとの統一感が心地よし
「デリスは、複数のお菓子が入ったセットシリーズですが、定番品のシガールの他、派生商品のシガール オゥ ショコラ、シガール オ テなどもあり、それぞれで使用している『赤』『黄色』の帯の色をイメージして配色しています」
ヨックモックのオンラインショップ限定セット商品「ガトー エクセラン」
ヨックモックのオンラインショップ限定の「ガトー エクセラン」の缶
さらに、ヨックモックのオンラインショップ限定のセット商品「ガトー エクセラン」は、店舗限定品であることから、他との差別化を強く感じる缶です。
限定のラングドシャー品の生地の焼き色をイメージしたデザインです
「ガトーエクセランは、丁寧に焼き上げたラングドシャーを、中のお菓子だけでなく、見た目でも楽しんでいただけるよう“ラングドシャーの生地の焼き色”をイメージしています。高級感あるパールピンクのきらめきが、ティータイムを上質に演出します」とのこと。なんともオシャレでこだわりがスゴいです。
設立55周年を迎えたヨックモック
初代ヨックモックの缶。18世紀頃にヨーロッパで流行した壁紙の模様をアレンジした金色の唐草模様が描かれています
ところで、ヨックモックは今年で設立55周年。ブランド確立当初から「お菓子の味」はもちろんのこと、包装やパッケージにもこだわり続けてきたと言います。
1972年に登場した通称・木蓮缶。チョコレートシガールをはじめ、様々なお菓子の缶として採用されたもの
「設立当初より、百貨店で販売するギフト商品として相応しい感性豊かなイメージを付加するよう心がけてきました。その結果、味わい・イメージ、トータルで高品質な商品に仕上げることができたと自負しています」
1974年に登場した「シガール」缶。商品の配合改良に合わせて缶のデザインも刷新。以降17年にわたって親しまれたデザイン
そしてこの2024年8月8日からはブランドの55周年を記念し、ユナイテッドアローズとのコラボレーションで、トートバッグとお菓子の詰め合わせセットを数量限定で販売予定。
ユナイテッドアローズとのコラボレーションで、8月8日から数量限定で販売される「トートバッグとクッキー詰め合わせのセット」
シンプルなトートバッグでありながら、「ヨックモックのイメージ」をそのまま反映したこれらの商品も気になるところです。
まとめ
ヨックモックは55周年を経て、さらなる未来へ[食楽web]
一体何の絵が描かれてるんだ? という素朴な疑問から出発した本企画、ヨックモックの缶・包装などの意匠にさまざまな思いが込められていることがわかりました。最後に改めて担当者に聞きました。
「8月8日で設立55周年という節目を迎えられた感謝と新たな決意を込めて、“共につなぐ、未来へ”というテーマを掲げました。『人と人とのつながりを創造し、世界中の人を笑顔にするプレミアムクッキーブランド』になるために、ヨックモックのお菓子を通してつながる皆さんと、一緒に未来を創っていきたいと思っています」
55年以降のヨックモックの展開と缶デザインからも、目が離せそうにありません。
(取材・文◎松田義人(deco))