3. 生命保険料ってどのくらい支払うのが適切なの?


料金について考えている女性
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3-1 20代が支払う保険料ってだいたいどのくらい?
生命保険がどのようなリスクに備えるためのものかはお分かりいただけたでしょうか?備えていれば安心の生命保険ですが、やはり気になるのは毎月の保険料です。特に20代の新社会人など、働き始めて日が浅く、収入がそれほど多くない場合だと保険料負担はかなり大きくなると思います。生命保険文化センターの平成30年度の調査では、20代が1年間に支払う生命保険料の合計は個人年金を含め平均値で23万3000円でした。一カ月当たりに換算すると約2万円です。筆者の経験上、20代が加入している個人年金は一カ月当たり1万円程度が多く、死亡保険や医療保険に使われている保険料は1万円程度だと推測されます。

3-2 将来の展開次第で保険料も変わる ライフステージ別 支払保険料
20代という区分で考えても、社会に出てすぐの20代前半と、20代後半で結婚や子育てなどが始まっている人では生命保険で準備する金額が大きく異なります。生命保険でまず大事なのは経済的アクシデントが発生したときに必要な金額がいくらであるのかを知ることです。

就職・結婚・出産・住居の購入など人生の中で環境が大きく変化するときがあります。その際には積極的に必要保障額を確認し、それに合わせて生命保険の見直しを行った方が良いでしょう。下記の表で見ても50代前半までは加入している死亡保険金の上昇が続いており、ライフステージの変化に合わせて変化していることが伺えます。

 


*生命保険文化センターH30年調べ

生命保険を見直す際の注意点ですが、生命保険の商品の性質上、契約年齢が上がると同じ保障内容であれば必ず保険料も上がります。この点に注意しながら保険を選ぶ必要があります。
また下表は世代ごとの個人年金を含む年間の保険料です。



*生命保険文化センターH30年調べ

この表を見ても50代~60代で見てみると20代の2倍程度の保険料を払っていることが分かります。ちょっとびっくりですね。

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4. 生命保険ってどうやって選べばいい?選び方のポイント4つ


生命保険
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4-1 公的な社会保障の保障範囲を知っておく
リスクに備える生命保険ですが、その生命保険が選んだ目的に適しているかが重要です。どんなリスクに備えるのか、まずは公的サービスでどこまで準備できるかを確認してから選ぶことが重要です。ここで代表的な公的サービスを上げてみましょう。

(1)遺族年金・障害年金・老齢年金など公的年金
老後2000万円問題など何かと話題に上る機会が多い公的年金ですが、万が一のときや障害を負った場合にも年金が支給されることをご存知でしたか?国民年金は保障がそれほど手厚くはないのですが、厚生年金適用事業所にお勤めの被保険者であれば、報酬比例の遺族年金や障害年金をしっかりと準備できます。

(2)健康保険・国民健康保険など公的医療保険
毎月保険料を支払っている健康保険・国民健康保険などの公的医療保険も非常に優れたサービスです。いわゆる現役世代であれば窓口での支払いは3割負担で済み、入院をしたとしても高額療養費制度があるので、それほど過剰な負担にはなりません。また最近の民間医療保険で少しずつ採用されている通院特約は退院後の通院に適応という内容ですので、入院中の過剰な補償は不要なケースが多いと思います。

(3)傷病手当金制度
病気やケガで会社を休むことになり、お給料をもらえない場合の生活を保障するために支給されるのが傷病手当金。こちらは厚生年金適用事業所にお勤めであれば、会社を連続して3日間休んだ場合、4日目以降の休職期間に関して傷病手当金が支給されます。

4-2 目的にあわせて生命保険の種類を選ぶ
生命保険の選び方のポイントは重要なポイントは4つです。
何のために(目的)
家族の生活資金?医療費?老後の資金? 
いつまで(期間)
死亡保険であれば、家族が何歳まで払うか? 医療であれば一生涯払うか?
必要な金額はいくらか?
死亡保障であれば遺族年金を考慮。医療であれば日額だけではなく一時金も要検討
保険料はいくらか?
必要以上の保険料にならないように検討を。保険料は掛け捨てか、解約金ありか

4-3 押さえておきたい、生命保険のメリット・デメリット
<メリット>
(1)万一の保障ができる
遺族の生活費を貯金で準備するには長い時間が必要なことが多いのですが、保険であれば加入時から必要な金額を準備することができます。

(2)所得税・住民税を軽減できる
生命保険料を払うことで、保険料の一定額を所得から控除できる「生命保険料控除」があります。対象になるのは所得税と住民税で課税される所得を減らす=節税することができます。

<デメリット>
(1)保険料がかかる
生命保険に加入すれば安心できる保障を手に入れることができますが、保険契約で定めた保険料が必要です。

(2)貯蓄性の商品の場合はすぐに解約すると損をする
契約から短期間で解約したときは、受け取れる解約返戻金が払い込んだ保険料を下回る場合があります。

(3)貯金ができない
必要以上に高額な生命保険に加入してしまうと支払いが厳しくなりがちです。生命保険は通常は長い期間の支払いとなりますので要注意です。

4-4 分かりやすい!生命保険選びのための種類一覧​
それではこれまでの情報を踏まえて、分かりやすく生命保険を選んでみましょう。

保障の目的により選ぶ保険が変わってきます。以前はあらゆる保障が一体になったパッケージ型の生命保険が主流でしたが、近年では死亡保障と医療保障を分けて必要なものだけを準備する方向に変わってきつつあります。

一般的には20代~30代の独身であれば、過剰な死亡保障は不要なことが多いと思います。医療保険と少額の死亡保障で十分ではないでしょうか?独身の間は県民共済やこくみん共済などの活用で保険料を抑えながら、余裕分は貯金や運用に使うと、給料の使い道としてのコストパフォーマンスが良くなると思います。