恋人と夏に思い出をつくろうと、旅行やレジャーに出かける人が多い。しかし、そこで思わぬハプニングに遭遇し、結果的には“別れ”につながってしまうことも……。
◆宿泊先の旅館でゴキブリが…
都内の美容院で働く寧々さん(27歳・仮名)は、付き合って3ヶ月の彼氏と夏休みに温泉旅行に行ったそうだが、そこで起こった出来事により、別れることになってしまったそうだ。
「大手予約サイトで見つけた1泊6万円もする旅館に泊まったんです。お部屋に露天風呂があって、豪華な食事、行き届いたサービス。本当にいい思い出になるはずでした」
旅行は1泊のみ。これまた豪華な朝食を食べて、最後に露天風呂に入ってから帰りの支度をしているときだった。
「私がトイレに入っていると、彼が急に『ぎゃーー!』と大声を出したんです。なんだろう? って急いで部屋に戻ると、壁に黒いヤツがいて……大きなゴキブリがいたんです」
北海道出身で東京に出てくるまでゴキブリを見たことがなかった彼は、大のゴキブリ嫌いだったそうで「腰を抜かしていましたね」と、寧々さんは苦笑する。
◆「マジ引いたわ、価値観が合わない」
「私は田舎出身なので、ゴキブリは嫌いですけど、見慣れているから意外と平気……でもないけど、殺すことはできますよ。ただ、ゴキジェットもないので、玄関に行ってスリッパを持ってきて思いっきり叩き潰したんです」
寧々さんのスマッシュが“スパーン!”と炸裂し、見事に仕留めることに成功した。
「死んだのを確認して、ティッシュで拾ってゴミ箱に捨てようとしたら、また彼が『ぎゃーー!』と大声を出したんです」
ゴキブリが大嫌いな彼からすると、ティッシュ越しといえど、ゴキブリに触った寧々さんの行動がありえなかったんだとか。
「ゴキを捨ててから、いちおう手を洗ったんですが、それでも彼氏はもう手を繋いでくれませんでした」
ギクシャクしたまま帰路につき、翌日彼から『ゴキブリ殺す姿を見てマジ引いたわ。価値観が合わない』とフラれてしまったというからムゴい。
「引いたって言われても『じゃあ、どうしたらよかったんだよ』って話ですよね(苦笑)。ゴキブリ見て腰を抜かしたままで、私が殺さなかったら彼に飛んできた可能性もあるのに。ナヨナヨしてる男なんてこっちから願い下げだわ!」
◆「この子と結婚はないな」と思ったきっかけ
都内在住の阿部直樹さん(35歳・仮名)は先日、彼女と旅行に行ったばかりだというが「この子と結婚はないな」と確信するような出来事があったそうだ。
「宿泊先に向かう途中に、ロープウェイがあったんです。調べて見たら映えスポットもあるし、インスタをよく更新している彼女なら喜ぶかなぁと、『寄ってみる?』と提案したんです」
彼女は高所恐怖症で、さらに閉所恐怖症だったらしく「えぇ、こわいなぁ」という様子。ロープウェイに乗らなくてもカフェなどはあったようで、とりあえず寄ることにしたそうだが……。
「僕も別にロープウェイにそこまで乗りたいわけではないので(笑)。もうお茶してトイレ寄って、宿に向かう気満々だったんですが、彼女が『でも直樹は乗りたいよね?』『頂上で写真撮ったら映えそうだよね?』とか聞いてきてくるので『じゃあ乗る?』っていうと、返事は『うーん』。そんな謎のやりとりをずっとしていました」
◆1時間以上もウダウダと…
なんとロープウェイ検討タイムは1時間を超え、阿部さんが「もういいよね!」と言った途端に「せっかくだから乗ろっか!」と彼女。
「もう僕は乗っても乗らなくてもどうでもよかったし、結局乗るのかよ! なんだこの女!って感じでした」
彼女は1時間もウダウダと躊躇していたにもかかわらず、いざ乗ってみると「意外とこわくない」と、ロープウェイ内で立って写真を撮っていたそうだ。
「そこまでびびって躊躇していたんだから、こわがってくれた方がマシだったというか。こわくないなら、この1時間はなんだったの?ってなるじゃないですか」
頂上を楽しむ彼女とは裏腹に、阿部さんはイライラMAX。この行動により「彼女とは早めに別れよう」と決意したそうだ。
「そのうち結婚も考えていましたが、こんなに優柔不断な子とは絶対うまくいかないだろうって。だから、ある意味でいっしょに旅行に行ったことで彼女の本当の部分がわかってよかったです」
まだ別れてはいないそうだが、「あちらから振ってもらえるように精一杯にクズ男を演じてます」とのことだ。
<取材・文/吉沢さりぃ>
―[「夏の恋愛」失敗談]―
【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720