父は認知症だった



私の知識の中で認知症は「物忘れ」というイメージだけでした。ご飯を食べたこと、銀行の暗証番号、家までの道などを忘れてしまう。その程度だっただけに、「物忘れ」の症状がなかった父が認知症だとは夢にも思いませんでした。それに父が介護保険の対象になるとも思いませんでした。

父の言動は祖母と同じように、年を重ねるごとに我が強くなってきただけだと捉えていたからです。もしかすると長年心臓を患っていたので、体が思うように動かせないもどかしさもあり怒りっぽくなっていたのかもしれませんが、今となっては聞くこともできません。

病院からは「入院すると認知症は進行しやすい」と説明されていました。本当にその通りで2カ月後には私のことも「誰やったか?」と聞くほど、父の認知症は急速に進行しました。ただ、母が「毎日眠れるようになった」と言ってくれたことに、唯一救われていました。

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まとめ

私がもっと早く母が介護していることに気付いていたら……「地域包括支援センター」の存在をもっと早く知っていたら……と思うことはたくさんあります。でも、1人でも多くの人が「地域包括支援センター」の存在を知り、何かあったときに活用できれば、母のように苦しむ人が減るのではないかと思います。相談できる場所があることを知っただけでもラクになったと、母が言っていました。今は、同じ後悔をしないようまめに母と連絡を取り、近況を報告し合っています。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。

イラスト/sawawa

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています

著者/日向 くらげ
40代主婦。離婚を経験。飲食業界の会社に勤めて28年。趣味は旅行と温泉巡り。