文具のとびら編集部
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
こんにちは。残暑お見舞い申し上げます。いかがお過ごしですか?
日々手紙を書いていると、時々、多幸感に満たされることがあります。たとえば、便利な文房具と出会ったとき、かわいいポストカードを見つけたとき、おいしいスイーツを食べたとき、面白い本や記事を読んだとき、伝えたい! 贈りたい! と、心底思う相手の顔がはっきりと頭に思い浮かぶことはありませんか? その段階で、私の全身にワクワクが駆けめぐります。そんな風にして始まる手紙時間が一番好きなのです。
先日、雑誌を読んでいたら、ある記事に目が止まりました。以前友人と話題にしていた内容に近いテーマで興味深い記事が書かれていたのです。友人にどうしても読んでほしくてその雑誌のページを切り取り、手紙と一緒に送ることにしました。雑誌のページはあまり折り込まない方が良いので、少し大きめの茶封筒に入れました。殺風景な茶封筒には切手や紙ものを使って遊び心を表現した絵封筒にしました。手紙は筆が走っても良いようにたくさん書けるタイプの便箋を使い、心をこめてしたためました。そんな感じで、送り出すまでの時間すべてが私の喜びとともにありました。すぐに返事が来ました。文面からとても喜んでくれたことが伝わり、これまた嬉しくなりました。
日々いろいろな手紙を書いていますが、返事を書かなくてはいけないからと半分義務のようにしたためてしまうとつまらないものになってしまいます。どんな内容であっても、義務ではなく、心の底からその人にあてて伝えたいと切実に思った時にこそ良い手紙が書けるのではないでしょうか。その欲求は自分自身の喜びです。手紙をしたためる時間が私自身の喜びとともにあるかどうかは大切にしたい心得のひとつです。喜びから生まれる手紙は仕合わせのお裾分けといえるかもしれませんね。
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手紙トピック
お盆に東京・池袋で開催中の日本郵政主催のイベント「ズッキュン郵便局」に参加してきました。1回目は渋谷、2回目は大阪で、今回が3回目の開催なのだとか。広々とした明るい会場は大勢の人で賑わっていました。プリクラのような機械でフレーム切手を作成したり、切手の入ったガチャポンで遊んだり、その切手を使って無料で置いてあるレターセットに手紙を書いたり、ハート型のポストに投函できたりと、手紙をとことん楽しめます。親子でも友人同士でも楽しめる、古風な手紙を令和風にアレンジしたコンテンツがいっぱいの「ズッキュン郵便局」。次回はどこで開催されるのでしょうか?また参加したいと思えるイベントでした。