パリ五輪の卓球男子団体・準決勝で、日本が大激戦の末にスウェーデンに敗れ、エースの張本智和選手(21)が泣き崩れるなどしたシーンが繰り返しメディアで流れている。

五輪選手を巡っては、ネット上の誹謗中傷が酷いと問題になっている。卓球通として知られるお笑い芸人のパーマ大佐は、X上で日本の惜敗に触れ、「敗れた選手を批判しないで」などと訴えた。

「この現実を受け止めなくていい方法が、死ぬ以外にあるなら」

2024年8月8日(日本時間)に行われた準決勝は、一進一退の激しい攻防だった。

第1試合のダブルスで日本が逆転勝利すると、張本選手は、今大会シングルス銀のT.モーレゴード選手を下し、勢いに乗る。しかし、第3試合のシングルスでは日本が逆転負けし、続くシングルスも一歩及ばない。2勝2敗の五分で、最後は張本選手に委ねられた。

張本選手は、A.シェルベリ選手を相手に死闘を演じたが、終盤に足を痛めてマッサージを受ける。最後は連続ポイントを許して敗れると、ショックは隠せない様子で、コート上に突っ伏して泣き崩れた。インタビューにも、こんな悲痛な思いを明かした。

「死んで楽になるなら死にたい。こんな思いするくらいなら……。この現実を受け止めなくていい方法が、死ぬ以外にあるなら、それがいいですけど……」

それでも、張本選手は前を向き、3位決定戦に対し、「もうやるしかないです。もうただひたすら頑張るしかない」と気持ちを切り替えていた。

日本代表の戦いについて、パーマ大佐は、メディアやX上で解説してきており、準決勝についても、公式Xで自らの思いを伝えた。

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誹謗中傷をけん制、「勝利したスウェーデン選手を讃えて」

日本の惜敗について、パーマ大佐は、「卓球の団体戦は先に2連勝したチームがその後大逆転で負けるというのがしばしば起こります。今回はそれが起こってしまいました」とみる。さらに、「アウェーな空気の中実力が拮抗している相手に五輪の舞台で向かってこられるというのは、我々には想像もできないような精神的なダメージがあったと思います」と解説した。

そして、五輪選手への誹謗中傷が社会問題になっていることを意識してか、敗戦について、次のように呼びかけた。

「敗れた日本人選手を批判するのではなく、勝利したスウェーデン選手を讃えて頂けると一卓球ファンとして嬉しく思います」

そのうえで、「まだ終わった訳ではありません。泣いても笑っても次の3位決定戦で終わりです。選手の皆さんが五輪の舞台を楽しんで、思い切ったプレーができるように、日本からエールを送りましょう!」と書いた。

この投稿は、大きな話題になり、「そう、終わったわけではない!」「このレベルになるとどちらに転ぶかわからない」「ありがとうございます」といった声が寄せられていた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)