大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。先日、4歳児(姪)とお風呂に入っていたところ、「みずちゃんってそうなってるんだ〜」とデブりきったお腹のことを、優しく指摘されました。今週末はジムの見学に行ってきます。
その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信させていただきます。
◆脂でギトギトのおじさんは何をやっても迷惑
夏ですね。セミは35度以上の日には鳴かないと聞きました。どうりで東京ではセミの声を聞かないわけです。暑さで頭をやられたのか、銀座には通勤中のホステスに付きまとうヤバいおじさんの姿もチラホラ見られます。
ネットで「銀座 ナンパ」と検索したところ、銀座でのナンパにまつわる数々のおぞましい記事がヒットしました。
ああいうのは、ギャラの安いライターが適当に書いているか、たまたま2日連続で酔っ払い女をお持ち帰りできた!などを成功体験として大発表しているヤバいおじさんが書いているので、あまり鵜呑みにしないように。だいたい、酔っぱらってパンツも乳も丸見えになっているケースで、可愛い女の子って1度も見たことがありません。
また、行き過ぎた声かけにより、相手を不安にさせた場合などは、迷惑防止条例の違反として取り締まられる可能性もあるそうです(Yahoo!知恵袋調べ)。気を付けましょう。
今回は先日私が遭遇した「通勤中の銀座ホステスを狙うナンパおじさん」についてお話したいと思います。
◆JR新橋駅銀座口で路上ナンパおじさんに遭遇
その日は、新橋駅で電車を降りて、ヘアメイクサロンへ立ち寄ってから出勤する予定でした。駅の地上1階、銀座口を出て、サロンを目指していたところ、見ず知らずのおじさんに「Hi!」と、唐突に話しかけられました。小汚いおっさんがこの私に? 何かの間違いでしょう。無視して歩いていると、再び「Hi!」と声をかけられました。1回目よりも大きな声で。
「(お前の頭は)大丈夫ですか?」と返すと、「聞こえていなかったようなので」と彼は言いました。もしかしたら、お客様では?と思い、まじまじとおじさんを見ましたが、やはり見ず知らずのおじさんです。「すごい気合の入りようですね!これからお仕事ですか?」とおじさんは続けます。
お仕事じゃなかったらこんな格好してるわけないだろ!と心の中でツッコミつつ、おじさんを無視して並木通りへと続く横断歩道を渡ります。少し急いでいました。
◆しつこく付きまとうおじさん
足早に立ち去ろうとする私におじさんはなおも付きまといます。全然めげません。よほど空気が読めない男性とみました。ご家庭でも町内でも会社でも嫌われていそうです。「ホステスさんですよね? けっこう稼いでるんですか?」と、ゼエゼエハアハアと臭い息を嗅がせながら、顔を覗き込んできます。
迷惑を通り越して恐怖でした。どう見てもまともな人ではありません。下手に反撃して、物理攻撃をくらわないとも言い切れません。
おじさんを刺激しないよう「急いでいますので……」と、再度エスケープを試みましたが「岸田総理か!?」と意味の分からないことを言いながら付いてきます。
◆さらにエスカレートするおじさん
岸田総理なのか!?と困惑する私に「出勤前の癒しタイムはいかがでしょうか?」と、おじさんはニチャニチャ。私は、「癒しタイム?」と思わず聞き返してしまいました。
おじさんは「そうです」と得意顔で続けます。「出勤前の癒しタイムを私と過ごしましょう! 例えば食事とか……」。耳を疑いました。オダギリジョーでも高橋一生でもない、太った小汚いおじさんと出勤前にノーギャラで食事をするとしたら、癒しどころか罰ゲームです。
「同伴なら大歓迎ですよ」と返事すると、彼は「同伴なんてしません!」とふんぞり返りました。
「同伴じゃないとデートには行けませんか?」とさらに食い下がります。思わず大大大爆笑です。おっさん、ギャグセンスありすぎます。並木通り中に高笑いを響かせてやりました。
「無理無理無理無理!行くわけないじゃん!(爆笑)」とお伝えしましたところ、おじさんはムッとした顔で続けました。
◆憤慨おじさん
憤慨した様子のおじさんは「だいたい同伴なんてしている男は負け組なんだよ」と反論しました。「鼻の下伸ばしちゃって情けないよ」と。はいはい。銀座エアプです。ドラマかなんかの見過ぎです。
銀座に定期的に通えて、同伴でホステスに高価な食事をご馳走できる男性が、我々ごときに鼻の下なんて伸ばすわけないじゃないですか。仮にほんのちょっと伸びていたとしても、スマートでエレガントな鼻の下ですよ。銀座にいらっしゃる男性はイケメンで素敵な方ばかりです。
恵まれないおじさんの嫉妬ほどみっともないものってないです。どこからどう見ても負け組はお前(付きまといおじさん)です。可哀想になりました。
◆置いていかれるおじさん
いつもより時間がかかりましたが、ようやくセットサロンに到着しました。慈悲深い私は「それでは私はこちらで……ごきげんよう」と負け組おじさんに別れを告げ、立ち去りました。おじさんはひとりで何かブツブツと言い続けていました。
黒服や通勤中のホステスたちがおじさんを怪訝そうな顔で見つめていました。
ああなっちゃうと終わりです。ブツブツ言ってないで働いてしこたまお金を稼ぎましょう。オダギリジョーでも高橋一生でもなくても、お金を稼いだらチヤホヤされ放題なんて夢があるじゃないですか。
丸腰で勝負を挑んでいいのは若者だけです。おじさんはおじさんなんだから、課金しまくって、オトナのチカラってもんを見せつけまくって欲しいものです。
◆タダほど高いものはない
今回は「通勤中の銀座ホステスを狙うナンパおじさん」についてお話しました。路上で女性に声をかけるのはよしましょう。1億%大迷惑です。一歩間違えれば犯罪とみなされる行為です。
だいたいタダほど高いものはないんですよ。私の友人は、ナンパした女の子を家に連れ込んで、お財布から8万円抜かれました。高い勉強代です。
30過ぎても給料据え置き4畳半ワンルームアパート住まいのおじさんは、相席居酒屋にでも行くのがいいでしょう。頑張ってください。
<文/みずえちゃん>
【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989