京都の老舗和菓子屋が作る「麩焼煎餅」。上質のもち米粉を使い、軽く焼いた表面の表側に亀甲の焼目を入れ、裏側には特製の蜜を刷いています。
ふるさとの京都には、子供の頃から親しんできたお菓子がたくさんあります。わが家ではお薄を日常的に点てることが多かったので、抹茶に合う和菓子は特に好物でした。
御池煎餅は湿気にくい缶入りで日持ちもするため常備していた菓子のひとつで、生菓子がないときはきまってこれがでてきたのです。
なんて美味しいお菓子なんだろう! なんて軽くてやさしいんだろう! そんな風に子供ながらに食べる度に感動する「一番好きな京都のお菓子」が御池煎餅でした。今もそれは変わっていません。
米を原料とする「麩焼煎餅」は、どこのものも食べてみると表面はパリッと固いのに歯をたてるとサクッ、ふわっと甘みまでも軽やか。けれど御池煎餅のサクふわ感、甘さだけじゃない微妙な味わいは特別、格別! いくらでも食べられそうな困ったお菓子です。
東京でもデパ地下に行けば多くの京菓子がカンタンに手に入る便利な時代ですが、御池煎餅は京都なら駅でも買えるのに、他の地域では買えません。子供からお年寄りまで食べられる万人向けの食感、甘いものが苦手な方でも召し上がりやすいごく淡い甘さ、味のある意匠とパッケージ、お日持ち、価格…… どれをとっても最高の京みやげだと思います。
私はふだん添加物の入った食品は買いませんが、「無添加じゃないけどあまりにも美味しいからやめられない、食べちゃう、勧めちゃう!」という食品がわずかにあります。御池煎餅もそのひとつです。
本能寺門前、寺町御池角に位置する亀屋良永さんはもうすぐ創業200年。その落ち着いたたたずまいも好きで、本店でのみいただける季節の生菓子はじめ小豆煎餅、無門、花一枝等好きなお菓子をあげるときりがないほどです。便利な場所ですので、上洛の際にはぜひ本店にも立ち寄ってみてください。
お取り寄せはオンラインではなく、お電話やファクスで。そんなところも京都の老舗らしいなと思います。
【編集部注】
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