男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:恋愛市場で無敵だった美女(33)が、年収2,000万の外コン男を落とせなかった理由
30歳の桃子とのデート。僕は久しぶりに本気を出して頑張った。
会話も盛り上がったし、LINEのやり取りも悪くなかったはず。それに桃子はデート中、何度も「達也さん、すごいですね♡」と言ってくれていた。
しかも今日のデートは、夜景の見える綺麗なレストランで食事をし、その後は虎ノ門へ移動してしっぽりと飲む…と、僕の良さを最大限に活かせるデートプランだったはずだ。
しかし2軒目まで用意していたのに、桃子はあっさりと1軒目で帰ってしまった。
「え?もう帰っちゃうの?」
「明日の朝が早くて…」
違う。僕は事前に明日の朝、桃子が早くないのは確認済みだ。
今年で35歳になる僕。見た目も悪くないし、経営者という肩書もあって、どちらかというとハイスペックに入るはず。
それなのに、どうして桃子は帰ってしまったのだろうか…。
Q1:初対面で、実は女が見ていたのは?
桃子とは、知り合いの紹介で出会った。
35歳になり、さすがに結婚願望が強くなってきた僕。「彼氏募集中の可愛い子がいるよ」と言われ、共通の知人に繋げてもらったのが桃子だった。
しかしご縁とは不思議なもので、桃子と紹介者と3人で食事をするはずだった当日、紹介者が体調不良で急遽来れなくなり、最初から2人きりでの食事となった。
「すみません、友人が来られなくなってしまったみたいで…」
「聞きました。こちらこそ、2人きりでも大丈夫でしたか?」
最初はお互いぎこちなかったけれど、相手に気まずい思いをさせないように、僕は一生懸命話を盛り上げる。
「桃子さんは、ご出身はどちらなんですか?」
「私は横浜です。達也さんは?」
「僕は東京です。といっても、かなり端っこのほうですが…立川ってわかります?」
「もちろんですよ!」
そんな会話をしていくうちに桃子の緊張も解けたのか、1時間もするとお互い敬語も抜けていた。
「え〜達也さん、広尾に住んでるの?広尾っていい場所だよね。いつか住んでみたい!」
「そうなんだよね。広尾って閑静な住宅街だから、すごく住みやすくて。『明治屋』とか高級スーパーも多いし」
「広尾に住んでいるってセンスいいよね」
「でしょ?ちなみに、センスってお金で買えないからすごく大事にしていて」
「わかる!」
僕はファッションが好きだ。今日だって、5年ほど前に買った50万超えのバッグに、10万もするお気に入りの先がとんがっているハイブランドの靴だ。洋服にはお金をかけているし、身だしなみに関しては、人の倍くらい気を使っているほうだと思う。
「たしかに、達也さんって洋服好きだよね?」
「うん、好きだね。でも桃子ちゃんもおしゃれだよね」
桃子が今日持っているバッグも、某ブランドの人気のバッグだ。それに靴もハイブランドの靴で、全体的にとても綺麗にまとまっている。
「桃子ちゃんって、普段洋服はどこで買っているの?」
「展示会に行くことも多いけど…達也さんは?」
「僕は海外で買うことが多いかな」
「へ〜すごい」
「桃子ちゃん、旅行は?よく行く?」
「うん、旅行は好きだよ。最近は行けてないけど」
そんな話で盛り上がっていると、あっという間に時間が過ぎていた。
「すごい楽しかった。桃子ちゃん、また誘ってもいい?」
「もちろん!」
こうして、すぐに二度目のデートがやってきた。
Q2:女が二度目のデートでずっと思っていたコトは?
こうして迎えた二度目のデート。僕はお台場にある、東京の夜景が綺麗に見えるチェーン系のレストランを予約した。
「わ〜綺麗…!!」
僕の予想通り、待ち合わせの店に着いた桃子はとても嬉しそうにしている。
「でしょ?桃子ちゃん、好きそうだなと思って」
「ありがとう」
こうして、改めてお台場の夜景を見ながら二人で乾杯する。今日も桃子は凛としていて、美しい。
「桃子ちゃんって、本当に美人さんだよね」
「そんなそんな。達也さんも、イケメンじゃん」
「そうかな。学生時代はかなりモテたんだけどね〜」
そんな話から始まったけれど、この日のデートも盛り上がったし楽しかった。それに今日は前回と同様のアイテムに加えて、少し気合を入れて白パンもはいてきた。
「桃子ちゃんって食事好きだよね?」
「うん、大好きだよ」
「僕も美味しいレストランとか、すごく好きで。だからこういうお店に一緒に行ける人がいいなと思ってる」
「一緒にご飯を食べて、美味しいって思えるって大事だよね」
「桃子ちゃんと、すごく一緒。気が合うな〜」
東京にはさまざまな美女がいるけれど、本当に良い子は一握りだと思う。
「センスが良くて、食事もわかっていて…。桃子ちゃんみたいな子って、貴重だよね」
「ありがとう。ところで、達也さんの家って、どの辺りなの?」
「僕はね…渋谷橋に行った辺りかな」
「そうなんだ」
「桃子ちゃんは?家、どの辺りだっけ?」
「私は目黒だよ」
「いい所だね」
そして今日は、お互いの家族構成や趣味の話など、もっと深いところまで話し合うことができた。
「じゃあ達也さんの会社は、設立3年目なの?」
「うん。経営者っていろいろ大変でさ」
「そうだよね、すごいよね」
「桃子ちゃん、旅行好きって言ってたよね。次はどこへ行く予定?」
自分の話だけではなく、ちゃんと相手の話も聞く。しかも、前回話していたことも忘れていない。
当たり前のことかもしれないけれど、この二つを押さえておくと、女性は喜んでくれる気がする。
「次の予定はまだ決めてないよ。達也さんは?」
「僕は、次はヨーロッパへ行こうかなと」
「すごいね!いいな〜パリ。行きたい」
こうして、デートは楽しく進んでいた。しかし会計を終えて出ようとした時のこと。
「達也くん、ありがとう。ご馳走さまでした」
「いえいえ。ここは僕が。一応、次に虎ノ門のバーを予約していて…」
「ごめん!明日朝が早くて。今日は帰ろうかな」
「え?そうなの?」
でもここで無理に引き留めるのはダサい。
だから大人の余裕を見せて、笑顔で見送ることにした。
「そっか、仕方ないね。じゃあまた来週くらいに会おうよ」
「そうだね。また連絡するね!」
こうして、颯爽と去っていった桃子。しかしこの後、桃子からそっけないお礼のLINEが来て以降、会えていない。それどころか、メッセージを送っても既読スルーになってしまった。
― なんで?何も悪いことはしていないはずだけど…。
果たして、桃子はなぜ僕のLINEを返してくれなくなったのだろうか。
▶前回:恋愛市場で無敵だった美女(33)が、年収2,000万の外コン男を落とせなかった理由
※公開4日後にプレミアム記事になります。
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
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女がデート中にずっと気になっていた男のある部分とは?