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●働くお母さんがいると、旨いものがもっと旨くなる。そんな一杯が北海道・札幌の立ち食いそば店「ひのでそば」の冷やしらーめん。

 北海道・札幌から帰るとき、何気なく入った立ち食いそば店が、帰った後も心に残る店になりました。

 それは、札幌市営地下鉄・南北線大通り駅直結の日の出ビルにある、立ち食いそば店「ひのでそば」。朝も昼も夜も、客足が絶えることがなく、お客層も幅広く、塾や部活帰りの高校生の姿さえあります。

 人気の秘訣は、働くお母さんたちの細やかな気遣いにある気がしていて、著者が順番を待っていると、「食べていく?」と冷たいお水を一杯、机に用意してくれました。

 他のお客さんの水も減っていたらすかさず継ぎ足し、

「ちょっと狭いけどここでも良い?」
「今日は何にする?」
「おまちどうさまね」

 とすぐに気が付き、声をかけてくれます。“実家の母さん”を思わせる、真心ある対応と、てきぱき働く姿に、「ひのでそば」の魅力が詰まっているように感じました。

夏なので、冷やしらーめん。1分で着丼

 さて、いつもだったら一番人気の「天ぷらそば」をすするところですが、著者が注文したのは「冷やしらーめん」。注文から1分と待たずに着丼しました。

 プリプリの玉子麺とさっぱりとした醤油だれ。きゅうりもちゃんとシャキシャキです。丼の端についている“和からし”も一緒に混ぜると、より清涼感が増して、塩梅も良くなりました。札幌も昨今、東京と変わらぬ暑さですから、冷やしがピッタリです。

 このご時世で、一杯480円。幸せ、ここにあり!

(撮影・文◎亀井)

●DATA

ひのでそば

住:北海道札幌市中央区南1条西4丁目 日之出ビルB2F
営:7:00〜21:30