文具のとびら編集部
今回、関西方面に出張し、文具店を何件か取材して回った。その模様は文とびでも紹介したが、取材の度にオリジナルインクも購入したので、まとめてご紹介したい。
Kobe INK物語 特別色 150 PURPLE SEPIA
まずは、ナガサワ文具センタープレンティ店を取材(記事はこちら)した際に購入した、ナガサワ文具センターオリジナルインク「Kobe INK物語」の特別色。「Kobe INK物語」は、神戸のいろんなエリアを色で表現したカラーインクで、ご当地インクのパイオニア的存在。現在80種類以上の定番色を展開するほか、神戸に関連する企業などとコラボした特別色も度々発売している。
今回購入した「Kobe INK物語 特別色 150 PURPLE SEPIA」もそんな特別色の一つとして、2024年5月11日に発売された。1874年5月11日に神戸駅~大阪駅間で鉄道が開業してから今年で150周年を迎えることを記念して、JR西日本で「神戸~大阪鉄道開業 150周年プロジェクト」が行われており、その一環で作られたインクなのだという。
パッケージには、歴代の神戸駅の駅舎や、かつて大阪~神戸間を疾走していた新快速用車両の117系「シティライナー」の姿をデザインしている。
そして、インクの色味は、117系「シティライナー」が阪神間を駆け抜ける雄姿と、神戸駅のレトロモダンをイメージした紫を帯びたセピア色で表現したのだという。実際に試し書きしてみると、セピア色の中にほのかに紫色が浮かび上がってくるようで、まさしくレトロモダン。使うたびに新たな発見と書く楽しさが得られる、そんな素敵な色のインクだ。
(広告の後にも続きます)
水都 -堂島緑金-
次は、デルタジムサービスが大阪・梅田エリアに出店している「ギフショナリー・デルタ 堂島アバンザ店」(関連記事)のオリジナルインク。いくつかあるオリジナルインクの中で、とくに売れ筋のインクを前田武嗣社長に尋ねたところ、「水都」というシリーズの「梅田夜青」と「堂島緑金」の2つをあげた。「梅田夜青」は、街灯りで照らされた大阪の夜の空を表現したブルーブラック系のインクで、漆黒の中に青が浮かび上がるような濃厚な色合い。「ブルーブラックインクの中で一番良い色だと思っています」と前田社長が胸を張る自慢のインクだ。
そしてもう一つの「堂島緑金」(税込1,650円)は、ある時は黄金色に、またあるときは深緑に移り変わる,堂島薬師堂の美しさを表現したインク。書き始めは緑色だが、インクが乾いていくと黄土色に変化していくのだという。それを聞いただけでも「面白い」と思い、一つ購入した。
実際に試し書きしてみたのがこちら。左が書いてすぐに撮影したもので、確かに緑がかった色味になっている。そして、その20分後が右の筆跡で、左と比べてより黄土色になっているのがお分かりになるだろうか。こういう色味が変化するインクを使うのも、インクを使う楽しみの一つ。変化前も変化後も好みの色なので、2度楽しめるインクだ。