サボテンの属種別の特徴と代表的な品種
ギムノカリキウム属
Pix:JOHN CHEESEBURGER FOTOG./CACTUS RULEZ®︎
ギムノカリキウム属は、サボテン科の中でも特に人気のある属で、主な原産地はメキシコ中部から米テキサス州にかけての乾燥地帯。
主に球形または円筒形をしており、一般的なサイズは直径が数cm〜15cm程度と、小型〜中型のサボテンです。
明確に分かれたリブ(稜)を持ち、それぞれのリブにトゲがあります。
リブの数や形状は品種によって異なりますが、多くの場合縦に深い溝が入っているのが特徴です。
トゲは比較的短く、種類によっては白や黒、褐色などさまざまな色合いを持ち、密度や長さも品種ごとに異なるため、このサボテンに多様性をもたらしています。
またギムノカリキウム属の花は非常に美しく、直径が3〜5cmで、白やピンク、赤、黄色など多彩な色があります。
花は頭頂部や側面からトゲを押し除けて咲くため、トゲがその美しさを一層引き立てます。
ギムノカリキウム「新天地」。小さい丸は蕾たちだが、トゲを押し除けて開花する姿には毎回驚かされる。前出の特徴④:サボテンの花にある開花風景はこの株によるもの。
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【代表的な品種】
バッテリー
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天王丸
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牡丹玉(ぼたんぎょく)
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瑞雲丸(ずいうんまる)
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緋牡丹錦(ひぼたんにしき)
瑞雲丸に斑(ふ)模様が入ったことにより名称が「緋牡丹錦」となる。斑とは、突然変異で茎の色素が黄色や赤、橙色に変調する現象で、斑が入ることにより価格が元の品種の倍以上になる。緋牡丹錦は斑入り品種では最も人気がある。
翠晃冠(すいこうかん)
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【ギムノカリキウム属の価格の相場】
1,500円〜10,000円(牡丹玉以外は多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
フェロカクタス属
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フェロカクタス属は、サボテン科の中でも特に頑丈で存在感のある種が多く、北アメリカの乾燥地帯を中心に分布しています。
フェロカクタスのフェロはラテン語で「強い」「凶暴な」を意味する通り、強力なトゲを持つことで知られていて、こういった強いトゲを持つ品種はサボテン界では「強棘系(きょうしけい)」と呼ばれ、一般的にはトゲの幅が広いほうが良株とされます。
形は球形や円筒形で、とても大きく成長することが多く、成熟した個体は直径が数十cmから1m以上になることもあります。
非常に厚いリブを持ち、それぞれのリブは強靭で長く、品種により、赤や黄色、白、グレーと、さまざまな色があり、それらが湾曲しながら密に生えているため、見た目のインパクトは最強です。
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花は頂部に花径約3〜5cmの花を咲かせ、それらは品種により赤、黄、オレンジなど、とても鮮やかな色をしています。
フェロカクタス属は耐暑性が高いため、昨今の猛暑下でも屋外で問題なく育てることができます。
逆にいえば、屋内だと光量不足、温度不足になるため、成長が鈍る冬以外は屋外での管理が理想的です。
寿命も長く、数十年から百年以上生きることもあるため、一生をともにできるサボテンといえるでしょう。
【代表的な品種】
黄金冠(おうごんかん)
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神仙玉(しんせんぎょく)
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赤城
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【フェロカクタス属の価格の相場】
3,500〜20,000円(多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
アストロフィツム属
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アストロフィツム属は、そのユニークな外見と比較的管理しやすい性質から、愛好家の間で非常に人気の高いサボテンです。
主にメキシコからアメリカ南部にかけて分布しており、Astrophytum=星の植物、というラテン語による属名が示すとおり星型の模様が特徴的で、大鳳玉(たいほうぎょく)などの一部品種を除き、その大部分がトゲがない「無刺(むし)種」が多いことで知られています。
形は球形または円筒形をしており、表面には白い斑点や星形の模様が見られます。
これらの模様は、サボテンの表面を覆う微細な毛状突起(アレオーレ)によるものであり、直射日光を反射する効果があるため、ボディの冷却効果も持ち合わせています。
また、自生地の環境(地面や岩面)に擬態した模様のため、動物の食害から身を守るカモフラージュ効果も有しています。
名人といわれる栽培家は、この模様や斑点の出方をコントロールできるため、栽培家の名を冠したものとなると数万円するものもあります。
園芸家の恩塚 勉氏によって1970年代に作出され、一気に人気品種となった「恩塚鸞鳳玉(おんずからんぽうぎょく)」。
写真提供:信州西沢サボテン園
アストロフィツム属の花は大きく、美しい黄色や白色の花を咲かせます。
花は頂部から咲き、直径は2〜4cmくらいで、開花期間は1〜2日と短命のため、その儚い美しさも観賞価値を高めています。また、トゲがない分とても扱いやすく、小ぶりなボディサイズが小さなスペースに最適で、なおかつ、一鉢置くだけでインテリアのよいアクセントとなるため、老若男女問わず多くのファンを持つサボテンです。
【代表的な品種】
兜丸(かぶとまる)、瑠璃兜(るりかぶと)など。
兜丸(写真手前)と瑠璃兜(写真奥)の開花風景
【アストロフィツム属の価格の相場】
2,000円〜20,000円(多くが多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
マミラリア属
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マミラリア属は、サボテン科の中で最も多様性に富む属の一つで、約200種類以上の種があります。
属名はラテン語の乳頭(mammilla)に由来しており、実際に多くの品種が乳頭のように突起した形をしているのが特徴です。
メキシコを中心にアメリカ南西部から中央アメリカにかけて広く分布していて、基本的に小型の品種が多く、薄いピンク、濃いピンク、紫、緋色と、花の鮮やかな色彩には定評があり、中でも写真下の豊明殿(ほうめいでん)に代表されるように、花径15mm程度の小さい花が花冠のように咲く品種などは、見た目の可愛らしさが際立ちます。
花は比較的容易に咲き、花期も長く、咲く回数も多いため、花を楽しみたい人にはおすすめです。
写真提供:信州西沢サボテン園
マミラリア属を象徴するもう一つの特徴が、トゲの密度。
短いトゲが高密度で体全体を覆う品種が多く、その規則的な配列が美しい模様のようで、丸型の品種だと日本古来の蹴鞠(けまり)のようにも見えます。
マミラリア「姫春星」。自然の造形美が堪能できる。
サイズも小さく、トゲの面においても扱いやすく、花も可愛らしいため、サボテンの魅力がグッと詰まった品種です。
【代表的な品種】
姫春星、月影丸、豊明殿
美女丸(写真下)
Pix:JOHN CHEESEBURGER FOTOG./CACTUS RULEZ®︎
美女丸の開花風景。
【マミラリア属の価格の相場】
4,000円〜15,000円(多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
エキノプシス属
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エキノプシス属は、ボリビアやアルゼンチンなど、南アメリカを中心に分布しています。
かつては品種数もそう多くはなかったのですが、1980年代に遺伝的研究が進んだことにより、いくつかの種属が統合され、現在は約150種以上を含む大きなグループになりました。
種類が多いので、品種により球状や、柱状が混在し、とてもバラエティーに富んでいますが、どの品種にも共通するのは花の可憐さ。
花は夜に咲くことが多く、一夜限りの儚い美しさを楽しむことができます。
花の色は白、ピンク、オレンジ、赤など多岐にわたり、直径10cm以上にもなる大きな花を咲かせることがあり、香りも豊かで、うっとりするような甘い香りを放つ品種もあります。
とても丈夫で、成長力も旺盛のため、どんどん子を吹き群生株になることもしばしば。その変化の過程は見ていて楽しくなります。
日光大好き、肥料もわりと好き、寒冷地でもしっかり育つので、初心者におすすめのサボテンです。
【代表的な品種】
短毛丸
世界の図
短毛丸に黄色斑が入ると、その見た目が地球儀のように見えることから「世界の図」と小種名が変わる。
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【エキノプシス属の価格の相場】
1,000〜10,000円(「世界の図」は多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
エキノカクタス属
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エキノカクタス属は、主にアメリカ南西部からメキシコにかけての乾燥地帯に分布しています。
丸みを帯びた球形や円筒形といった樽型のボディが特徴で、このため、原産地では樽(Barrel)を意味するバレルカクタスの名で通っています。
非常に成長が緩慢なため、代名詞ともいえる品種「金鯱(きんしゃち)」は成長が遅いがゆえに、サボテン界でもトップクラスの長寿を誇っています。
サイズが大きくなるまでに数十年かかり、20年以上経過してようやく開花株となるため、ある意味一生をかけてつきあえるサボテンともいえます。
どの品種も外観は美しく、リブから雄々しく伸びる長く太いトゲはまるで精密な彫刻のよう。
自然の造形美を余すことなく堪能することができる、極上のサボテンです。
ちなみにトゲの色は品種により、黄金色、赤、茶、白とさまざまな色があり、花の色も黄色、白、ピンクと品種によりさまざまですが、黄金色のトゲに黄金の花を咲かせる金鯱こそ、エキノカクタス属の王道ともいえます。
金鯱に魅了されて沼落ちした園芸家はとても多く、中にはメキシコの自生地まで足を運んだ人も。
※金鯱は系統学研究の結果、2014年4月にクレンレイニア属に変更になりましたが、市場では現在もエキノカクタス属として流通しているため、この記事ではエキノカクタス属として解説しています。
【代表的な品種】
金鯱
太平丸
写真提供:信州西沢サボテン園
雷帝(らいてい)
写真提供:信州西沢サボテン園
【エキノカクタス属の価格の相場】
3,500〜40,000円(多くが多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
エピテランサ属
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エピテランサ属は、小型の種類が多く、小さいながらもメキシコの過酷な乾燥地帯に分布しています。
品種数もあまり多くなく、比較的小さなグループです。
とてもコンパクトで丸みを帯びた形状が特徴で、表面は非常に細かい白いトゲや毛で覆われており、これが外観全体をふんわりとした印象にしています。
細かいトゲは触れても痛くはなく、また茎肌が隠れるほど密集して生えることで、強い陽射しから茎を保護していて、また、擬態効果もあるため動物の食害から身を守ることができます。
花は小さく、頂部に咲き、通常は白からピンク色で直径が1cm未満です。
また開花後に小さな実ができることがあり、この実の中にはタネが入っており、このタネを用いて株を増やすこともできます。
また、エピテランサ属は子株が生じやすいため、最初はシンプルな1株だったものが、短期間で群生株になるというように、外観の変化を楽しむこともできます。綿帽子のような見た目の可愛らしさと、屋内の明るい場所でコンパクトに育てることができる手軽さもあり、サボテン初心者にもおすすめです。
【代表的な品種】
月世界(つきせかい)
頂部の赤い実の中に、タネが4〜5個入っている。
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【エピテランサ属の価格の相場】
2,000〜10,000円(多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
エキノセレウス(エキノケレウス)属
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エキノセレウス属は、主にアメリカ南西部およびメキシコに分布しています。
この属には約100種が含まれ、比較的コンパクトな品種が多いです。
形は球状と柱状が混在していて、群生し横に広がっていくものなどもあり、とてもバラエティーに富んでいます。トゲの色も、白、黄、赤、黒など多岐にわたり、中にはトゲを持たない品種もあります。
エキノセレウス属の一番の魅力はなんといっても花の美しさ。
春から夏にかけて咲き、また開花期間も長く、一度咲いたら3〜4日間くらい咲いている品種も。
一般的なサボテンの開花は1〜2日程度なので、長い期間花を楽しむことができます。花は大きく、色は、ピンク、赤、紫、黄色、オレンジなど多岐にわたり、特に中心部に濃い色のコントラストが見られるものが多いです。
【代表的な品種】
紫太陽
美花角(びかかく)、オレンジ花桃太郎(美花角の交配種)、ピンク花桃太郎(美花角の交配種)など。
オレンジ花桃太郎の開花風景
ピンク花桃太郎の開花風景
【エキノセレウス(エキノケレウス)属の価格の相場】
4,500〜20,000円(多肉専門店またはネット通販でなければ入手は不可)
オプンチア属
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オプンチア属は、アメリカ大陸の乾燥地帯の広範囲にわたって自生しています。
この属は約150種以上を含み、特徴的な平たい茎節(パッド)の見た目から、ウチワサボテンやバニーカクタス(うさぎ耳サボテン)などの異名を持ちます。
パッドは節ごとに成長し、新しいパッドが古いパッドから生えてきます。
多くの品種でパッドの表面に「グロキディア(刺状毛)」と呼ばれる微細なトゲが密集しており、これが肌に触れると数十本の細かいトゲが皮膚に刺さるため、取り扱いには注意が必要です。
しかし園芸用に品種改良されたトゲのない品種もあるため、パッドが数珠つなぎになっていくという基本的な形は同じですが、トゲの有無は好みで選ぶこともできます。
トゲがないため大きい割に扱いやすいため人気のバーバンクウチワ。
オプンチア属のサボテンは、品種により手乗りサイズから屋根まで届く巨大種まで、大きさもバラエティーに富んでいます。
金烏帽子(きんえぼし)のような小型品種はテーブルアクセントになり、大型宝剣のような大型品種は地植えでさらに大きくし、シンボルツリーとして仕立て上げることもできます。
大型宝剣。目視できるトゲ以外にも細かいトゲが生えているため、取り扱う際はトゲもの用のグローブが必須だ。
オプンチア属は花も美しいことで知られています。
春から夏にかけて平たいパッドの縁に、品種により黄色、赤、オレンジ、ピンク、白の美しい花を咲かせますが、その姿は可愛らしさが溢れています。
オプンチア属のサボテンはどの品種も基本的にとても育てやすく、そのエキゾチックな外観が多くの人を魅了しています。
【代表的な品種】
金烏帽子(きんえぼし)
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銀烏帽子(ぎんえぼし)
墨烏帽子(すみえぼし)※トゲ無し品種
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大型宝剣
【オプンチア属の価格の相場】
800〜10,000円(身近な街の園芸店で入手可能)
コピアポア属
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コピアポア属の自生地はチリ北部のアタカマ砂漠一帯。
極端に少ない降水量と乾燥した大地、激しい風と、この一帯は植物が生きていくには極めて過酷な環境であり、コピアポア属のサボテンたちはそんな場所に排他的なコロニーを築き自生しています。
野生種は個体数が圧倒的に少なく、CITES(ワシントン条約)により国際的に保護されているサボテンの中にあって特に厳しく管理されているグループのため、その種子から育てられた子々孫々の株には常に高値がついています。
特に黒王丸という品種はコピアポア属を象徴する品種として、世界中のサボテンコレクターから羨望の的となっています。
黒王丸はオークションなどでも数万数十万円が当たり前。
基本的に初心者では育てるのが難しいサボテンですが、サボテン好きの中には「いつかは黒王丸」と夢見ている方々も多いです。
黒王丸は直径わずか2cm程度のものでもトゲの黒さが際立つ個体は1万5千円するという、とても高価なサボテン。
コピアポア属の多くは、球形から円柱形をしており、そのどれもが個性的な外観で、成長すると高さが3m近くになるものもあります。
表面は硬く、ワックス状の被膜で覆われていることが多く、これが強い日差しや乾燥から身を守る役割を果たしています。
ゆえに、茎肌の色が青みがかった緑色や灰色がかった緑色など、落ち着いた色合いなのも特徴的です。
花もコピアポア属の魅力の一つです。
花は直径2〜3cmと小さく、黄色やオレンジ色をしており、頂部に咲きます。
開花期間は2〜3日で、その間、荒ぶった体と可憐な花の不思議なコントラストで楽しませてくれます。
【代表的な品種】
黒王丸
黒士冠(こくしかん)
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逆鱗丸(げきりんまる)
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ギガンティア
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フミリス
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【コピアポア属の価格の相場】
6,000〜200,000円(多肉専門店またはネット通販、オークションサイトでなければ入手は不可)
1属1種系
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1属1種系のサボテンは、分類系統学的に調査した結果、単独の種属として分類され、それらは植物分類上とても興味深い存在です。
ゲオヒントニア・メキシカーナやオルテゴカクタス・マクドガリーが有名です。
これら1属1種系のサボテンは、それぞれが非常に限られた地域に生息しており、その特異性は生物多様性の研究においても注目されています。
孤高の佇まいに魅了される1属1種系、我が道を征くアーティスティックな感性のある方におすすめのサボテンです。
【代表的な品種】ゲオヒントニア・メキシカーナ
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ゲオヒントニア・メキシカーナは、1992年にメキシコのヌエボ・レオン州で発見され、その発見は植物学界でも話題になりました。
ゲオヒントニアという属名は、この種を発見した植物学者ジョージSの名前に由来しています。
アコーディオンのような特徴的なリブを持ち、青灰色の球形のボディと、昆虫の足のようなトゲが魅力です。
メキシカーナは石灰岩の崖や急斜面に生育しており、極度に乾燥した環境に適応しています。成長はとても遅く、あらゆる面で慎重な管理が求められるため、栽培上級者向けのサボテンです。
【代表的な品種】オルテゴカクタス・マクドガリー
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オルテゴカクタス・マクドガリーは、オルテゴカクタスという独自の種属の中の唯一の品種です。
1951年にメキシコのオアハカ州の乾燥した石灰岩地帯で、植物学者トーマスB.マクドゥーガルにより発見され、氏を讃えて米国の植物学者E.J.アレクサンダーにより、発見から10年が経過した1961年に「マクドガリー」と命名されました。
小型で球形、またはやや円柱形の体を持ち、鮮やかなミントグリーンの表皮と美しい黄色の花が特徴です。
メキシカーナ同様に成長のとても遅い品種ですが、小さい株の段階でも旺盛に子を吹き、愛嬌ある容姿を楽しむことができます。
ただし栽培難易度は高いため、上級者向けのサボテンになります。
●マクドガリーは“孤独”ではなかった!
近年、植物学者P.B.ブレスリンの研究で、マクドガリーがマミラリア属やコリファンタ属の血脈を引くコケミエア属であることがわかり、2021年にコケミエア属に移行されました。正確には1属1種のサボテンではなくなりましたが、2024年現在の市場ではまだ1属1種系の扱いとなっているため、本記事ではそのように記述しました。
【1属1種系の価格の相場】
8,000〜50,000円(多肉専門店またはネット通販、オークションサイトでなければ入手は不可)
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編集後記
こないだ飲み屋で、私がサボテンのTシャツを着ていたため、サボテンの話になって。
隣の客:「サボテンの何が好きなの?」
私:「トゲですね。」
隣の客:「へぇ〜。トゲのどんなところがいいの?」
私:「刺さるところですかね。」
その時私は、この“刺さる”というのに二つの意味を込めて言いました。
一つは、実際に指に刺さる=痛い
もう一つは、可愛さが心に刺さる=歓喜
私にとってサボテンは、痛みと歓喜をともに与えてくれる稀有な存在なのです。
この感覚、少年の頃の実らなかった初恋にも似ているかな。
ともかく、どんな種類でもよいですから、インスピレーションに従いサボテンを一鉢買ってみてください。
もしかしたらそのサボテンをお世話しているうちに、あなたにも初恋の記憶が蘇るかもしれませんよ。
画像協力
JOHN CHEESEBURGER写真事務所
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 編集部員K
– ライター・エディター –
フリーランスのロックフォトグラファーの傍ら、サボテンを愛し5年、コーデックスに魅せられ3年を経て、2022年4月にガーデンストーリー編集部に参加。精力的に取材、執筆を行う。飼い猫「ここちゃん(黒猫♂4歳)」に日々翻弄されている。