なぜ、ポイントが禁止されるのか?


意見交換
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こうした流れを受けて、仲介サイトのポイント付与が禁止となりました。規制強化策の一環となりますが、なぜ今回仲介サイトのポイントに目がつけられたのでしょうか。この理由について、松本剛明総務大臣は記者会見の中で次のように述べています。

「寄附額の中からポイントのお金も、流れから見たら出ていると言ってもいい部分もあるのではないか」

つまり、総務省は仲介サイトが付与するポイント分のお金を自治体が負担しているのではないかとみているわけです。筆者は個人的には、将来的には仲介サイトをふるさと納税という仕組みから排除する方針なのではないかと見ています。仲介サイトを排除し、仲介サイト側に支払う手数料やポイント負担分を無くすことで、各自治体が自由に使えるお金をより増やそうと考えているのではないでしょうか。

しかし、仲介サイトを運営する多くの企業は「ポイント原資は自社負担」と発表しています。「楽天ふるさと納税」を運営する楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は、自身のSNS(X)に次のように投稿し、今回のルール変更に強く反発しています。

「ふるさと納税にポイント付与を禁止! プラットホームが負担しているポイントも禁止とか、意味が不明だ。小さな自治体が自助努力で財源を確保しようとして、一般の方が楽しみにしている、創意工夫、地方に恩返しという思いをぶっ潰そうとしている。断固反対する。傲慢すぎる。」

ポイントという魅力が無くなれば、必然的に仲介サイトを利用する人は減っていくでしょう。仲介サイトを通じての寄附額が減ってしまった場合、各自治体が寄附額を伸ばしていくためには独自のマーケティング戦略が必要になってきます。大都市ならば専属の部署や人を用意することはできるでしょうが、地方の小さな都市では難しいでしょう。マーケティングの専門知識がある人が自治体内にいない場合、外部に発注することになるのでしょうが、それはそれで余計な負担が生じます。

ふるさと納税という制度は、専門的な知識を持つ各仲介サイトが自治体に代わって効率的なマーケティング活動(TVCMなど含む)を行ってきたため、利用者が順調に伸びてきたという側面があると筆者は考えます。そうした仲介サイトの功績を一切無視し、まるで邪魔者のように扱う今回のルール改正には首をかしげたくならざるを得ません。

楽天グループはふるさと納税へのポイント付与禁止に反対するネット署名を募っており、8月1日時点で署名総数は185万件を超えたといいます。来年の10月までに一旦出した方針が変更されるのか、そのまま実施されるのか注目したいところです。