40代独身男に襲いかかる“帰省鬱”の正体とは? 「実家の居心地の悪さにメンタルを削られる……」――仰天ニュース傑作選

お盆休み、仕事のストレスから開放されている方も多いこの時期。だが、別なストレスを感じている人たちも……。そこで過去6年分の記事から大反響だった帰省や実家にまつわる傑作ネタを集めてみた(初公開2017年1月2日 記事は取材時の状況) *  *  *

 実家に帰省している人が多い正月やお盆の時期、親戚と顔を合わせる機会は必然的に増える。そこで悩みの種となるのが、普段は会わない年配の親戚との会話。年に1〜2度しか会わない彼らにとって、東京から来た甥や姪の近況は最大の関心事。


◆「まだ結婚しないの?」

 だが、問題は彼らの質問が往々にして触れてはほしくないセンシティブな話題であることが少なくないこと。

「いまは大学3年生?就職活動はどの業界に行きたいの?」

「具体的にどんな仕事してるの?営業?」

「公務員目指すのはやめたんだっけ?」

 とはいえ、このようなキャリアにかんする質問に対しては、ウソも含めてまともに答えることはできる。だが、多くの30代以上の独身男女を悩ませるのが結婚や恋愛にかんする質問だ。

「まだ結婚しないの?」

「誰かいい相手はいないの?」

「いま彼氏はいるんだっけ?」

 こうした職場で聞かれれば一発でセクハラ認定される質問も、保守的な考えを持つ非都市部の親戚が集まる場では、なぜか問題視されないことが多いという。

◆アラフォー独身おっさんが実家帰省に苦しんでいた!

 一般に、こうした結婚にかんするセンシティブな話題は30歳前後の独身女性にとっての悩みの種として語られがちだ。

 だが、彼女たちと同じように、いやそれ以上に結婚にかんする話題に悩まされている人たちがいる。それが40歳前後の独身男性。内閣府のデータによると、25〜29歳で71.8%だった男性の未婚率は、35〜39歳では35.6%にまで下がる(平成27年版 少子化社会対策白書)。つまり、未婚男性は35歳をこえると約3人に1人の少数派になるのだ。

 結果、アラフォー中年独身男性は年配の親戚からは「マイノリティ」として不思議な目で見られると同時に結婚に関する答えづらい質問を多く受けることになり、それが彼らの「帰省鬱」の原因となっているのだ。

◆『逃げ恥』の影響で事実婚をすすめる母親

 では、彼らは具体的にどのような仕打ちを受けているのか。「今年は実家に帰らない」という40代男性11人に、過去に親や親戚から受けた帰省鬱の原因となったエピソードを聞いてみた。

「これは女性もあるだろうけど、近況報告ジャブはよくされる。『同級生の●●くんのお母さんと、この間ばったりスーパーで会ったんだけど、最近子供が生まれたんだって』なんてジャブは当たり前。本人はさりげなく言っているつもりなんだろうけど、俺にはそういう攻撃は効かない」(40歳・IT)

「ドラマ『逃げ恥』を見ていた母親から電話で事実婚をすすめられた。元々テレビの影響を受けやすい静岡の田舎の人間なので、どうでもいいと聞き流していたけど『逃げ恥』を事実婚の事例として真面目に考察しているネットの記事をLINEで送ってきた。これには焦った」(41歳・編集)

◆「だからモテないんだよ」が定型句に…


「久々に実家に帰ったときになんでも結婚に絡めて批判されて鬱になった。『太ったでしょ? だからモテないんだよ』『会社変わったの? だからモテないんだよ』と、太ったことと転職したことがモテない(結婚できない)原因としてディスられた。何を言っても『だからモテないんだよ』が定型句になっていて、理不尽すぎる」(40歳・音楽関係)

「芸能界を引退した成宮クンの話をしてきたり、●●ってゲイなの?とこっちが詳しくない芸能人の同性愛事情を今年になってやたらと聞いてくる叔母。どうやら自分はゲイと疑われているようです。結婚してないからって極端すぎる結論。ちなみに、うちは弟も独身です」(40歳・放送作家)

◆解決策は「非モテじゃないアピール」!?

 このように、かなりの確率で結婚にかんする耳の痛い質問を投げかけられるアラフォー独身おっさんたち。その解決法は、堂々と「うっせぇばばあ!」と思春期の中学生のように答えることではないらしい。

 一部回答者から「自分には恋人がいることをあえて伝える」「女性の友人と親を会わせる。あくまで友だちとして。女性の友人がいることを伝えるだけでも違う」といったように非モテではないことをアピールすることが有効というコメントをもらった。この時期、親や親戚の前で気まずい思いをしている男性たちは試してみてはいかがだろうか。

<取材・文/日刊SPA!取材班>