嫌がる“制服女子”を男が無理やり?新人ラブホ従業員も呆れた「事件」の真相

 さまざまな趣味・趣向のお客が集うラブホテルでは、ときどき驚くような出来事が起こるという。今回は、そんなラブホで清掃・管理スタッフとして働く的場賢人さん(仮名・20代後半)が、新人の頃に体験したビックリな出来事について話してくれた。

◆サボり続ける先輩スタッフ

 当時、ラブホでの勤務をはじめてまだ数週間だった的場さんは、「ちょっとトイレ」「たばこ休憩」などと理由をつけてはサボり続ける先輩スタッフに悩まされていたとか。なぜなら、先輩スタッフが戻ってくるまで、トイレに行けないから。

「トラブルなど何があるかわからないため、管理室を空にするわけにはいきません。そのため急にトイレに行きたくなっても、先輩が戻るまで待つことになります。トイレなどに行けるように2人以上でのシフトが組まれているのに、無意味すぎて腹立たしかったです」

 そんなある日、トイレどころではない出来事が勃発する。ラブホの駐車場に取り付けられた監視カメラに、ヤバそうな映像が映ったのだ。それは車から降りた男性が、嫌がる制服姿の女性を無理やり駐車スペースの隣にあるラブホの個室に引っ張り込もうとする姿。

◆嫌がる女性を無理やり

「何かトラブルがあったときは、すぐに110番通報するよう教えられてはいましたが、警察が駆けつける前に大変なことになる可能性もあると思ったのです。しかも、はじめて目の前で起きているトラブルに、冷静ではいられませんでした」

 しかも、こういうときに対応を相談したい先輩スタッフがサボリの真っ最中。30分以上前にたばこ休憩へ行ったまま戻らない先輩スタッフのスマホに電話をしてみたが、話し中でつながる気配はない。新人スタッフだった的場さんは、慌てて管理室から飛び出した。

「でも近づいてみると、女子高生か中学生だと思っていたのは、オバサン。そして、無理やり部屋に連れ込もうとしていたのはオジサンでした。正直、一瞬は戸惑いました。でもオバサンのほうは嫌がっているし、オジサンも力づくで個室に連れ込もうとしています」

◆イメージプレイだった

 そこで、ひとまず「警察、呼びますよ!」と止めに入ったとか。ところが的場さんの存在に気づいた2人は、「あっ、違うんです……」と、オドオド。そのあとすぐ、嫌がっていたはずのオバサンともども「スミマセン」と頭を下げて謝ってきたのだ。

「まったく状況がのみ込めず狼狽えていると、オジサンが『女子高生を無理やりホテルへ連れ込むイメージプレイをしていた』と言うのです。そしてオバサンは、『気分が盛り上がるように、駐車場から連れ込む演技をしてほしいと私がお願いしたの』と言います」

 さらにはオバサンが「この年になるともう、普通のプレイじゃ燃えないのよ。驚かして本当にごめんなさい」と言い、オジサンが「嫌がる妻がかわいくて、つい……。本当に申し訳なかった」と続けるなど、反省しているのかどうかも怪しい様子。

◆働いている人がいるということ


「呆れるしかありませんでしたが、ひとまず、『ここは共有部分になるので、プレイは部屋で楽しんでください。もしかしたら本当に、警察沙汰になっていたかもしれませんよ』と強めに注意してラブホの個室を利用するよう促しました」

 何はともあれ一件落着したと一息つき、管理室へ戻ろうとしたのだが、その途中に先輩スタッフと鉢合わせてしまう。そして、管理室を空けたことや警察に通報せずその場へ駆けつけたことについてかなり怒られ、踏んだり蹴ったりだったとか。

「自分が働いているところはラブホなので、部屋で楽しんでもらえる分には何も思いません。ただ、今回のように共有部分で迷惑なプレイや修羅場を繰り広げる人もいます。なかには、『ラブホなら何をしても、どれだけ汚しても大丈夫』と考えている人もいるようです」

 的場さんはそう言ったあと「スタッフとは接することが少ないラブホですが、働いている人がいるということを忘れないでほしいです」と付け加えた。施設や店を利用するときは、そこで働く人たちがいるからこそ気持ちよく利用できることを忘れないようにしたい。

<TEXT/山内良子>

―[ラブホの珍エピソード]―

【山内良子】

フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意