「彼と料理をシェアしたくない…!」デート中、女が幻滅した男の食事NGマナーとは

今週のテーマは「食事会からデートにはいったのに、その先がない理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「デートはするけど、発展しない…」38歳経営者が、食事中に犯している致命的ミスとは

夜になっても蒸し暑さが残る西麻布の交差点を歩きながら、私は考える。

― やっぱり来るんじゃなかったな…。

そんなことを思いながら、タクシーを捕まえた。

食事は最高に美味しかった。それだけで十分価値がある。しかしその一方で、貴重な夜の時間を興味のない相手と過ごしてしまったことに対する後悔も生まれ始めた。

今日のデート相手の憲一とは、食事会で出会ったが良い人だと思う。

でも「二度目はないかな」と思うようなデートとなった。



A1:食べ方が汚くてアウト。第一印象は、清潔感が大事



憲一と出会ったのは、友人に呼ばれて行った食事会の席だった。「男性陣はみんな独身」とだけ聞いて参加した会だったけれど、総じてみんないい人であった。

その中で席が隣になった憲一が、積極的に話しかけてきてくれたので、私も笑顔で対応する。

「佳奈ちゃんは、何のお仕事をしているの?」

「私は美容系のメーカーで広報をしています。憲一さんは?」

「僕は飲食店をいくつか経営していて」

「社長さんですか?」

「まぁ、一応」

話を聞くと、憲一は自分で飲食系の会社を立ち上げて、社員さんもそれなりにいるらしい。

「すごい!!」

私がこの時「すごい」と言ったのは、素直な本心だった。

「佳奈ちゃん、どこのメーカー?」

逆に私の仕事のことも聞かれたので、企業名を伝えてみる。すると憲一は、とてもストレートに褒めてくれた。

「すごいね」

「いやいや、憲一さんのほうこそ」

でもその時だった。最初に、私が「ん?」と思ったのは…。

ふと憲一を見ると、みんなでシェアするスタイルの大皿に盛られた生ハムを、自分のお皿などに取り分けることなく、そのまま抱え食べのような感じで食べ始めたのだ。

― 嘘でしょ…。

しかし周りは話に夢中でこの行動を見ておらず、当の本人もまったく気にしていないらしい。その証拠に、憲一は何も気にせず話を進めている。

「佳奈ちゃんは、今どの辺りに住んでるの?」

― 食べ方、気になるな…。

そう思いつつも、私もちゃんと返答する。

「私は芝公園です。憲一さんは?」

「僕は目黒だよ。目黒駅すぐのタワマンで」

「エントランスが素敵な所ですよね?すごくいいマンションじゃないですか」

話を聞いていると、憲一はお金持ちではあるらしい。

「一応、ほぼ最上階。でも部屋が広すぎて、ひとりで暮らすにはもったいないんだよね」

「すご。そんなに広いんですか?」

「3LDKなんだけど、部屋が余っていて」

「いいな〜。私、あのタワマンに住みたくて」

「本当に?一緒に住んじゃう?(笑)」

こんな冗談は、全然いい。しかしさっきから、憲一は話すときにものすごく私のほうに寄ってきている。

「え〜憲一さん、彼女とかいそう…って、距離近いですよ」

― 悪い人じゃないんだけどな…。

そう思いながらも、どうも所作など含めて気になってしまう。

「ごめんごめん。今は本当にいないよ。半年前に彼女が出て行って以来、完全にフリー」

「なんで出て行ったんですか?」

「なんでだろう…。自由にさせすぎたのかな。カードとかも渡していたし」

「すごい」

「俺さ、もう結婚したくて」

「結婚願望あるんですね。最高じゃないですか」

お金はあるようだし、彼女になったら大事にはしてくれそうだ。しかもちゃんと独身ということも、友人たちから確認済み。

正直、「どうしようかな」という第一印象ではあった。でも翌日、彼のほうから食事へ誘ってきてくれたので、とりあえず、食事には行くことにした。



A2:本人の自己評価の高さと実物のギャップ。



しかし憲一は、お店選びのセンスは良かった。

初デートは、オープンしたばかりの『アルギュロス』を予約してくれていたから。このお店のリンクが送られてきた時、私はこのデートが少し楽しみになる程だった。

「このお店、知り合いから聞いて。気になっていたんです♡憲一さんって、グルメなんですね」

「そうだね。美味しいご飯を食べるのが好きで」

「毎日外食ですか?」

「そうなるね〜。最近太っちゃったから、本当は控えたほうがいいのかもだけど」

そう言いながら、自分のお腹をさする憲一。

必然的に、私も彼のお腹を見てしまう。たしかに、年齢の割には少し恰幅が良いかもしれない。でもそこまで気にするほどではなかった。

「佳奈ちゃんは、スタイル素晴らしいけど何かしてるの?」

「最近はピラティスに通っています。と言っても、週に一度とかですけど」

「だからそんなにスタイルいいんだね〜」

「憲一さんは?何か運動されているんですか?」

「パーソナルに週一で行ってるけど、追いつかないね」

「でも美味しいご飯をお腹いっぱいに食べることって、幸せですよね」

「そうなんだよ!」

そんな会話をしながら、デートは進んでいく。食事も美味しくて、私は普通に楽しんでいた。

しかし、やはり今日も憲一の食べ方が気になる。

「すごいですね、ここ」

「でしょ?良かった、佳奈ちゃんが喜んでくれて」

そう言った途端に、また食べ物をボトッと落とした憲一。仕方がないことにしろ、前回のことがあるのでつい見てしまう。

「大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫。でもさ、佳奈ちゃんがこの前の食事会の中で一番可愛かったよね」

「そうですか?嬉しい」

「どんな人がタイプなの?」

「私は…優しくて、人の話をちゃんと聞いてくれる人が好きです」

「僕ってこと?」

そしてもう一つ気になったのが、憲一の自己評価が異常に高い点だった。

「そうですね(笑)」

「前の彼女に何でもしてあげていたし、優しい部類に入ると思うんだよね」

その話は、前回も聞いた。「元カノにカードを渡して好き放題させていた…」という話は、本人的にはご満悦かもしれないけれど、それを聞いたところで「好き♡」とはならない。

「優しそうですよね。ところで憲一さんって、今おいくつでしたっけ?」

「僕は今年で38歳だよ」

「そうなんですね」

「『若く見える』ってよく言われるんだけど、実際は結構年齢いってるんだよね」

― 若く見えるかな…?

正直、見た目年齢はもう少し上に見える。加えて、別にカッコイイわけではない。それにタワマンに住んでいるのはすごいことかもしれないけれど、それをわざわざ言う必要もない。

そして今日も、話しながらなぜかグイグイ寄ってくる憲一。

「38歳なんて、全然若いじゃないですか!」

「嬉しいな」

― この人、結婚できないんだろうな…。

それがひしひしと伝わってきてしまった。いい人だけれど、どこか残念。加えて微妙なお金持ちアピールがちょっと残念…。

「美味しかったね。この後、どうしようか」

「ご馳走さまでした。今日は、私は帰ります」

食事会での第一印象は、意外に変わらないものらしい。

「早く家に帰ろう」そう思いながら、私はひとりでタクシーを拾った。



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※公開4日後にプレミアム記事になります。

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