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●『にぎりの徳兵衛』糸貫店。甲信越・東海・関西にしかないグルメ回転寿司の人気の秘密に迫る
格安が最大のウリだった回転寿司業界に一石を投じるように登場した、いわゆるグルメ回転寿司。『銚子丸』『回転寿司みさき』などが有名ですが、いずれも関東エリアを出発点に、徐々に人気を博していったものです。
そんな中、山梨、岐阜、静岡、愛知、三重、京都、大阪といった甲信越・東海・関西エリアにかけてグルメ回転寿司的存在のチェーンがあります。その名も『にぎりの徳兵衛』。
『にぎりの徳兵衛』の原点は、今から52年前に福井県で誕生した『徳兵衛寿司』。後に『元禄寿司』に変わり、さらに「アトム」という会社になり、2000年代以降は巨大飲食チェーン・コロワイド傘下となったブランドです。
この変遷はまさに“出世魚”のようにも映りますが、グルメ回転寿司を立ち上げるにあたって、改めて創業時の名を冠するあたりに、その味へのこだわりを強く感じます。今回は岐阜県内の『にぎりの徳兵衛』でその味を確かめてきたので、その魅力をご紹介していきましょう。
激推し中のネタをオーダー
筆者がまずオーダーした寿司群
『にぎりの徳兵衛』では、カウンターおよびテーブル前を回遊するコンベアに乗った皿から握り寿司を取る、いわゆる“回転寿司”的な楽しみ方ができます。皿の種類はなんと10種類。安いものでは140円、最も高額なものだと680円になります。
ただし、他のグルメ回転寿司ブランド同様、客の多くはコンベアで回ってくる皿から直接手にとるのではなく、各席に設置されたタブレットでオーダーしており、筆者もそのようにしました。
今回まずオーダーしたのは、激推し中だった「しまあじ」(550円・以下全て税込)、「夏の食べ比べ三昧(しまあじ、すずきの昆布〆、活シメかんぱち)」(756円)、「うなぎバター一貫」(396円)。いずれも夏を感じるネタばかりです。
「しまあじ」
タブレットのオーダーを受けた板さんがすぐ目の前で握ってくれ、数分でサーブされました。高級魚「しまあじ」は脂乗りの良い一品で、なめらかかつ良い歯応えの食感は、まさに“回らない寿司店”にも引けを取らない旨さ。
「夏の食べ比べ三昧(しまあじ、すずきの昆布〆、活シメかんぱち)」
このほか、「夏の食べ比べ三昧」のレベルも高く、「すずきの昆布〆」の絶妙なシメ具合に職人魂を感じ、そして「活シメかんぱち」も一般流通とはまるで違う鮮度の良さを強く感じました。控えめに言って、最高に美味!
ネタの良さと技、双方が光る『にぎりの徳兵衛』
「うなぎバター一貫」
また、この日の岐阜県内はとにかく暑かったため、つい食べたくなった「うなぎバター一貫」。「うなぎとバターって合うの?」と正直思いましたが、これがビックリ。めちゃくちゃウマいんです。
フワフワのうなぎの身に対し、濃いめのタレとバターが絡み、頬が落ちるような感覚を覚えました。こういった創作系寿司のレベルが高い点も『にぎりの徳兵衛』の強みなのだと思います。
「ネギとろ巻き」
最後に「ネギとろ巻き」(242円)を追加オーダー。こちらもまたネタのクオリティ、にぎりともにハイレベルで、「にぎりの徳兵衛」の「ネタの良さ」「技」双方を強く感じることができました。
まとめ
無料でいただける味噌汁。筆者来訪時は「海老の味噌汁」でした
また、かなり嬉しかったのが、『にぎりの徳兵衛』では味噌汁がなんと無料なこと。セルフサービスでいただくものですが、筆者が訪れた際は「海老の味噌汁」。海老の出汁が贅沢に入った味噌汁が無料とはなかなかの太っ腹ですが、あまりの美味しさにお代わりまでしてしまいました。
ちなみに今回のお会計は1944円(税込)。高めのネタが集中したとはいえ、これだけのクオリティを楽しめるのならまずまず御の字です。
いつか関東圏にも出店してほしいと思いました[食楽web]
関東圏の人気グルメ回転寿司チェーンにも負けず劣らずの「にぎりの徳兵衛」のクオリティ。さらに展開を広げて、関東圏でも味わえるようになることを願うばかりでした。
(取材・文=松田義人(deco))