「睡眠時間は平均4時間」現役看護師がアイドルになったワケ。多忙でも「以前より精神的に安定している」

日本が世界に誇るアイドル文化。約3000組いるグループの中には、夜勤明けでライブに出たり、整形を公表して活動したりするなど尖ったコンセプトのアイドルもいる。そこまでして活動する理由とは?

今回は、ナースとアイドルの二足のわらじを履く働き過ぎアイドルの新垣天を直撃。彼女がここまで頑張る理由とは?

◆昼はアイドル。夜はナース!夜勤明けでも頑張る理由は?

黄色の衣装を身にまとい、長い手足を生かした可愛いダンスでファンから声援を受けるアイドルグループ「#PEXACOA(ペキサコア)」の新垣天。今年3月にデビューしたばかりのアイドルが“ヤリ過ぎ”と話題になったのは、Xにおけるこの投稿だ。

「ライブ34回+夜勤10回がんばりましたーーー!!!」

ライブの多さもさることながら、実は彼女は現役ナース。

「非常勤なのでアイドルの予定が確定したあとに、看護師の希望シフトを提出してます。夜勤明けにライブやレッスン、配信も多いから、睡眠時間は平均4時間。完全なオフは月に1日あればいいほうですね」

◆アイドルに興味を持ったのは就職後

実はこの日の取材も、「今日、夜勤明けなんでビジュ(見た目)が盛れてます~。寝不足だと顔にむくみが出ないんです」と笑う超タフネスぶり。そんな堅実な彼女がアイドルに興味を持ったのは就職後だ。

「沖縄の看護学校を卒業後、上京して大学病院に就職しました。でも、激務が原因で体調を崩してしまって……。人生を考え直しているとき、同僚にアイドルを兼業しているコがいることを知り、看護師とは違う世界だけど同じように誰かを癒やせる仕事に興味を持ったんです」

◆「現役ナースアイドル」だからこその強みがある

ダンスも歌も未経験の彼女だが、看護師で培った才能がアイドルで役立っている。

「前の職場では先生や先輩から可愛がってもらえたり、患者さんからも『お嫁さんにしたいランキング1位!』って白衣の天使みたいに扱ってもらえたり(笑)。そんな愛され力を生かして、ファンの心をつかむのはうまいかも。ファンの人からは『診察してほしい』って相談されるから、特典会で自前のナース服を着て血圧測定とかをしたい(笑)」

夜勤からライブまで時間がないときは、食事を「お菓子で済ませることもある」というから、少し心配になるが……。「現役ナースだから自分の体調はわかってます。まだまだ平気です!」と今後も両立をしていくと話す。

「お給料が安定している看護師と、唯一無二の存在で居させてくれるアイドル。環境も人間関係もまったく違う2つの居場所で切り替えられるから、以前よりも精神的に安定しているのかなと感じてます」

グループ最年長ではあるが、年齢不詳キャラの新垣。休む間もなく、衣装の入った大荷物を抱えて次のライブ会場へと向かっていった。

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[[ヤリ過ぎアイドル]の肖像]―